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漢検1級198点!! 満点取るまで生涯学習!! ➪ “俳句”

我孫子・手賀沼と愛猫レオンの徒然日記。漢検1級チャレンジャーの方の参考となるブログ。2018年7月から“俳句”も開始。

宮城谷昌光  「王家の風日」 

2015年03月02日 | 書籍などからの熟語抜萃
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●宮城谷昌光さんの「王家の風日」からの熟語等の抜萃です。
●参考・関連する情報等もネットで調べ掲載してあります。

剴備(ガイビ):ぴったりと当てはまる、適切でよく行き届いていること 「剴切(ガイセツ)」や「剴到(ガイトウ)」と同じ。
不穀(フコク)の息子・・・不穀:王や諸侯が自分のことを謙そんしていう自称のことば  関連:孤寡不穀
●恤敗(ジュッパイ)の辞・・・敗れたことをあわれんで言う言葉か?
風潭(フウタン)を求めて偃仰している・・・風潭:風のふきわたるふち。池もある盆地のようなところの峠の風の通り道。
卑枝(ヒシ)を払う音・・・卑枝:木のひくいところから出ているえだ
<参考・関連>
(杜甫の詩の一部)
 百頃(ヒャッケイ) 風潭(フウタン)の上(ほとり) 千章 夏木清し 卑枝(ヒシ)は低くして子(み)を結び 接葉は暗くして鶯を巣しむ
(百頃=百畝ばかりの面積の、風をうける池のほとりに千本ほどの夏木立ちが清らかにしげっている。木立ちのひくい枝はたれさがって実をむすんでいるし、くっつきあった葉かげの暗いところに鶯が巣をつくっている。)
●収恤(シュウジュツ):収容・救済するような意味か・・・
●格殺・挌殺(カクサツ):手で打ち殺すこと。なぐり 殺すこと。ー広辞苑ー
明允(メイイン)な性格:  明允篤誠(メイイントクセイ) : 明は聡明、允は信実、篤は深切、誠は誠
●駭汗(ガイカン)にたえない:ぎくっとして. 汗をかく
摯実(シジツ):心がこもりまじめなさま。誠実真摯(シンシ)。
●「(イ)よ、よき音で吹け」・・・「彝(イ)」は西から来る風。 (参考)*西の風神をイ(彝)という。*イセ(彝風)は西方の神が起こす風。 (白川静著「漢字の世界Ⅰ」平凡社(東洋文庫110頁))
股肱心膂(ココウシンリョ)の臣
(参考)「書経」:「今、爾(なんじ)を予の翼に命じ、股肱心膂(ココウシンリョ)と作す。」(いま汝を私の補佐とし、股・肱・心臓・背となって働いてくれるようにと思う。)
茹魚(ジョギョ)の臭いをかいだようにいやな顔をした・・・茹魚:腐った魚●奉安(ホウアン):尊いものをつつしんで安置すること 。「神璽を―する」
目営心匠(モクエイシンショウ):目ではかり、心の中で考えたくらむ。自分一人で工夫すること。
●捏造された説の臨模(リンボ・リンモ)・・・臨模:手本や原本を見ながら書いたり透き写したりすること。臨写と模写。ー広辞苑ー

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宮城谷 昌光 「香乱記」(上・中・下)

2015年03月01日 | 書籍などからの熟語抜萃
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●宮城谷昌光さんの「香乱記」からの熟語等の抜萃です。
●末尾に、この本から抜萃した文で「文章題」をつくってみました。ご興味あるかたは、トライしてみてください。

