宮澤賢治の里より

下根子桜時代の真実の宮澤賢治を知りたくて、賢治の周辺を彷徨う。

〈一〇一二〔甲助 今朝まだくらぁに〕〉

2016年09月27日 | 『春と修羅 第三集』
一〇一二   〔甲助 今朝まだくらぁに〕     一九二七、三、二一、
   甲助
   今朝まだくらぁに、
   たった一人で綱取さ稼ぐさ行ったでぁ
     ……赤楊にはみんな氷華がついて
        野原はうらうら白い偏光……
   唐獅子いろの乗馬ずぼんはぃでさ
   新らし紺の風呂敷しょってさ
   親方みだぃ手ぶらぶらど振って行ったでぁ
     ……雪に点々けぶるのは
        三つ沢山の松のむら……
   清水野がら大曲野がら後藤野ど
   一人で威張って歩って
   大股に行くうぢはいがべぁ
   向ふさ着げば撰鉱だがな運搬だがな
   夜でば小屋の隅こさちょこっと寝せらへで
   たゞの雑役人夫だがらな
     ……江釣子森が
        ぼうぼうと湯気をあげて
        氷醋酸の塊りのやう……
   あらがだ後藤野さかがったころだ
             <『校本宮澤賢治全集第四巻』(筑摩書房)より>
『春と修羅 第三集』より〟へ戻る。

《鈴木 守著作案内》
◇ この度、拙著『「涙ヲ流サナカッタ」賢治の悔い』(定価 500円、税込)が出来しました。
 本書は『宮沢賢治イーハトーブ館』にて販売しております。
 あるいは、次の方法でもご購入いただけます。
 まず、葉書か電話にて下記にその旨をご連絡していただければ最初に本書を郵送いたします。到着後、その代金として500円、送料180円、計680円分の郵便切手をお送り下さい。
       〒025-0068 岩手県花巻市下幅21-11 鈴木 守    電話 0198-24-9813
 なお、既刊『羅須地人協会の真実―賢治昭和二年の上京―』、『宮澤賢治と高瀬露』につきましても同様ですが、こちらの場合はそれぞれ1,000円分(送料込)の郵便切手をお送り下さい。

『賢治と一緒に暮らした男-千葉恭を尋ねて-』   ☆『羅須地人協会の真実-賢治昭和2年の上京-』   ☆『羅須地人協会の終焉-その真実-』

『「涙ヲ流サナカッタ」賢治の悔い』            ☆『宮澤賢治と高瀬露』(上田哲との共著)

◇ 拙ブログ〝検証「羅須地人協会時代」〟において、各書の中身そのままで掲載をしています。
 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