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我孫子・手賀沼と愛猫レオンの徒然日記。漢検1級チャレンジャーの方の参考となるブログ。2018年7月から“俳句”も開始。

故事成語類(実践問題その9)

2014年08月09日 | 故事成語類
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ  故事成語類(実践問題その9)です。 難易度:「易」
(よみ)
①馬革をもって屍(しかばね)を(裹む)べし
(畚土)の基は高きを成す能わず
③越王・怒蛙(どあ)に(式)す 
④羅網の鳥は高く飛ばざるを恨み(呑鉤)の魚は飢えを忍ばざるを嘆く
(かき)
①馬逸足と雖も(よ)に閑(なら)わざれば良駿と為(な)さず
②痴ならず聾ならざれば(ここう)と成らず
③富に(けいぎょう)なし
④善人と居るは、芝蘭の室に入るが如し。不善人と居るは、鮑魚(ほうぎょ)の(し)に入るが如し。
⑤人間の(ようしゃ)は貧福(ひんぶく)に在(あ)り
(まんぞう)は盗(とう)を誨(おし)え、 冶容(やよう)は淫(いん)を誨う

回答・解説はこのあとすぐ(^^)


回答・解説
(読み問題)
①(つつ・む):馬の革で自分の死体を包むの意。戦場で討ち死にすること。また、討ち死に覚悟で戦場に行くこと。昔、中国で、戦死すると馬の革で死体を包んで送り返す風習があった。裹:カ、つつ(む)、つつ(み)、まと(う)、たから
糸裹(いとづつみ):弓全体を細い麻糸ですき間なく巻いた上から黒漆を塗り、さらに籐(とう)を巻いた弓。
裹頭(かとう):頭を袈裟などで包み、目だけを出す僧の装い。かしらづつみ。
裹頭衆(かとうしゅう):平安末期の、裹頭姿の諸大寺の僧兵をいう。
包裹(ほうか):つつむこと。くるむこと
裹足(かそく):唐末・南宋時代に流行した中国の風俗。纏足(てんそく)・纏脚のこと。女児の足を大きくしないように足指に長い布帛を巻き固く縛るもの。
荏裹(えづつみ):花の葉に包んだ食物
②(ほんど):①基礎がしっかりしていなければ大きなことはできないたとえ。②物にはそれぞれ限度があるというたとえ。畚:ホン、ふご、もっこ
竹畚(へご):竹を割って編んだかご。
餌畚(えふご):①鷹匠が持ち歩く餌袋のこと。②茶道の道具で、袋形で上部が開いた形の建水(①に似ていることからこの名があるという)
畚褌(もっこふんどし・もっこべこ):ふんどしの一種類。「べこ」(褌)は、九州・日向地方の方言(「兵児(へこ)は当て字)。西日本の一部地方、特に西日本では、「褌祝(ふんどしいわい・へこいわい」などと呼ばれる風習があった。 東日本でも、長野県、千葉県、茨城県などで見られるという。 男児が、十代前半のある年齢に達すると、成人に達したことを祝い、褌が贈られる風習とのこと。「褌親」(ふんどしおや・へこおや):褌祝いに際して後見人として頼む仮親。回し親。へこ親。
③(しょく):ほめるだけでも人を殺すことが出来る例え。越王勾践は呉を討とうとして、人々が勇んで死んでくれることを望んだ。或る時馬車に乗って外出した時、怒って一匹の蝦蟇が向かって来るのを見て、それに敬礼をした。従者がわけを聞いたら「蝦蟇が勇気を持っているからだ」と言った。人々はこれを聞くと蝦蟇でもこれほどだから、勇気のある人はなおさら尊敬されるだろうと思い、翌年は自分の首を王に献上したい、と言う者が十人も余りも出たと言う故事に基づく。
:小学…シキ 準1…ショク、のり、きまり、のっと(る) 1級…ああ
●「軾・式」(しょく):昔、中国で、車の前に設けた横木。車中で敬礼するときに手をついたところ。軾:ショク、しきみ、よこぎ
④(どんこう):かすみ網にかかった鳥は、なぜもっと高く飛ばなかったかと後悔し、釣り針にかかった魚はなぜ空腹をがまんしなかったかと悔やむ。後悔は先に立たないことのたとえ。

(書き問題)
①(輿):いかに足の速い馬であっても、車を引く訓練がなされていなければ、良い馬とは言えないということ。いかに資質があっても、それを磨かなければ価値はないという教え。
②(姑公):嫁に対しては、何事につけても知ったかぶりせず、愚かな人間のように振る舞い、耳が聞こえても聞こえないふりをするところまで悟りきらないと、よい姑(しゅうとめ)にはなれないということ。「姑公(ここう)」は、姑。<参考> 類似の故事成語「痴ならず聾ならざれば、家翁とならず」:唐の時代、郭曖(郭子儀の六男)の故事。妻は代宗の娘。四字熟語「不痴不聾」の逸話の登場人物。「二人がけんかした際、曖が『父親が天子だからと威張るな。俺の親父はいつでも天子になれた。天子など頼まれてもならないわい』と言ったことを、妻は怒って代宗に告げたが、代宗は取り合わなかった。郭子儀は郭曖を連れて代宗に処罰を願い出たが、「「痴ならず聾ならざれば、家翁とならず」と言うではないか。夫婦喧嘩などほうっておけ」ととがめなかった故事。
③(経業):「富は経業なく、すなわち貨は常主なし」(史記貨殖列伝):金持ちになるには、どの職業に限ることはないし、金そのものも、持ち主が決まっているわけではない。金は有能なものに集まり、無能なものから離れていくということ。経業:①常に定まっている仕事 ②経学を修業すること
④():「孔子家語」から。よいひとと一緒にいるのは芳香の漂う芝蘭を飾る部屋に入るようなものであり、悪いひとと共にいるのは、魚の干物屋に入るようなものである。「肆」はここではお店の意。 肆:シ、ほしいまま、つら(ねる)、なら(べる)、みせ
⑤(用捨):世の中が正常でないと、人が用いられるかどうかは、その素質、才能によらず、貧富の差によって決まる、富んだ者が幅をきかすことになる、との意。出典・韓非子。 参考:関連四字熟語(5級)「用行捨蔵」「用捨行蔵」*間違っても、うっかりと「容赦」と書いてしまわないように・・・(^^)
⑥(慢蔵):「慢蔵は盗を誨え、冶容は淫を誨う」(蔵の戸締りがいいかげんなのは、人に盗んでくれと言うようなものであり、なまめかしい容姿を見せるのは、人がみだらな心を起こすようにそそのかしているようなものであるということ。)慢蔵(まんぞうは:財産をしまっておく蔵の戸締りがいい加減なこと。冶容(やよう):なまめかしい容姿のこと。*間違っても、うっかりと「万蔵」「萬蔵」などと人名もどきの誤答にしないように・・・(^^)四字熟語「誨盗誨淫」「誨淫誨盗」の原典。
<蛇足>「」と「
 漫罵(まんば) 中学…マン 準1…バン、みなぎ(る)、みだ(りに)、そぞ(ろに):やたらにののしること。
 慢罵(まんば) 中学…マン 準1…バン、おこた(る)、おご(る)、あなど(る):あなどりののしること。

ではまた。

コメント
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