●草原のなかに突然、堆砌(タイセイ)されたような丘がある:堆砌:①(れんがなどを)積み重ねる ②(比喩的に)文章の中にたくさんの不必要な美辞麗句を用いる
燕娯(エンゴ):くつろいで楽しむ
鬱怏(ウツオウ):気がふさいで晴れ晴れとしないさま
●「游徙(ユウシ)すれば吉」・・・(巡遊しようとした始皇帝に出た卦)
●黠獪(カッカイ)
●拝稽首(ハイケイシュ)
黜放(チュッポウ)
●懾伏謾欺(ショウフクマンギ)
●遁竄(トンザン)
●思想に危峻がのぞく
●巷閭の布衣にすぎなかった
囚繋(シュウケイ)・・・広辞苑にあり・・・
●傅佐(フサ)の臣
●殞殪(インエイ)
輿望(ヨボウ)をになう
●戦乱を遏絶(アツゼツ)する
●鬱悒(ウツユウ)を晴らす
●悴薄(スイハク)の宴 :悴薄(衰弱单薄) 衰弱;疲萎
●叢祠(ソウシ)・・・広辞苑にあり・・・
●篝火(コウカ)
●権宜(ケンギ)を非難する者はいない・・・広辞苑にあり・・・
●旌旗が天を翳(かげ)らす・・・
郷導を用いざる者は地の利を得ること能わず・・・広辞苑では「嚮導」・・・
●廝養(シヨウ)の卒・・・広辞苑にあり・・・
●凝滞(ギョウタイ)したような気を裂く・・・広辞苑あり
●(上に)媚付(ビフ)する
●人格を発暢(ハッチョウ)する
●擁衛(ヨウエイ)する
●遏防(アツボウ)する
●淪喪(リンソウ)
●饒多(ジョウタ)のことば
●「捏(デッ)っすれども緇(くろ)まず」
●浮萍(フヘイ)・・・本では「フヒョウ」となってた・・・
●湮没(インボツ)
●連雨(レンウ)・・・連日の降雨。ながあめ、霖雨。
瘴雲(ショウウン): (「瘴」は南方の伝染病)毒気を含んだ雲悪。 何か不吉な予感のする雲
●辺陬(ヘンスウ)・・・本では「ヘンシュウ」となってた・・・
●鎮綏(チンスイ):しずめ安んじること。
●昆弟(コンテイ)・・・広辞苑にあり・・・
●俳倡(ハイショウ)・・・広辞苑にあり・・・
意料(イリョウ)の目をむける   意料:思い緒。予測。予想。  関連検索:意料の外意料無限:心の中に思いはかった極みのこと。
●陵侮・凌侮(リョウブ):あなどりはずかしめること・・・広辞苑にあり・・・
●その兵略は黷武(トクブ)そのもの・・・黷武:武力を乱用すること。道理に外れた戦争をして徳武を汚すこと。「武を黷(けが・よご)す」
●警柝(ケイタク):注意をうながすために打つ拍子木。「
●躋攀(セイハン)
●童蒙、寧日、詐騙、謬戻、
●なんら丕烈(ヒレツ)を樹てていない: 大いなる勲
●饒沃(ジョウヨク)
●愚佻(グチョウ):無知軽薄なこと
●方正(ホウセイ)を求める・・・広辞苑にあり・・・
衒耀(ゲンヨウ)のような悪癖はなく・・・広辞苑にあり・・・(ほまれを得ようとして自分の才学をみせびらかすこと)
●便地に拠って壁をつくる・・・便地:便利な土地
●忌嫌(キケン):忌み嫌う
郷曲(キョウキョク)には父母妻子がいる・・・広辞苑にあり・・・むらざと、郷邑
●恵渥(ケイアク)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<文章題>
●「田横(デンオウ)は目を赤くして、帰省して復命した高陵君にホウシ(褒 詞)をあびせた。コウゼツ(口 舌)をもって項梁を引き出したというより、高陵君という人格がもつフウイン(風 韻)が項梁の心を打ったのであろう。田横はじかに高陵君の説述のしかたをみていたわけではないが、いまここにおける外交のむずかしさときわどさはわかっており、項梁をセップク(説 伏)するまでのキビ(機 微)を洞察して感動した。」
●「始皇帝の時代でも李斯(リシ)はつねにハンプク(帆 腹)飽満というわけではなく、風が落ちたり逆風になったときがあった。そのつど、苦境をベンチ(弁 知)で脱した。かれは荀子(ジュンシ)というセキジュ(碩 儒)のシショウ(師 承)を保ちながらも、その才覚は、黒を白といいくるめるジュウオウカ(縦横家)のものであった。」
●「項梁というゾクカイ(賊 魁)をヘイシ(斃 死)させなければ、この未曾有の大叛乱をチンスイ(鎮 綏)するめどがたたない。・・・北にいてヒソ( 密 )かに兵を養っている章邯(ショウカン)にとって、迅速に長躯して項梁にテイチ(偵 知)されないこと・・・などの難題が横たわっており・・・」
●「かれらは項羽不在の西楚王国の首都を急襲し、そこを占領して、王国の国力をタンケツ(殫 竭)して、おどろいて帰還する楚軍をカンテン(戡 殄)して、項羽も殺し、陳勝と呉広の挙兵からはじまった戦乱を畢わらせるつもりであった・・・この運命の要衝にあって、劉邦はソソ(麁 疎)を露呈した・・・」
●「既成の秩序と建造物を破壊したのは項羽であるが、人の精神の風土にいぜんとしてショウリツ(聳 立)している尊貴なケツイン(血 胤)へのソンスウ(尊 崇)とか人の自由のキハン(羈 絆)となった儒教の礼をトウテキ(投 擲)しようとしたのは劉邦であろう・・・」

