壺中日月

空っぽな頭で、感じたこと、気づいたことを、気ままに……

優しい人

2011年12月15日 22時51分15秒 | Weblog
 ――無理してでも行ってよかった。念願の「木原和敏 個展」を観ることが出来たのだ。
 明日から在廊のはずの木原先生が、ニコニコしながら迎えてくれた。体調を気遣ってくれ、先ず休んでから観て下さい、と優しい言葉。
 ついで、「武田さんのブログ読みました。注目の4点てどれですか」と尋ねられた。逆に「先生、当ててみて下さい」と言ったところ、見事に4点とも的中させた。完全に私の好みが分かっていらっしゃる。感激である。
 先生は日展会員で、「内閣総理大臣賞」まで受賞された方なのに、少しも偉ぶるところがなく、素人の私の意見にも、謙虚に耳を傾けてくださる。
 ところで、注目の4点のうち2点は売約済になっていた。残る2点のうちの1点が特に素晴らしい。座右に置いて愛でていたい作品である。
 「木原和敏WEB美術館」(金子さん主宰)で、拡大画像をさらに拡大して、楽しませてもらっていた。それでもやはり、実物にお目にかかりたい一心で、途中、トイレ休憩をしながら「木原ワールド」を堪能させてもらった。
 皆さんに心配をかけてはいけないと思い、帰宅後すぐに『画廊宮坂』へ電話を入れた。ついでに例の作品が欲しいと言うと、「いや、無理をしないで。確かに素晴らしい作品だが、そのお金で世界一周旅行をした方がいいですよ」と宮坂さん。これまた相手を思いやる優しい人だ。
 その後、金子さんが、体調のすぐれない私に観せたい、とお忙しい中、会場風景の写真を撮りに来られたとか。何と優しい人なのだろう。涙が出るほど嬉しかった。金子さん、ありがとう。


      冬ぬくく語りはじめの病かな     季 己