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我孫子・手賀沼と愛猫レオンの徒然日記。漢検1級チャレンジャーの方の参考となるブログ。2018年7月から“俳句”も開始。

日本の名著

2014年07月19日 | 書籍などからの熟語抜萃
<日本の名著:徳富蘇峰・山路愛山・陸羯南・三宅雪嶺から>
徳富蘇峰
・・・天下を残賤(ざんせん)する・・・不明
・・・文明なるものは実に武力の胎内より孕産(ようさん)したるものなることを。
・・・偶爾(ぐうじ)の尽力に出でたる・・・にあらず・・・:稀(まれ)にたまたま
偶爾(ぐうじ) 思いがけないさま。 「富士山を誇揚し…『名山』の宗と仰視するもの-にあらず/日本風景論 重昂」. 二. ( 形動タリ ). 一に同じ。 「徒然として集り,-として群する/真善美日本人 雪嶺」.
・・・一抔(いっぽう)の墓田をも有せず・・・
いっぽうのど【一抔の土】①(「史記」張釈之伝から)手ですくえるだけのわずかな土。② 墳墓。
・・・謖謖(しょくしょく)たる松声は、日本男児の記念たる桜花の雪に和して吟じ、喞喞(しょくしょく)たる虫語は・・・
喞喞(しょくしょく)虫のしきりに鳴くさま。また、悲しみ嘆くさま。「―たる寒虫は夜霜に苦んで戸上に鳴く」〈菊亭香水・世路日記〉
謖謖(しょくしょく) ①高く抜きん出るさま ②風の音の形容  CF. 謖爾(しょくじ) 服装などを整えるさま 「泣斬馬謖(きゅうざんばしょく)」の謖。 「た(つ)」「おきあ(がる)」の訓がある
・・・吾はあえこれを嘉尚(かしょう)せんと欲せず・・・:ほめたたえること。大いにたっとぶこと。
・・・唇角(しんかく)微顫(びせん)あるを覚えし・・・
・・・屠児(とじ)にむかってことごとく献身的の天人たらんことを望むなり・・・
屠児(とじ、トニ):歴史民俗用語。読み方:トニ、餌取(えとり)、と同義と解釈される。
・・・満目の江山にその磊塊(らいこん←らいかいの誤りでは?)の気を養えり・・・
磊塊(らいかい):〔多くの石が積み重なっている意〕 胸中に積み重なった不平。「胸中の・・・を吐かんとしたのである/くれの廿八日 魯庵」
・・・彼が安政の大獄に羅織(らしょく)せられて東上したるの日・・・
羅織虚構(らしききょこう):無実の罪を作り上げること。 羅織虚構(らしょくきょこう)
聞くところによると彼等は羅織虚構を以て良民を罪に陥れる事さえあるそうだ。「吾輩は猫である」
・・・徳川末世の晁錯(ちょうそ)たる水野越前守・・・:人名
晁錯(ちょう そ、~紀元前154年)は、中国の前漢の政治家。諸侯王の勢力を削る政策 を進めたが、反発を受けて呉楚七国の乱を招き、自身は反乱鎮圧のためと称して殺され た。
・・・勝海舟、・・・ほとんど一世を籠罩(ろうとう)するとの概ありと・・・
籠罩覆う   籠罩:包む  籠罩:蒸れる  籠罩著云靄 :霞む
・・・その危険逼仄(ひょくそく)なる、また、はなはだしきものあり・・・
逼仄:(場所が)狭い、狭苦しい.用例有逼仄之感=狭苦しいという感じがする.居室逼仄=部屋が狭い 逼仄小径=狭い小道
山路愛山
・・・空想迂僻(うへき)の大天狗となる・・・:怪妄迂僻:怪しくて正しくない
・・・天下の通衢(つうく)に座して貨財の消長を知れる問屋が・・・:①通行の道 ②往来のにぎやかな通路。四方に通じて交通の便の良い道路。 広辞苑にも所載。
・・・誰か疑う山谷泥犂(でいり)に堕し、学を懶(らん)なり、攀川(はんせん)張水を嬉ぶと、ただ心腸をして鉄石のごとくならしむれば、妨げず筆墨の氷肌に賦するを。
泥犂(ないり・でいり):地獄、奈落 「ないり」はサンスクリットの音訳
嬉:キ、うれ(しい)、たの(しむ)、あそ(ぶ) 【嬉戯】きぎ、【遊嬉】ゆうき
・・・いまだ茗椀(めいわん:茶椀のこと)をして觥船(こうせん)に換えるあたわず、なんぞまた繊腰(せんよう)酔眠に伴わん。家に絳衣の吾の返るに侍するおり、孤衾水のごときこと、已に三年・・・繊腰:糸のように細い腰。細腰、柳腰とほぼ同様。
・・・客蹤(きゃくしょう?)に輿に乗ればすなわち盤桓す、筐裡(きょうり)の春衣、酒暈(しゅうん)の斑、遙かに憶う、香閨燈下の夢、吾に先んじて飛過す振鰭山・・・

客蹤(きゃくしょう):人の通った形跡、旅程・・・。筐裡(きょうり):箱の中。箱の底。筐底(きょうてい)。

陸羯南:なし
三宅雪嶺
・・・生殖し、孳息(じそく)し、・・・無慮四千万の親愛なる昆弟をいたし・・・:うみふやすこと。ふえること。(雪嶺・真善美日本人)
・・・学術の事は、務めて俗流を支配する官等位階の圏套(けんとう)を脱せしむるに如かず:① 鳥や獣を捕らえるわな。また、策をめぐらすこと。②縄張りのうち。勢力圏内。(雪嶺・偽悪醜日本人) *圏套→広辞苑にも所載あり


感佩(かんぱい):歴史民俗用語。深く心に感じて忘れないこと。「御仁恤の深きを-せり/新聞雑誌 35」心から感謝して忘れないこと。「御厚情に深く―いたしております」

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