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日本の名著

2014年07月19日 | 書籍などからの熟語抜萃
<日本の名著:徳富蘇峰・山路愛山・陸羯南・三宅雪嶺から>
徳富蘇峰
・・・天下を残賤(ざんせん)する・・・不明
・・・文明なるものは実に武力の胎内より孕産(ようさん)したるものなることを。
・・・偶爾(ぐうじ)の尽力に出でたる・・・にあらず・・・:稀(まれ)にたまたま
偶爾(ぐうじ) 思いがけないさま。 「富士山を誇揚し…『名山』の宗と仰視するもの-にあらず/日本風景論 重昂」. 二. ( 形動タリ ). 一に同じ。 「徒然として集り,-として群する/真善美日本人 雪嶺」.
・・・一抔(いっぽう)の墓田をも有せず・・・
いっぽうのど【一抔の土】①(「史記」張釈之伝から)手ですくえるだけのわずかな土。② 墳墓。
・・・謖謖(しょくしょく)たる松声は、日本男児の記念たる桜花の雪に和して吟じ、喞喞(しょくしょく)たる虫語は・・・
喞喞(しょくしょく)虫のしきりに鳴くさま。また、悲しみ嘆くさま。「―たる寒虫は夜霜に苦んで戸上に鳴く」〈菊亭香水・世路日記〉
謖謖(しょくしょく) ①高く抜きん出るさま ②風の音の形容  CF. 謖爾(しょくじ) 服装などを整えるさま 「泣斬馬謖(きゅうざんばしょく)」の謖。 「た(つ)」「おきあ(がる)」の訓がある
・・・吾はあえこれを嘉尚(かしょう)せんと欲せず・・・:ほめたたえること。大いにたっとぶこと。
・・・唇角(しんかく)微顫(びせん)あるを覚えし・・・
・・・屠児(とじ)にむかってことごとく献身的の天人たらんことを望むなり・・・
屠児(とじ、トニ):歴史民俗用語。読み方:トニ、餌取(えとり)、と同義と解釈される。
・・・満目の江山にその磊塊(らいこん←らいかいの誤りでは?)の気を養えり・・・
磊塊(らいかい):〔多くの石が積み重なっている意〕 胸中に積み重なった不平。「胸中の・・・を吐かんとしたのである/くれの廿八日 魯庵」
・・・彼が安政の大獄に羅織(らしょく)せられて東上したるの日・・・
羅織虚構(らしききょこう):無実の罪を作り上げること。 羅織虚構(らしょくきょこう)
聞くところによると彼等は羅織虚構を以て良民を罪に陥れる事さえあるそうだ。「吾輩は猫である」
・・・徳川末世の晁錯(ちょうそ)たる水野越前守・・・:人名
晁錯(ちょう そ、~紀元前154年)は、中国の前漢の政治家。諸侯王の勢力を削る政策 を進めたが、反発を受けて呉楚七国の乱を招き、自身は反乱鎮圧のためと称して殺され た。
・・・勝海舟、・・・ほとんど一世を籠罩(ろうとう)するとの概ありと・・・
籠罩覆う   籠罩:包む  籠罩:蒸れる  籠罩著云靄 :霞む
・・・その危険逼仄(ひょくそく)なる、また、はなはだしきものあり・・・
逼仄:(場所が)狭い、狭苦しい.用例有逼仄之感=狭苦しいという感じがする.居室逼仄=部屋が狭い 逼仄小径=狭い小道
山路愛山
・・・空想迂僻(うへき)の大天狗となる・・・:怪妄迂僻:怪しくて正しくない
・・・天下の通衢(つうく)に座して貨財の消長を知れる問屋が・・・:①通行の道 ②往来のにぎやかな通路。四方に通じて交通の便の良い道路。 広辞苑にも所載。
・・・誰か疑う山谷泥犂(でいり)に堕し、学を懶(らん)なり、攀川(はんせん)張水を嬉ぶと、ただ心腸をして鉄石のごとくならしむれば、妨げず筆墨の氷肌に賦するを。
泥犂(ないり・でいり):地獄、奈落 「ないり」はサンスクリットの音訳
嬉:キ、うれ(しい)、たの(しむ)、あそ(ぶ) 【嬉戯】きぎ、【遊嬉】ゆうき
・・・いまだ茗椀(めいわん:茶椀のこと)をして觥船(こうせん)に換えるあたわず、なんぞまた繊腰(せんよう)酔眠に伴わん。家に絳衣の吾の返るに侍するおり、孤衾水のごときこと、已に三年・・・繊腰:糸のように細い腰。細腰、柳腰とほぼ同様。
・・・客蹤(きゃくしょう?)に輿に乗ればすなわち盤桓す、筐裡(きょうり)の春衣、酒暈(しゅうん)の斑、遙かに憶う、香閨燈下の夢、吾に先んじて飛過す振鰭山・・・

客蹤(きゃくしょう):人の通った形跡、旅程・・・。筐裡(きょうり):箱の中。箱の底。筐底(きょうてい)。

陸羯南:なし
三宅雪嶺
・・・生殖し、孳息(じそく)し、・・・無慮四千万の親愛なる昆弟をいたし・・・:うみふやすこと。ふえること。(雪嶺・真善美日本人)
・・・学術の事は、務めて俗流を支配する官等位階の圏套(けんとう)を脱せしむるに如かず:① 鳥や獣を捕らえるわな。また、策をめぐらすこと。②縄張りのうち。勢力圏内。(雪嶺・偽悪醜日本人) *圏套→広辞苑にも所載あり


感佩(かんぱい):歴史民俗用語。深く心に感じて忘れないこと。「御仁恤の深きを-せり/新聞雑誌 35」心から感謝して忘れないこと。「御厚情に深く―いたしております」
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松陰全集第9巻

2014年07月19日 | 書籍などからの熟語抜萃
<全集第9巻から>
・・・連亙(れんこう)皆山にして、山巓迄墾闢(こんへき)して畠となす。:墾闢=開墾
此の間多く秋栗を種(う)う挿秧(そうおう)後に種ゑて、西成(せいせい)時に穫(か)ると云ふ:西成:秋は万物の熟すること、五行説で秋は西にあたることから。

・・・唯、僵樹(きょうじゅ)破家及び堤防の決する、田の淤塞(おそく)する、処として見ざるはなし・・:倒れた木、泥でふさがること

・・・時々小舟にて遊釣(ゆうちょう)して:(略)
・・・その士風にや、閑適(かんてき)斯くの如し:心静かに楽しむさま。広辞苑にもあり。
・・・長崎港に来りて下碇(かてい)す:投錨、碇泊

