活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

となりの達人 ~サッポロライオン 海老原 清さん(下)

2007-11-23 23:09:32 | 活字の海(新聞記事編)
副題:うまいビールついで40年  客とつくる至高の味


当初、この副題を見た時は、単純にお客様からの応援という
メンタルなサポートを貰って…というような話と理解していた。

実際、今回の最終章の中でも、お客からの厳しい要望に鍛えられ、
また励まされてきた結果、「一杯入魂」という境地に達し、
40年もの間この仕事を続けてこられたというエピソードが綴られていた。


だが、実はこの言葉(客とつくる至高の味)には、更に深い意味があったのだ。


今回のコラムの連載を機に閲覧しにいった銀座ライオンのホームページには、
ビールの美味しい飲み方として、

 ・炭酸ガスの蓋をしてくれる泡が消えないうちに飲む
  ⇒飲み終わった後、泡が残っているようでないと、美味しいビールは飲めない
 
 ・お店ではビールの旨さを最大限に引き出すために、
  最適な温度管理(2℃~4℃)を保ってビールを出しているため、
  なるべくその温度が変わらないうちに飲み干す

 ・そのために、自分が3~4口で飲みきれる程度の容量のジョッキを
  注文すべし

と解説されていた。


これはすなわち、

お客も美味しいビールを飲むために出来ることがあるのだ、
いや、むしろ、そこまで「一杯入魂」して注いでくれるビールを美味しく飲もうと
思うならば、客もきちんと出てきたビールに相対していく必要があるのだ、
ということなのである。

いやあ、ビールって、奥が深いなあ…


そのことを、このコラムの最後で海老原さんは、

 ① 継ぎ手が最高の泡を作る

 ② ウエイターが、素早く揺らさずに運ぶ

 ③ お客は泡を残しながら、冷えているうちに飲み干す

として端的にまとめていた。

こうしたプロセスがきちんとなされた時に、はじめてビールは、
「この店独特の雰囲気をまとった至高のビール」になるのだそうだ。


このようなポリシーを持つビアホールに、ふらりと会社の帰りに足を向けられる。
その点に関して東京在住の人は羨ましいと、自宅で缶ビールを飲みながら、心底思った。

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