日々の戯れ

鈴柩の頼りない脳細胞に代わる記憶

2007-04-29 | 覚え書き(メイン)

「どうして風は吹くの」

本校の養教の中1になる息子さんが

母親にこう聞いたそうだ

 

とても良い疑問である

学校というシステムは

こういう素朴な疑問に応えるようにはできていない

そういえば

こんな素朴な疑問を持つ「能力」

今の子供に不足しているような気がする

疑問を持てる幼児期の経験によるものなのだろうか

親子で一緒に考えてみるような経験が持てたらいいよね

 

ともあれ、その中1の子はよい成長をしている

ちょっと遅い疑問であるような気もするが

母親は一生懸命考えて答えたそうだ

幸せな子だ

 

さて風の原因であるが

温度差によるものだ

地球は平面ではないので

日光の当たり方に差ができる

赤道付近は直上から日が当たり

極地付近では斜めに当たる

そのため

赤道付近は暑く、極地付近は寒い

暖かい空気は軽くなり上昇気流が生じる

するとそこの空気は薄くなり(気圧が低くなり)

他所から空気が吹き込んでくる

(空気も空いている所を目指して移動するのだ)

それが風だ

 

さて赤道で暖まり上昇した空気が

極地で降りてくれば話はシンプルなのだが

現実には

途中で冷えてしまって落っこちてく

この亜熱帯から赤道をぐるぐる廻っている空気の流れを

ハドレー循環という

そして赤道に向かって吹く空気が貿易風

貿易風は地球の自転の影響を受けて

東寄りの風になる

 

極地付近でも同じ理屈で

空気が循環している

緯度60度付近で上昇した空気が

極付近で降りてくる

これを極循環と呼ぶ

この時極から吹いてくる冷たい風が極東風

 

問題はその中間の温帯地方だ

同じ理屈なら暖かい方が上昇する筈なのだが

そこにはハドレー循環による下降気流が発生している

寒い方では下降する筈が極循環による上昇気流

困ってしまった温帯の空気は

環境のほうに自分を合わせてしまうのである

この空気の流れをフェレル循環と呼ぶ

それに伴う風が偏西風

フェレル循環は実に不安定であり

熱帯や寒帯よりも

温帯の天気は変化に富んでいる

 

これが地球の最もマクロな風の発生であり

ミクロ(小規模)になると

太平洋高気圧から吹き込む季節風

さらにミクロになると

沿岸で吹く海風

もっとミクロになると

ビル風

 

こんな風を読んでいる

気象予報士というのはやはり

たいした人たちなのだ

コメント
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