牢晴(ろうせい):空が穏やかに晴れること
・・・笨車(ほんしゃ)に乗り、暁を破って発す:粗末な車、粗末な駕籠
・・昔姦賊国均(こっきん)を秉り、至尊蒙塵(もうじん)して海浜に幸したまふ:国権におなじ。天子が難を避けて都をのがれること
・・・川口は沙淤(さよ)にして往々舟を傷つく:砂とどろが堆積して
  淤:オ、、どろ、おり、ふさ(がる)
・・・区画井井(せいせい)・・・広辞苑:①物事が整って秩序あるさま 井然 ②きよく静かなさま。変わらないさま

・・・馬埒(ばれつ?)は即ち学校の後にあり: ラチ、ラツ、かこ(い):馬場のこと  *「字通」にもこの「レツ」の読みはありません・・・「ばらつ」ではないでしょうか?
・・・独り修理が事に於いて塗餬(とこ)曖昧する者は・・・:事をいいかげんにしてごまかす
・・・(ある書物を)校讐(こうしゅう)する・・・=校合(きょうごう・こうごう)、校書(こうしょ・きょうしょ)
・・・毎朝稽古場へ罷り出で、刺撃(しげき)をもって運甓(うんぺき)の戯れにかへ・・・:刺撃:武器で突き刺したり切ったりすること
運甓:からだを強健にするために運動して努力すること。晋の陶侃(とうかん)が、体力を強くするために、毎朝、甓(しきがわら)を百枚ずつ運び出し、夕方にはそれを運び入れたといこう故事から。(注)「全集」では「運動のために甓(かめ)を運ぶ」となっているが「かめ」ではなく「かわら」なので「全集」の註解の方が誤りだと思う。
・・・郡吏の貪涜(どんとく)を深く悪(にく)み・・・:欲が深くて職務をけがすような不正行為をすること

・・・鋤犂(じょり)親(みずか)ら するを以て農事尤も精(くわ)しく・・・:すき    (注)「じょれい」と振っているものもあります。
・・・其の他千万の言語は、八十一鱗に至ると雖も、苟も一睛を點ずるに非ずんば、遂に是れ真に非ざるなり:説明略。画竜点睛。画竜の鱗は八十一鱗という。
・・・加脚(かきゃく)の一著を為せるのみ
加脚:後漢・光武帝の学友であった厳光(厳子陵)が帝の腹の上に足を置いた故事から
・・・この詩を録呈す。木桃(ぼくとう)笑ふべきなり・・・:木桃:山杏子の異名。ここでは粗末な贈物の意。「我に投ずるに木桃を以てせば、これに報ずるに瓊キョ(玉へんに居)を以てせん」(詩経)
・・・霊鳳胡為(なんす)れぞ気羶(きせん)を啄ばまんや:なまぐさい臭いのする肉
・・・檻車軋軋(あつあつ)として東に向かいて去り・・・:車がぎしぎしとして音を出して進みにくいさま
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松陰全集第6巻

2014年07月19日 | 書籍などからの熟語抜萃
<全集第6巻から>
―松陰詩稿、詩文拾遺等から-
冬夜沈々燈滅するの後、想う君が苫塊(せんかい)眠る能わざるを。
苫塊(せんかい):中国では忌中に苫(とま)を敷き塊(つちくれ)を枕にして寝た。
 *君は悲しみの服喪で眠れないだろうとの意。
戦備を待つこと舟已に艤するが如く、同心一力束葦(そくい)に似たり。
異日苟も辺釁(へんきん)起るあらば、荘宗成を告げて三矢を還さん。
束葦(そくい):葦を束ねること。協力一致し結束の固いこと。
辺釁(へんきん):国境での争い、戦争。
蠢民(しゅんみん)何ぞ識らん桑梓を敬うを・・・:愚かな民衆
能く跛躄(はへき)をして歩キ(足へんに圭)を企てしむ:びっこやいざりを歩行させる(→民衆を教化する意)
婦は宜しく針縷を佩ぶべし、農は宜しく耒耜(らいし)を佩ぶべし
狂は常に進取に鋭く、愚は常に避趨(ひすう)に疎し
才は機変の士多く、良は郷原の徒多し。:偽善者 「郷原は徳の賊なり」(論語)
土宜(どぎ)の覧に供するなきに苦しむ:土産(みやげ)
赳々(きゅうきゅう)たる武夫は公の干城(かんじょう):赳々:強く勇ましいさま。訓:赳(たけ)し。干城:たてと城のこと。ここでは国を守る武士のこと。「赳々たる武夫、公侯の干城」(詩経)
沾々(ちょうちょう)齷々(あくあく)たる者は罵りて・・・:軽薄でこせこせするもの

沾:音訓(読み): セン、チョウ、テン、うるお(う)、うるお(す)
熟語例:「沾湿(センシツ)」、「沾漸(センゼン)」、「沾洽(センコウ)」
(参考)鳥啼虫吟沾沾(ちょうちょう)トシテ自ラ喜ビ佳処アリトイヘドモ辺幅固已ヨリ狭シ(永井荷風「小説作法」)
伏して願はくは鄙衷(ひちゅう)を亮せられんことを・・・: 鄙は謙遜語、衷は真心。




