浜
月のみか雨に相撲もなかりけり 芭 蕉
口から流れ出た独り言が聞こえてきそうな、軽い味の作品である。
元禄二年八月十五日、敦賀での作。敦賀に泊まった十五日、「亭主の詞にたがはず雨降る」という雨月の夜、晴れだったら、この浜で相撲などが予定されていたものであろう。
季語は「月」で秋。この場合は「なかりけり」に呼応し、無月のわけである。「相撲」も秋季であるが、一句は、無月のうらみを主としたものととりたい。
「今宵、せっかくの名月の夜だというのに、月が出ないばかりか、このにくい
雨のせいで楽しみにしていた相撲まで、惜しくも取りやめになってしまった」
立冬の今日の日和の病むにほひ 季 己
月のみか雨に相撲もなかりけり 芭 蕉
口から流れ出た独り言が聞こえてきそうな、軽い味の作品である。
元禄二年八月十五日、敦賀での作。敦賀に泊まった十五日、「亭主の詞にたがはず雨降る」という雨月の夜、晴れだったら、この浜で相撲などが予定されていたものであろう。
季語は「月」で秋。この場合は「なかりけり」に呼応し、無月のわけである。「相撲」も秋季であるが、一句は、無月のうらみを主としたものととりたい。
「今宵、せっかくの名月の夜だというのに、月が出ないばかりか、このにくい
雨のせいで楽しみにしていた相撲まで、惜しくも取りやめになってしまった」
立冬の今日の日和の病むにほひ 季 己