
(よみ)
①琴柱に膠す (注)訓よみ。
②榻の端書き (注)訓よみ。
③君子に侍するに三愆有り
④流丸(りゅうがん)は甌臾に止(とど)まり、流言は知者に止まる
⑤瓜を投げて瓊を得る (注)訓よみ。
(かき)
①遠慮ひだるし、伊達寒し (注)見栄を張ったり外見を飾ったりするのもほどほどにせよとの戒め。
②きに哭し、練に泣く
③ごうほうの木も毫末に生ず (注)どんなに強く大きいものでも、初めは弱く小さいものだということ
④君子蕩蕩として小人せきせきたり
⑤家を富ますに良田を買うを用いず、書中自らせんしょうの粟あり
回答・解説はこのあとすぐ(^^)



<回答・解説>
よみ ①(ことじ)規則にこだわって融通がきかないこと。臨機応変の処置が出来ないことのたとえ。「膠柱」(コウチュウ)の熟語あり。②(しじ)榻:トウ、こしかけ、ねだい、ゆか、しじ *昔、男が女に思いをかけ、百夜続けて通ったら承知すると女に言われ、九十九夜通って、そのしるしを榻に書きつけたが、百夜目に支障があって通えず、思いを遂げられなかったという故事。深草少将と小野小町の伝説などとして流布。熱烈な恋のたとえ。また思いどおりにならない恋のたとえとされる。
*しじ(榻): 牛を取りはずした時に 牛車の轅(ながえ)の軛(くびき)を載せたり、また乗り降りの踏み台にした台。
*臥榻(ガトウ):榻は、腰掛けの意。 寝台。ねどこ。 [句] 臥榻の側、他人の鼾睡を容れず。
③(さんけん)3つのあやまちのこと。「君子に侍するに三愆有り。言未だ之に及ばずして言う、之を躁と謂う。言之に及びて言わず、之を隠と謂う。未だ顔色を見ずして言う、之を瞽と謂う。」愆:ケン、あやま(る)、あやま(ち) ④(おうゆ)根拠のないうわさは愚人の間では広まるが、知者が聞けばそこで退けられるということ。知者はデマを信じたり流したりはしないとして言う(荀子・大略) *甌臾:陶器のうつわのように、くぼんだ土地。 ⑤(たま)*投瓜得瓊(とうかとくけい):古代中国で、女が男に瓜を投げて求愛のしるしとし、男がその愛を受け容れるしるしに腰の佩玉を贈り返す風習があった。そうした男女の愛の交換をいう。(出典:詩経) 瓊:ケイ、たま、に、うつく(しい)
かき ①(饑)1級配当漢字。「キ、う(える)、ひだる(い)」 ②(岐)*四字熟語「哭岐泣練」から。岐は訓読みでは「ちまた」 ③(合抱) ④(戚戚)君子は心は穏やかでのびのびしているが、小人はいつもくよくよと思い悩んでいるということ ⑤(千鍾) 「家を富ますに良田を買うを用いず、書中自ら千鍾の粟あり。居を安んずるに高堂を架するを用いず、書中自ら黄金の屋あり。門を出づるに人の随う無きを恨む莫れ、書中車馬多くして簇るがごとし。妻を娶るに良媒無きを恨む莫れ、書中女有り顔玉のごとし。(宋の時代?の「勧学歌」の一節)」ネットでうまく訳している方によれば「金持ちになるに良田を買う必要はない、本の中から自然に千石の米が出て来る。安楽な住居に高堂を建てる必要はない、本の中から自然に黄金の家が飛び出す。外出するのにお伴がいないと嘆くな、本の中から車馬がぞくぞく出てくるぞ。妻を娶るに良縁がないと嘆くな、本の中から玉のような美人が出てくるぞ。・・・」との事。なかなか含蓄のある故事成語ですねえ・・・ちょっと気に入っている句です。
(注)ネット上には「鍾」ではなく「鐘」と記しているものも多いですが、ここは「鍾」が正しいと思います。ちなみに、
●鍾(ショウ、あつ(める)、さかずき、つりがね)
●鐘(ショウ、かね、シュ(準1) 語句【鐘楼】しょうろう、【警鐘】けいしょう
で、「鍾」には、*鍾める(あつめる)=「人々の同情を一身に鍾める」、*鍾愛(しょうあい) :深く愛すること。たいそうかわいがること。*鍾寵(しょうちょう) :溺愛できあい *鍾馗(しょうき) *鍾乳洞(しょうにゅうどう) *万鍾(ばんしょう) :多くの穀物・俸禄ほうろくのこと。ここでは、「鍾」は周代の容量の単位。 *竜鍾・龍鍾(りょうしょう)4 :①おちぶれてやつれたさま。失意のさま。②涙のほろほろと垂れるさま(龍鍾として涙乾かず)③行き悩むさま。 ④竹の名 などの関連語句があります。周代の容量の単位の意味の方がわかりやすいのではないでしょうか。
ではまた。