活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

山から学んだ機能美  モンベル社長 辰野勇さん㊤

2007-10-31 04:40:22 | 活字の海(新聞記事編)
毎日新聞 10月30日 夕刊 4面 ウエイクアップ 関西  より


モンベルというメーカー名を聞いてピン!と来る人は、
所謂アウトドア指向の趣味を持つ人であろう。


主に登山関係のウェアやギアを扱っているメーカーで、
最近かどうかは不明だが、一部バイク用品も出したりしている。

mont-bell のロゴを見たことがある人も多いのではなかろうか?

この記事は、モンベルの社長 辰野勇さんへのインタビュー記事の
前篇である。

ここでは、辰野氏が、どのようにして登山に惹かれていったか、
その登山欲を充足させるために、どのような人生を歩んできたのかが
語られる。

そこでのエピソードも興味深いものが多いが、そこはひとまず置いて
おいて、私が一番関心を持った氏の言葉を以下に引用する。

「縫い糸一本まで余分なものを省くという引き算を重ねたものは美しい」

この意を凝縮して、モンベルでは輸出製品にも「KINOBI」(機能美)
と記されているらしい。

更にその下には、「Function is Beauty」(機能は美だ)と。

精巧なメカニズムを持つ時計に憧れを持つ人は多い。
水晶発振ではなく、ぜんまい式の時計に今尚心を奪われる人がいるのは、
コンパクトなボディの中に、無駄なく隙無く詰め込まれたムーブメント
としての歯車が、正に機能美を感じさせるためである。

辰野社長は、それを更に押し進めて、機能を充実させるのではなく、
引き算による最小限の機能のみを選抜し、商品に反映させた。

それによりそぎ落とされた部分を振り捨てた先に、
真の機能美が出現する。

そうしたコンセプトに基づき設計されたモンベルの製品は、
いずれも創業者である辰野氏のめがねにかなった(具体的に言うと決裁を
通った)ものでないと、商品化は出来ないそうである。


そのワンマンの是々非々はともかく、少なくともモンベルの製品に一本
芯が通っていることは間違いない。


下篇の掲載が、楽しみである。

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