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松陰全集第5巻

2014年07月19日 | 書籍などからの熟語抜萃
<全集第5巻から>
・・・帝閭閻(りょえん)より興り、民事の艱難を知る・・・:村里。村の出入り口の門と村の中にある門、村に住む庶民。
・・・永徽の政、百姓阜安(ふあん)にして貞観の遺風あり・・・:ゆたかで安穏なこと
・・・已に文治に志あり。首として太学を起こし、古典を稽式(けいしき)し、礼楽を修明す。晩歳には明堂・霊台・辟雍(へきよう)を起こし・・・
稽式(けいしき):考え合わせて手本とすること
稽式(けいしょく): 社会の安定をまもること. 「稽」とは状態を留めること。「式」は汚れを払拭して正常な状態にすること。すなわち「稽式」とは正常な状態に留めることを意味する
辟雍(へきよう):天子の設けた大学

・・・「諫臣の章疏(しょうそ:上奏文)は宜しく審らかに覧度(らんたく:よく読んで考える)すべし・・・」
・・・互いに攻訐(こうけつ)する様にては宜しからざる・・・:人の過失をとがめ非難すること
・・・耳目の洞開(どうかい:広く開く)するも・・・
・・・相対峙して抗衡(こうこう:対抗する、はり合う)する心なり、譬えば角抵(かくてい:すもう)する者・・・
・・・瓦磚(がせん):かわら
○遺跡出土瓦磚類の整理・分析 ○瓦磚文(がせんぶん)文化財。瓦当文(軒瓦にあらわされた文字)と磚文(磚に刻んだり型押した文字)のこと。 建築用語
○朝鮮瓦磚
【磚】セン、かわら: かわら。しきがわら。敷石にするかわら。 「甎」の俗字
・・・内には色荒(しょくこう)を作し、外には禽荒(きんこう)を作し、酒を甘しとし音を嗜み、宇を峻(たか)くし牆(かき)に彫(ほりもの)す:内では女色にふけり、外では狩りの遊びに夢中になり、酒や音楽の楽しみに耽り、立派な建物で贅沢を極める
・・・淪胥(りんしょ)以て喪ひて・・・:おしなべてみな一緒に
<参考>此の罪無きが如きも 淪胥(りんしょ)して以て舗(あまね)し:罪なき者を有罪として、おしなべて一様に罪に陥り沈ましめる(詩経)

・・・施舎(ししゃ)して積聚(ししゅう)を輸(いた)し以て貸し・・・
施舎:①ほどこしめぐむ。恩恵を与えること。〔春秋左氏伝〕 ②与えることと与えないこと。③宿屋。旅館。○周礼の施舎制度に基づくものである。 施舎は恩恵を施し労役・力役をゆるすこと

積聚(ししゅう):礼記:仲秋、孟冬に、生活必需品を集める、集積されてある物資、との意味で使われている。「積聚」は音を「ししゅう」と振る。
cf.積聚(しゃくじゅ):さしこみ。また、癇癪(かんしゃく)。癪(しゃく)。

・・・允従(いんじゅう)する:承知して従う
・・・顧望狐鼠(こぼうこそ):あたりを見回して、形勢をうかがうこと
<参考>狐鼠狐鼠(こそこそ) 堂々としていないこと。
僕も余りそんな所へ出るは嫌であったから家に居る。民子は狐鼠狐鼠と僕の所へ這入ってきて、小声で、私は内に居るのが一番面白いわと云ってニッコリ笑う。僕も何となし民子をばそんな所へやりたくなかった。(伊藤佐千夫『野菊の墓』)

・・・鬼籌神算(きちゅうしんざん)=神算鬼籌(しんさんきちゅう):優れたはかりごと
・・・二子風雪を衝冒(しょうぼう)し、百里も遠しとせず:しのいで恐れずに進む
・・・足下挺特(ていとく)の操、庇蔭を人に受ける者に非ず:特に優れていること
・・・伏見の事、万々敗蹶(はいけつ)せば即ち嘯聚(しょうしゅう)して賊となれ:敗蹶=失敗、嘯聚:人を呼び集める
・・・今の逆焔(げきえん:逆巻く炎=志士への弾圧、ひどい怒り)は誰が是を激したるぞ、吾が輩に非(あら)ずや。 吾が輩なければ、この逆焔、千年経ってもなし・・・
・・・碩果(せきか)の食はれざるは・・・:大きい果実
・・・僕唾罵せずんば何を以て飽悶(ほうもん)を散ぜん:腹いっぱいのもだえ
・・・その名を稔聞(じんぶん)す:聞きなれている
・・・死に臨みて相於邑(おゆう)するは・・・:於悒。悲しみのため気持ちがふさがる。煩悶愁苦すること。
・・・公誠に鳳騫(ほうけん)せるならん・・・:人が死去することの敬語
・・・臭穢狼藉(しゅうあいろうぜき)、坦然(たんぜん)として顧みず・・・:何事もないかのように気持ちが平然としている
・・・況や鷙鳥の悍(つよ:注―読み対照外)き、叢爵(そうしゃく)・林鳩に於ては即ちその敵に非ず・・・:雀のこと(らしい)・・・
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松陰全集第3巻

