<全集第6巻から>
―松陰詩稿、詩文拾遺等から-
冬夜沈々燈滅するの後、想う君が苫塊(せんかい)眠る能わざるを。
*苫塊(せんかい):中国では忌中に苫(とま)を敷き塊(つちくれ)を枕にして寝た。
*君は悲しみの服喪で眠れないだろうとの意。
戦備を待つこと舟已に艤するが如く、同心一力束葦(そくい)に似たり。
異日苟も辺釁(へんきん)起るあらば、荘宗成を告げて三矢を還さん。
*束葦(そくい):葦を束ねること。協力一致し結束の固いこと。
*辺釁(へんきん):国境での争い、戦争。
蠢民(しゅんみん)何ぞ識らん桑梓を敬うを・・・:愚かな民衆
能く跛躄(はへき)をして歩キ(足へんに圭)を企てしむ:びっこやいざりを歩行させる(→民衆を教化する意)
婦は宜しく針縷を佩ぶべし、農は宜しく耒耜(らいし)を佩ぶべし
狂は常に進取に鋭く、愚は常に避趨(ひすう)に疎し
才は機変の士多く、良は郷原の徒多し。:偽善者 「郷原は徳の賊なり」(論語)
土宜(どぎ)の覧に供するなきに苦しむ:土産(みやげ)
赳々(きゅうきゅう)たる武夫は公の干城(かんじょう):赳々:強く勇ましいさま。訓:赳(たけ)し。干城:たてと城のこと。ここでは国を守る武士のこと。「赳々たる武夫、公侯の干城」(詩経)
沾々(ちょうちょう)齷々(あくあく)たる者は罵りて・・・:軽薄でこせこせするもの
沾:音訓(読み): セン、チョウ、テン、うるお(う)、うるお(す)
熟語例:「沾湿(センシツ)」、「沾漸(センゼン)」、「沾洽(センコウ)」
(参考)鳥啼虫吟沾沾(ちょうちょう)トシテ自ラ喜ビ佳処アリトイヘドモ辺幅固已ヨリ狭シ(永井荷風「小説作法」)
伏して願はくは鄙衷(ひちゅう)を亮せられんことを・・・: 鄙は謙遜語、衷は真心。
―松陰詩稿、詩文拾遺等から-
冬夜沈々燈滅するの後、想う君が苫塊(せんかい)眠る能わざるを。
*苫塊(せんかい):中国では忌中に苫(とま)を敷き塊(つちくれ)を枕にして寝た。
*君は悲しみの服喪で眠れないだろうとの意。
戦備を待つこと舟已に艤するが如く、同心一力束葦(そくい)に似たり。
異日苟も辺釁(へんきん)起るあらば、荘宗成を告げて三矢を還さん。
*束葦(そくい):葦を束ねること。協力一致し結束の固いこと。
*辺釁(へんきん):国境での争い、戦争。
蠢民(しゅんみん)何ぞ識らん桑梓を敬うを・・・:愚かな民衆
能く跛躄(はへき)をして歩キ(足へんに圭)を企てしむ:びっこやいざりを歩行させる(→民衆を教化する意)
婦は宜しく針縷を佩ぶべし、農は宜しく耒耜(らいし)を佩ぶべし
狂は常に進取に鋭く、愚は常に避趨(ひすう)に疎し
才は機変の士多く、良は郷原の徒多し。:偽善者 「郷原は徳の賊なり」(論語)
土宜(どぎ)の覧に供するなきに苦しむ:土産(みやげ)
赳々(きゅうきゅう)たる武夫は公の干城(かんじょう):赳々:強く勇ましいさま。訓:赳(たけ)し。干城:たてと城のこと。ここでは国を守る武士のこと。「赳々たる武夫、公侯の干城」(詩経)
沾々(ちょうちょう)齷々(あくあく)たる者は罵りて・・・:軽薄でこせこせするもの
沾:音訓(読み): セン、チョウ、テン、うるお(う)、うるお(す)
熟語例:「沾湿(センシツ)」、「沾漸(センゼン)」、「沾洽(センコウ)」
(参考)鳥啼虫吟沾沾(ちょうちょう)トシテ自ラ喜ビ佳処アリトイヘドモ辺幅固已ヨリ狭シ(永井荷風「小説作法」)
伏して願はくは鄙衷(ひちゅう)を亮せられんことを・・・: 鄙は謙遜語、衷は真心。
文中に
婦は宜しく針縷を佩ぶべし、農は宜しく耒耜(らいし)を佩ぶべし
狂は常に進取に鋭く、愚は常に避趨(ひすう)に疎し:才知があり温良なこと
とあるのですが、意味が違うような・・・
他に気になるところがあったらお伝えした方がいいですか?
他にもあれば教えてチョ・・・。