壺中日月

空っぽな頭で、感じたこと、気づいたことを、気ままに……

二十日正月

2009年01月20日 22時34分55秒 | Weblog
 季節はずれの暖かさの昨日とは打って変わって、大寒の今日は、暦どおりの寒い一日であった。
 また、今日は二十日正月といい、小正月の十四日から数えて七日目に当たり、正月儀礼の納めとする日でもある。

        正月も二十日になりて雑煮かな     嵐 雪

 近畿以西では、正月料理の残りである肴の骨で料理を作ったことから骨(ほね)正月という。
 元旦からの三が日、そして七草粥を祝う七日正月、十四日夕から十五、十六日にかけて祝われる小豆粥の小正月、そのお終いが二十日の骨正月ということだ。

        ものがたき骨正月の老母かな     虚 子
        二番餅二十日正月祝ひけり      八重桜

 床の間に飾った鏡餅とは違って、家庭の主婦たちが、鏡台に供えて置いたお餅を開いてお祝いをするのが、初顔(はつかお)を祝う語呂に合せた“二十日正月”というわけである。

        鰤の首尾祝ひ納むる二十日かな     蝶 衣
        長崎の骨正月や餅の黴          柳 之

 それを骨正月と言うのは、関東の新巻鮭や塩引き鮭と違って、関西のお正月にはなくてはならない塩鰤の食べ納め。残り物の頭や骨を牛蒡や大根、昆布などと炊き込んだ糟汁のお雑煮が、この日の主役となっているからである。鰤の頭を食べることから頭(かしら)正月とも言う。
 あくまでも節約主義の関西人、残り物の始末をきっちりつけて、お正月のお祝い気分を締めくくろうという魂胆かもしれない。

        乞食の骨正月や霙(みぞれ)降る     菰 堂

 餅に代わって団子を食べるところから団子正月・二十日団子と呼ぶ地方もある。また、麦正月・乞食正月・奴正月・灸(やいと)正月など、異称が多い。


      二十日とて言問だんご 家づとに     季 己