日々の戯れ

鈴柩の頼りない脳細胞に代わる記憶

長鎖不飽和脂肪酸(分子模型)

2007-06-15 | 分子模型図鑑

前回は長鎖脂肪酸をステアリン酸まで紹介した

ステアリン酸(再褐)

Photo_207

今回紹介する脂肪酸の多くは

炭素数がステアリン酸と同じ18個だ

もちろんカルボキシル基も同じだ

ではどこが違うのかというと

水素の数である

ステアリン酸が全ての手で水素をつかんでいるのに対して

今日の脂肪酸は水素を手放して

炭素同士が2本の手でつながっているのだ

このような結合を二重結合と呼び

二重結合を持つ脂肪酸を

不飽和脂肪酸と呼ぶ

重要な脂肪酸なので

聞いたことのある名前が多いと思う

 

オレイン酸

Photo_208

炭素数は18、二重結合が1つある

写真を見てわかるように

二重結合がある脂肪酸はそこで曲がった分子になる

その結果、分子が密着した整列ができなくなるので

低い温度で融けやすい

 

リノール酸

Photo_209

炭素数は18、二重結合が2つある

ますます折れ曲がった形になった

その分やはり融点も低くなり

ステアリン酸が70℃ぐらい

(肉を焼けば油が落ちるよね)

なのに対して

オレイン酸が13℃ぐらい

(口の中で融けるよ)

リノール酸は5℃だ

(植物油は液体状)

 

αリノレン酸

Photo_210

炭素数は18、二重結合が3つある

ここまでくると融点-11℃

なんと真冬でも液体だ

不飽和脂肪酸のもう一つの特徴として

酸化されやすいということが上げられる

二重結合の所の炭素が不安定で

隙あらば他のヒトと手を繋ごうとするのだ

それを利用して

乾性油等に使われる

油絵の具を溶かし

徐々に酸化されて他の分子と手を繋ぐことで

固体に変わるのだ

 

エイコサペンタエン酸(EPA)

Photo_211

炭素数は20、二重結合が5つもある

分子の形状が丸くなってしまった

融点-54℃

冷たい海中でも固まらないので

魚の中に多く含まれる

 

ドコサヘキサエン酸(DHA)

Photo_212

炭素数は22、二重結合が6つもある

ここまで来ると形もよくわからない

DHAは近年大スターになったので

良くご存じであろう

もちろん魚に多く含まれる

でも「魚を食べると頭が良くなる」は

話半分に聞いておいたほうがいいだろう

 

ちなみに

エイコサペンタエン酸の名称は

エイコサ(炭素20個で)ペンタエン(二重結合5つの)脂肪

ドコサヘキサエン酸は

ドコサ(炭素22個で)ヘキサエン(二重結合6つの)脂肪

という意味

この後

トリコサ(23)テトラコサ(24)ペンタコサ(25)と続く・・・

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