2014年07月19日 | 書籍などからの熟語抜萃
<全集第3巻から>
・・・庠序の教を謹み之れに申(かさ)ぬるに孝悌の義を以てせば、頒白(はんぱく)の者、道路に負戴せず・・・:頒白:白髪の老人が路に重い荷物をになうことはない。
・・・一人天下に衡行(こうこう)するは武王之れを恥づ:「わがままに勢力をふるう」との注釈あり。「衡」:コウ、はかり、はか(る)くびき   <孟子•梁惠王下> 「一人衡行於天下、 武王耻之、此武王之勇」より。
・・・故に居る者は積倉(しそう)あり、行く者は裹糧(かりょう)あるなり・・・:留まる者も出発する者も食糧に事欠かない。積:セキ、つ(む)、つ(もる)、シ、シャク、たくわ(える)
是の時に及んで槃楽(はんらく)怠敖(たいごう)せば、是れ自ら禍を求むるなり・・・:共に、大いに楽しみ怠け遊ぶ     槃しむ:たの(しむ)

・・・俗論を造作して是れを沮歇(そけつ)するに至る・・・くいとめる
・・・父の植え置きたる桐梓(どうし・とうし)を見てさへ、恭敬の念起り、父の手沢(澤)の存する書、母の 口沢(澤)の存する桮棬(はいけん)を見てさへ、読むに忍びず飲むに忍びざるは、皆人情なり(出典:論語)。沢・澤=タク、さわ、つや、うるお(う) 
手沢(澤):①長く使っている間に、手のあぶらがついて自然に出たつや。転じて、故人が身近において愛用したもの。②「手沢本」の略。手沢本:①故人愛用の書。遺愛の書物。② ある人が書き入れなどして大切にしている本。
参考:桮棬(はいけん:1級対象外):酒や水を飲む木のまげものの盃
・・・夫れの蚓(いん)は上槁壌(こうじょう)を食ひ、下黄泉を飲む:蚓 みみず  槁壌(乾いた土) 黄泉(地下の泉)
・・・君は君の道を尽くして臣を感格すべし。臣は臣の道を尽くして君を感格すべし:深く感動させる  参考:感格鬼神(鬼神も感動する)・・・香道・香十徳
・・・是れ所謂執友(しつゆう)なり・・・礼記に毎々父執父執と云ふを視ても・・・:
執友(しつゆう):①手を取り合うくらい親しい友。同志。②父の友人
父執(ふしつ):父の友人。「執」は、志を同じくする者。(礼記・曲礼上)

・・・礼を云ふは 齒決(歯決)なきを問わず・・・乾肉を歯で噛み切るような無作法はとがめない・・・:礼記・曲礼上:「濡肉齒決,乾肉不齒決」「放飯流歠(ほうはんりゅうせつ)して而して歯決なきを問ふ」
・・・五覇の五命(注:春秋五覇の5カ条の盟約)に言えることあり・・・又五命の内「糴(かいよね)を遏(とど)むるなかれ」というも・・・

鬱結(うっけつ) ①ふさがり滞ること。「血液が―する」 ②気分が晴れ晴れしないこと。鬱屈。「時子の胸に―した疑団(ぎだん)は幾らもあった」〈二葉亭・其面影〉
・・・豪傑を登崇(とうすう)して朝廷に措けば・・・:採用して尊ぶ
・・・大舜は耕稼陶漁(こうかとうぎょ)を為せしときより乃ち都君の称あり・・・:陶:陶器づくり
・・・農の精惰(注:精農と惰農)に因りて夥しく饒歉(じょうけん)あること:説明略
・・・過不及已甚(いじん)の行に非ずして、平生允当(いんとう)なるを賛するなり:
已甚:程度が過ぎていること  允当:理にかなうこと。また,ぴったりとあてはまること。また,そのさま。  允:イン、じょう、まこと、まこと(に)、ゆる(す)
・・・貧賎を以て是れを軽蔑する者は、必ず富貴を以て是れに諂屈(てんつく)す:おそれひれ伏すこと
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松陰全集第1巻

2014年07月19日 | 書籍などからの熟語抜萃
<全集第1巻から>
・・・風は生ず檐馬(えんば) 響丁東(とうとう)たり:風鈴などの音 丁東=丁当
丁:チョウ、テイ、トウ、あ(たる)、ちょう、ひのと、わかもの
・・・風は軽く庭砌(ていせい)梅看る看る咲(ひら)き・・・:庭のいしだたみ
・・・今夫れ匹夫も剣を按ずれば千夫股慄(こりつ)す・・・:①刀の柄に手をかけて抜く構えをする(按える:おさ(える)) ②恐ろしさで足がふるえる
・・・社稷蒼赤(そうせき) 無疆の福(さいわ)い なり・・・:①蒼生・赤子の略。人民 ②福(さいわ)い=表外読み
・・・眼境広闊にして、波浪騰涌し、淘沙(とうしゃ)舟に触れ、湯湯焉(しょうしょうえん)たり、鞺鞺焉(とうとうえん=鞳鞳焉)たり・・・:①海中に漂う砂 ②波がさかんに動いているさま ③波が激しい音をたてているさま
・・・修斉治平(しゅうせいちへい)のことは・・・:修身・斉家・治国・平天下のこと
・・・兀兀孜孜(こつこつしし)として以て皓首(こうしゅ)に至るも、一も成就する所なし:白髪あたま
・・・世の学者皆謂えらく、「古の名臣賢士、豪傑俊偉の人は、其の中(うち)、綽(しゃく)として、余裕ありて絶えて迫切(はくせく)局促(きょくそく)の思なし・・・故に、詩歌吟詠の事、以てその幽宕傲放(ゆうとうごうほう)を寄す・・・詩を学ばざれば、則ち其の人必ず拘拘乎(こうこうこ)として舒暢(じょちょう)なること能わざらん・・・」:①こせつく、かがまっているさま、器量のごく小さいさま (広辞苑にもあり)
・・・吾が邦、偃武以来、静謐ふく歳(ふく=百を2つ並べた字 200年)、蒐獮(しゅうせん)の典、廃して講せず、以て今に迄(いた)る・・・:春の狩りと秋の狩り 兵を練ること  (参考)「春は蒐(しゅう)し、夏は苗(びょう)し、秋は獮(せん)し、冬は狩す。皆、農隙にし、以って事を講ずるなり。三年にして治兵し、入りて振旅し、帰りて飲至し、以って軍實(武器・兵站)を数へ、文章を昭かにし、貴賎を明らかにし、等列(階級)を辦じ、小長を順にし、威儀を習はすなり。」(春秋左氏伝)
・・・七書を得たり。勇往の気、蓬勃(ほうぼつ)として人に逼り、相対して晤言(ごげん)するが如く・・・:①気力が盛んなさま ②向かいあって話す
・・・遂に廻音(かいおん)あらず・・・僕、敢言(かんげん)を好む、故に簡牘して以て区区を陳ず・・・:①返事 ②思い切って意見を述べること
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宮城谷昌光「三国志1~12巻」

