水の分子の結晶構造が六角柱になることまで話した
もう少しマクロな話になっても基本は六角柱である
それがどうしてあんなに多彩な雪の結晶になるのか
もう一度分子を見る目で見なくてはならない
水が凍り始めると
間近にある水分子がきれいに整列していき
原初の氷の周りに
水蒸気の薄くなる部分が球形にできる
その後は空気中の水分子がくっついて
結晶を大きくしていくわけだが
水分子も無駄な労力を使いたくないので
手っ取り早くくっつける場所に並んでいくわけだ
それは六角形の角の部分になる
自然界は意外に怠け者揃いで
天体から素粒子まで
「いかにエネルギーを使わないですむか」
が行動原理だったりする
・・・半径5m以内で結婚相手を選ぶみたいなもんだな
そういうわけで
六角形のそれぞれの角にあらためて結晶が形作られたりする
その子六角形のまわりに孫六角形ができたりもする
六角柱や鼓型になることもある
その形は気温と水蒸気量によって決まることを
中谷宇吉郎博士が地道な人工雪研究の末に
中谷ダイアグラムとしてまとめた
けっして水は
「ありがとう」という言葉等に反応して
形を変えたりするのではない
自然の造型を自然のままに愛でるべきである
道徳を教えるのに都合がよいからと
安易に「水伝」を子供達に伝えることは
中谷を始めとする何人もの
真面目な研究者の仕事を冒涜するものである
全国の先生がたに心して頂きたいものだ
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