活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

第九の鼓動 城東の第九(その7)

2010-02-20 23:57:52 | 一万人の第九(音楽の海)
(※ TOP画像は、ゲネプロ時の合唱団入場シーン。まだ皆私服の人も多い)

会名:第3回城東区「第九」演奏会
開催:2010年2月14日(日) 開場:13時  開演:14時
会場:大阪信愛女学院講堂
指揮:木村俊明
ソプラノ:井岡潤子 
アルト:田中友輝子 
テノール:小餅谷哲男 
バリトン:田中勉
管弦楽:ハーモニアス管弦楽団
合唱:城東区第九演奏会特別合唱団

主催:城東区ゆめ~まち~未来会議 TEAM Jo-9♪
共催:城東区コミュニティ強化 合唱団Jo-9♪ 大阪信愛女学院 他
協賛:社団法人城東区医師会 社団法人大阪市シルバー人材センター 他
後援:城東区役所 社会福祉法人城東区社会福祉協議会 他

スローガン:城東区1000人の歓喜が響き合う。


■2月14日(日) 午後2時25分

午後の日差しが明るい講堂ロビーから、暗い講堂内へと僕達は進む。
ステージの上だけが、ライトを浴びてとても明るい。

暗く沈んでいる観客席は、殆ど満席のようである。

先頭を進みながら、僕はちらりと左翼を見る。
テノールとソプラノ組が、同じように進んでいるのが目に入る。

後は、なるべく胸を張り、前を見据えて堂々と歩くことを心がける。

やがて。
舞台脇の階段を上って、僕達もステージへ登壇。
足場の悪いひな壇に気をつけながら、舞台中央での左翼組との合流を
目指す。


ん?
んんん?

微妙に、ゲネプロの時と立ち位置がずれている?

前の人が邪魔で、指揮台の先生が見えづらい。
ゲネプロの時は、ちょうど見やすいポジショニングだったのに。

けれど。
既に、サイドからも陸続と人が登壇し、間を詰めて来ているので。
今更場所の変更も出来ない。

う~ん。

何とかならないものかと、少しずつ間隔を調整。
何とか視界を確保する。


やがて。
整列も完了。

それを待っていたかのように、舞台の左手袖からソリスト達が登場。
場内は、拍手に包まれる。

オーケストラ。ならびに合唱団からも、拍手が起こる。

これは、まあいい。

問題は、演奏が終了時に合唱団が拍手をするかどうか?である。
この自画自賛的拍手があまり好きでないことは、住之江の第九レポでも
書いた。

ヴァニラブックス氏も、以前リハーサルの帰りに

「こういうのって、事務局からきちんと意識統一を図ってもらえると
 いいよね。
 でも僕達は所詮応援の外様だからなあ。
 あまり、小言めいたことを言うこともなんだし。」

と語っていたことがあり。
僕も、全く同意であった。


そんなことを、つらつら思い出しているうちに。
場内の拍手が落ち着いたのを見て。
木村先生が、そっとタクトを振り下ろして。
第3楽章が始まった。


この、合唱団途中入場というスキームが。
万九から第九に入った僕としては、とてもユニークかつ大変なのである。

何しろ。
10000万人の第九だと、最初から合唱団は入場しており、第4楽章の
Prestoのところまでは座席に座っていればいいのだけれど。

今回のような形式だと、第3~第4を通じて合唱団は立ちっぱなしなので、
とても疲れるのである。

これだけの時間立っていると、人によっては立ちくらみを起こして倒れる
人も出るのではないか?と心配にもなろうかと言うものだ。

実際。
そうした事例も結構ある様で。

ゲネプロの時も、木村先生は、

「もし気分が悪くなったりしたら、遠慮せずにその場で座って下さいね。」

と念を押されていた。
  

もっとも。こちらのパターンにもメリットは有る。
それは。
10000人の第九の時のように、居眠りする合唱団は確実にいない、
ということである(笑)。


そうした、どうでもいいようなことを不謹慎にも考えている間にも。
演奏は進んでいく。



オーケストラの音が。
リハーサル、ゲネプロ。そして本番と、どんどん変わっていくことは
これまでにも何度か経験したけれど。

この、ハーモニアス管弦楽団の場合も正にそうだった。

元よりそれは。
前回の住之江でも言及したように、反響板や場内を埋めたお客様の体の
反響等の影響もあるのだろうが。

演奏している人々から立ち上っているオーラも。
確実に、輝きが異なっているような気がする。


蝋燭の炎の揺らめきを見るかのように、ゆったりと。
幻想的に進んでいく第3楽章。

その、ゆったりとした進み具合は。
まるで穏やかな春の海原で、波任せにたゆたっているかのような
印象でさえある。

それでも。
そこに流れる第九の主題と言う鼓動は、しっかりと脈打ち続けて
次の第4楽章へと受け継がれていくのだ。


やがて。

静かに。
あくまで静かに。
第3楽章が、静かに終幕する。


そして。
いよいよ。
嵐の第4楽章が、雷鳴のような轟きを持って始まるのだ。


(この稿、続く)





ベスト・オブ・ベートーヴェン
ドラホシュ;ジーン 他
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