2014年07月19日 | 書籍などからの熟語抜萃
宮城谷昌光「三国志1~12巻」
鼎角匿犀(ていかくとくさい):頭角が鼎の脚のような形で、額が犀の角がかくされているように突起している相。(→「頭角をあらわす」は後の時代の表現)
○「哀楽、時を失えば、殃咎(おうきゅう)必ず至る」:哀しむべき時と楽しむべき時を間違うと、わざわいが必ずやってくる
○「僭(せん)なれば恒暘(こうよう)若(したが)う」:
僭:身分を違えて驕る意  暘:ヨウ、ひので、あき(らか)
恒暘:日照り。常に晴れること(但し、良い意味ではなく、雨が降らず旱乾であること)
(注)出典は「曰僭、恒暘若」からと思われる。「若う」→したがうとの訓みも解せない。
→「僭は恒暘の若(ごと)し」と読んだ方がよいのでは?意味もわかりやすいし・・・。
剖心(ほうしん)①文字通り、物理的に解剖するような行為の意?
(→「破胸取心」、古代的酷刑(紂王による比干への刑=「比干剖心」)など)
②心をさく、心をわけるような精神的な意?成語で「剖心泣血」あり。
剖:ボウ、ホウ、わ(ける)、さ(く)  語句 【剖検】ぼうけん、【解剖】かいぼう
伉行(こうこう):おごった行為
伉:コウ、たぐい、なら(ぶ)、つよ(い)、おご(る) 
伉る 伉い 伉ぶ 伉(たぐい)
―関連熟語―
伉侠(こうきょう):をとこだて、伉は權力を以てつよく人に抵抗する義。=任侠。
伉健(こうけん):つよくすこやか、又、其の者。強く健やかなもの
伉儷(こうれい):つれあい、夫妻の義。=匹耦・配偶
伉礼(こうれい):対等の礼を用ひて下らず。=抗礼
擘画(はっかく):右に左にわけながら、人や事がらを整理して処分する
○農政の擺撼(はいかん)が要る:ふるいうごかすこと(大漢和)
○兵が沓至(とうし)する:たくさんどっと集まる。沓:かさ(なる)、むさぼ(る)・・・
幹時(かんじ)の器量=幹事。つかさどる、になう意。時をつかさどる→時代をになう
汗眩(かんげん)の努力
○学問に耽嗜(たんし)する:その事に深入りして好きになり、ふける。
迫劫(はっきょう・はくきょう):おどかしなどで、迫っておびやかす。脅迫。
 攅峰(さんぽう)を均す :ひと際高い山だけが残るという意。
攅:サン、あつ(まる)、あつ(める)、むら(がる)
窪隆(わりゅう)の地:①くぼみと盛りあがり。 ②衰えることと盛んになること
(参考)窪下(わか)くぼんで低い所  窪樽(わそん)くぼめてこしらえた酒器
 亡(ぼう)を推(お)す :亡ぶ者を押して倒すこと:王者の戦略(殷の湯王の佐の言)
疆宇(きょうう)=領土
符瑞(ふずい):地符と天瑞のことかな・・・瑞兆。
比行(ひこう):并行・比肩行之意。
省視(せいし):顧みること、両親などを見舞うこと、見舞い *広辞苑にも所載
庸奴(ようど):おろかなしもべ
記問(きもん)の学:古書の深い意義を汲み取ることをせず、それについて応答するにすぎない学問
窮履清倹(きゅうりせいけん):窮検と履清。廉潔を守ること。
謫徙(たくし)の途中:貶流される途中
○股肱=股臂(こひ)○権宜(けんぎ):臨機に事を取り計らうこと、機宜、便宜の処置、都合。 *広辞苑あり
牋疏(せんそ)をつくる
折衄(せつじく):くじけ破れること
豊衍(ほうえん)の地:あふれる、ひろい、ゆたかな・・・豊衍な知識 豊衍な想像力
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松陰全集第2巻

