活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

リハーサル会場までは、何マイル? 城東の第九(その1)

2010-02-14 23:35:53 | 一万人の第九(音楽の海)
会名:第3回城東区「第九」演奏会
開催:2010年2月14日(日) 開場:13時  開演:14時
会場:大阪信愛女学院講堂
指揮:木村俊明
ソプラノ:井岡潤子 
アルト:田中友輝子 
テノール:小餅谷哲男 
バリトン:田中勉
管弦楽:ハーモニアス管弦楽団
合唱:城東区第九演奏会特別合唱団

主催:城東区ゆめ~まち~未来会議 TEAM Jo-9♪
共催:城東区コミュニティ強化 合唱団Jo-9♪ 大阪信愛女学院 他
協賛:社団法人城東区医師会 社団法人大阪市シルバー人材センター 他
後援:城東区役所 社会福祉法人城東区社会福祉協議会 他

スローガン:城東区1000人の歓喜が響き合う。


■2月13日(土) 午後6時30分

ゆっくりと。
深い、地下鉄の階段を上り詰めて。

僕は、地下鉄鶴見緑地線「蒲生4丁目」の駅へと降り立った。


この町にくるのは、何年振りだろう。

もう、20年近く前。
住んだことのある町である。

そして、それは。
僕の、記念すべき初めての一人暮らしの始まりでもあった。

自分で買った中古マンション。

リフォームも、初めての経験だった。

数cm四方のサンプルから、その壁紙が壁一面に貼られた様子を想像
することは、途轍もなく想像力を必要とすることを思い知った。

また、分厚いサンゲツの壁紙サンプル集は。
これでもかとばかりに、種々多様な見本を僕の前に提示してくれて。

相当に、悩んだことを覚えている。

でも、その甲斐あって。

図書室兼電脳室(笑)には、緑影濃い針葉樹林が現出した。
マイナスイオンが漂い出てきそうな、その情景は。

当時の。
1200bpsのテキストベースのパソコン通信に疲れた目を、
十分に癒やしてくれた。


また、トイレには。
青空にぽっかり浮かんだ雲の壁紙を、四方と天井に張り巡らした。

せめてもの開放感を味わいたいと言う思いからであるが。

これが、ことのほかお気に入りだった。

願わくば、床も同じ模様にして。
全天周型スクリーンを模したかったのであるが。

リフォーム屋さんから、
「壁紙をトイレの床に張るのは無理っ無茶っ無謀っ!」
と言われて、しぶしぶ断念したことを覚えている。


実家からの引越しは。
大学の悪友たちを、総動員して。
皆の車に荷物を詰め込み、詰め込んで。
わさわさと運び込んだ。

彼らは、梱包のダンボールに好き勝手な落書きを書いたりしていたが、
きっちりと荷物運びは手伝ってくれた。

実(げ)に持つものは、親しき友人である。
僕は、「怠け者だったら、友達を作れ。友達がなければ、怠けるな。」と
説いたサミュエル・ジョンソンに大いに賛同したものである(笑)。


ここで。
当時の彼女とも付き合い出し、そして別れた。

僕の人生に。
大きな。
とても大きな。
喜びと痛み。感謝と悲哀。そして愛情をもたらしてくれた彼女だった。


そんな、思い入れの深いマイスイートホームに入居して。
僅か4ヶ月で、僕は転勤の辞令を手にして。
東京へと異動する羽目になってしまった。


それ以来。
時たま、マンションの総会に参加しに寄ったりする位しか、この街に
足を向けることは無かった。


その、「蒲生4丁目」に。

今、僕はこうして、降り立ったのである。

と、言っても。
まだ当時は、鶴見緑地線は工事中であって。
僕自身は、京橋駅まで自転車で出張っていたのであるが。


なぜ。
今になって、僕はこの痛ましくも懐かしい青春の思い出の地に、
足を踏み入れたのか。


それは。
この地で、今日。
城東区「第九」演奏会のリハーサルに出る、それ故である…。


練習会場である、城東区民ホールは行ったことがないけれど。
事前にネットで地図を確認していたので。
概ね、こちらだと思う方向に歩き出す。

僕の眼前に。
女性の二人連れがいて。

「練習が・・・」
「この時期だと参加しやすいよね・・・」

と言った会話が聞こえてきた。

恐らく。
この人たちも第九の練習に参加するのだろうと見当をつけた僕は。

怪しまれないように、少し離れて後をついていった。
(十分に怪しいって?(笑))

最初は、地図の印象通りの方向に歩いていっていたので、安心して
いたのだが。

雑踏から離れて、暗い道になってくると。
流石に後ろを送り狼よろしく付いて回るのも、気が引ける。

なにせ、直ぐ傍には城東警察もあるのだ。

何をどう勘違いされて、叫ばれたりしたら、即お縄である。

慎重に。
僕は、後をトレースしていく。


ところが。
そのうちに、彼女たちはどうも道に迷ったらしく、途中にあった
美容院に入って道を尋ねているようである。

う~む。
それを電柱の影からじっと眺めている僕。

怪しい。怪しすぎるぞっ。> 僕


どうしようかと思っていた矢先。

我が第九人生2009年度版において、羅針盤の役目を果たしてくれた
ヴァニラブックス氏が、またしても灯台となってくれた。

リハーサルが始まる間際になっても、まだ会場入りしない僕を慮って
携帯をコールしてくれたのである。

ヴァニラブックス氏と、美容院で道を確認した彼女たち。
二つの衛星からの受信によって、僕のナビは正常に作動して。
無事、城東区民ホールに入ることが出来たのであった。




まあ。そもそも。
第九に参加するのに、前日のリハから参加すると言うこと自体が不謹慎
なのだが…。

(この稿、続く)


ベートーヴェン:交響曲第9番
バーンスタイン(レナード),ジョーンズ(ギネス),シュヴァルツ(ハンナ),コロ(ルネ),モル(クルト),ウィーン国立歌劇場合唱団
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