2014年07月13日 | 書籍などからの熟語抜萃
<吉田松陰全集第2巻から>
・・・故に実と一とを作輟(さくてつ)なく幾久しく行うこと、是れ久なり:或いはなし、或いはやめるといったことがなく、常に継続して行うこと
・・・夫れ皇国は四面皆海にして、所として賊衝(ぞくしょう)ならざるはなし。:外敵にとっての要地
・・・紀伊の国、南海に斗出(としゅつ)して・・・:突き出ていること
・・・天地も之が為めに晦冥否塞(かいめいひそく)し・・・:暗闇になり閉ざされること
・・・薪水を丐求(かっきゅう?)すること、又数々(しばしば)なり・・・:乞いもとめること
  (注)「カッキュウ」との送り仮名ですが、正しいかどうか調査中・・・
・・・率然(そつぜん)は常山の蛇なり・・・常山の蛇の名。四字熟語「常山蛇勢」参照
・・・「近世輿地(よち)を論ずる者或は曰く・・・固より四夷を包括し八紘を并呑したまふの志あり・・・六合(りくごう)の中を卜し京を建て畿を定むるにあらずんば不可なり・・・」
   輿地:大地、地球、全世界、地勢・地図の意味。輿(こし)のように万物をのせるの意。
・・・其の書、荷蘭(オランダ)より伝わり鑿々(さくさく)として考ふべし・・・:精密に、明確に
・・・「謹んで案ずるに、上世 聖皇、威は殊方(しゅほう)を懼れしめ、恩は異類を撫したまひ、英図雄略万世に炳燿す・・・」:外国、異なる地域
・・・情懐九旻(きゅうびん)に訴ふるのみ。:「全集」では「天」との注釈あるも、通常は秋空のこと。旻天(びんてん)。
・・・孑立(けつりつ)す、誰あってか隣せん:ただ一人でだれも親しみ近づく者もない。
・・・世人が百啄(ひゃくたく)の誹謗 吾れに於て何ぞ傷まんや・・・。:多くの鳥が音をたてて物をついばむように、人々が口うるさくそしること
・・・天下列藩主相の賢否、武備の強弱、一々詳審指掌(ししょう)に在るが如し:てのひらを指さすこと、事のやさしいたとえ。
・・・余が策する所は武備の冗費を省き膏澤(澤=沢 こうたく)を民に下さんとなり。 四窮無告の者は王政の先にするところ・・・:膏澤=めぐみ(澤は漢検対象外) 四窮無告:「礼記」の王制編に鰥寡孤独の四者を天民の窮して告ぐる無き者と出ている。その四者を救うのが王政の第一にすることということ
・・・僕、資質粗鄙(そひ)にして師友に匱乏す・・・その後東西游歴して久しく函丈(かんじょう)に違う・・・:函丈:師と我との席の間に一丈の余地を容れる意。転じて尊称となり、「先生」の意。
・・・何れの処にか感亨(かんこう)無からん・・・ :神意に通じること
・・・以って兇人朋比(ほうひ)し、同悪相済ふ:徒党を組むこと。朋党比周。
・・・老兄近頃退きて一木偶人(もくぐうじんとなれり、・・・○○は終日端座して泥塑人(でいそじん)の如し・・・ 木偶人:木でつくった人形のような人間  泥塑人:土で造った人形
・・・僕従前の疑いは渙然(かんぜん)として氷釈せり・・・是れ泛言(はんげん)にあらざるなり:  渙然:さらりと溶けるさま  泛言:空言・空説
・・・僕の性癖執にして、ともに交わる所節目(せつもく)の木>嚙蹄(ごうてい)の
多し:節くれだった木、蹄をかむ馬。ともに世にいれられない者のたとえ。
・・・「・・・三器を皇孫に賜ひ、宝祚(ほうそ)無窮を勅したまふと、出づる所を同じうせず、是れ僕の疑う所なり。是れ皆義理事体、係るところ細(すくな)からず。僕素より寡陋、特に古典に暗く、徒らにこれを疑団に付す。足下近ごろ先生に従ひ、皇道を覃思す、其れ必ず考覈する所あらん、幸に之れを教へよ」(説明略。出題したくなるような熟語が多かったので収録しておきました。)
・・・辜負(こふする  :相手の意にそむく  辜く=(そむ)く 
・・・「皇天、吾が邦を眷祐(けんゆう)す、必ず将に英主哲辟(てっぺき)を生じ、一変して古の盛に復するものあらん・・・」 眷祐:いつくしみ、助ける  英主哲辟:賢明にして道理に明るい君主や諸侯    (参考)「辟」は訓読みで「きみ」。百辟、百辟刀・・・百辟も諸侯の意味。
・・・「罪を以て過を重ぬるは世迂夫(うふ)なり・・・功罪の懸殊(けんしゅ)なること、吾れと公とを観て以て見るべし・・・」   迂夫:愚か者  懸殊:大きい隔たり、大きな差  (注)「懸珠(けんしゅ)」:目の光の明らかなことのたとえ。珠飾りのような美しい目
・・・旁及(ぼうきゅう) :広くさがし求める   (注)中日辞典では「①・・・にまで関わりをもつ、・・・にも及ぶ ②)巻き添えにする、とばっちりを食わせる」
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