すんけい ぶろぐ

雑感や書評など

滝沢敏文「SAMURAI 7 第1巻」

2005-03-19 15:44:25 | 映画評
三船敏郎の菊千代を超えるのは大変だろうなぁ


黒澤明の「七人の侍」が原作ということで、「SAMURAI 7 第1巻」を見ました。

同じく「七人の侍」を下敷きにした作品で有名なものでは、「荒野の七人」があります。
こちらも名作とは言われているけど、「七人の侍」ほどの重厚さはなく、個人的には、それがちょっと不満でした(比較しないで、それぞれ楽しめば良いのでしょうが)。


で、「SAMURAI 7」ですが、第一話・第二話の段階では原作をなぞる形で進んでいます。

それでも、「七人の侍」の勘兵衛が明朗な賢人と描かれていたのとは違い、「SAMURAI 7」のカンベイは過去を引きずっている少々暗い性格を与えられています。これが、本作の肝になるのかな?


全体的にはアニメということもありまして、人間臭さがないです。
第一話では、野武士に農作物を強奪されてしまうと農民が苦悩しているシーンがあります。が、どうも画面からは真剣みが伝わってこない。アニメ絵だから、どうしても小奇麗になってしまい、貧窮の汚さがないんだよなぁ。まぁ仕方ないことなんだろうけど。


いずれにしろ、これからです。

アニメ版の「プラネテス」も、最初は「単なる青春劇だなぁ」と思っていましたが、最終的には、「漫画とは違うけど、これはこれでアリかな」と楽しく見ておりました。

今のところは、次巻も見てみたいと思っております。


SAMURAI 7 第1巻 (通常版)

GDH

このアイテムの詳細を見る

李相日「69 sixty nine」

2005-03-18 18:38:17 | 映画評
セピア調の過去は、細部があやしい


言わずもがなですが、原作を損なわない形で他のメディアに移植するのは、なかなか難しいものです。
特に小説という受け手の想像力による補完で成り立つものならば、なおさらです。

なんとなく頭に思い描いていた登場人物たちが、現実の人間としてあらわれた際にひどい幻滅を味わった、なんて経験は誰でもしたことがあると思います。
さらにヒロインなんかは、無駄に際限のなく美人に想定しいるとこはないでしょうか?


映画の「69 sixty nine」を見ました。

原作である村上龍の「69」は既読なので、どうしても比較してしまいます。

う~む。
原作のテイストを損なってはいないのですが、何かが物足りないような?
おおよその展開を知っているから、飽きちゃったのでしょうか?


あかるすぎるのかな?

原作もコメディ色が強くて、別に悲劇ではないんですがね。
でも、映画の方は、全くないとは言いませんが、せいぜい教師と生徒の対立がシリアスになる程度。
1969年なんて時代を、今の若者に理解させようなんて無理だから、映画としては尾崎豊的は反抗心をメインに据えざる得なかったのでしょうね。

まぁ仕方ないことだけど。


小説の「スタンド・バイ・ミー」では「過去」だけではなく、「現在」のことについても、けっこう書かれているんですけどね。あの四人組の以後についても言及されているけど、映画版では、その点はすっぽり抜け落ちていますね。

90分の映画に統一性を持たせる必要性もあるのでしょう。
「過去」は美しく、「現在」は厳しく。
「現在」を入れてしまうと、作品がぼやけちゃうと製作者は判断したのかなぁ。

あの愛くるしかった「過去」の子役が成長して、「現在」の犯罪者としてテレビに映し出されると、なんとなく自分の思い出まで汚されたような気になってしまうもんなぁ……。


「69」の原作でも、登場人物たちの「現在」が書かれているけど、映画では架空の「未来」が冗談として語られるだけで(それどころか、物語全体をも架空の「未来」にしてしまっているけど)、まったく臭わせることもなく終わっております。

そうだよね。
楽しい時間は、楽しい時間で。楽しい物語は、楽しい物語で。楽しい映画は、楽しい映画で。
原作を読んでない方が、気楽に楽しめるのでは?


69(シクスティナイン)

集英社

このアイテムの詳細を見る
69 sixty nine

東映

このアイテムの詳細を見る

鈴木雅之「NIN × NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE」

2005-03-17 20:00:46 | 映画評
ナウ ゲッザ チャンス


小旅行に行ってまいりました。無職なのに。
なんで、毎日更新しようと志しておりましたが、ついに挫折です。無職なのに。
で、旅行から帰ってきたので、ちょっと疲れています。無職なのに。
それで、あんまり考えないで見れない映画にしよと選んだのが、「NIN × NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE」です。無職なのに。

予想を裏切らない作品でした。
肩肘を張って見る必要のない、娯楽作品です。


個人的には、開始直後に伊東四朗の「ニン!」が聞けたので、それだけで満足できました。

後、ガレッジセールのゴリが、敵か味方が分からない感情を押し殺したキャラクターを不気味に好演しておりまして、意外でした。キャラが合ったのか?


話は、現代に生き残る忍者ハットリが、修行のために東京に出てきて巻き起こるコメディです。

香取慎吾が演じるハットリが主君と決めた少年は、最初はひ弱でネガティブな発想しかできない性格です。が、物語の進行と共に、徐々に力強くなっていきます。それが、この映画全体に感動テイストを加えております。

その少年の成長には、もちろんハットリが関わっております。
その子には両親はいるのですが、あまり面倒をちゃんと見ていません。だから、ハットリが彼の成長に介入する隙間があるんですよ。
そこらへんの設定が、妙に生々しいなぁ………。

そう考えてみると、両親がしっかりしていれば、ドラえもんは必要ないんだよなぁ。アニメだから、なんとなく見過ごしているけど。実写では、そうはいかないんでしょうね。


小さな子供がいれば、膝に乗せて楽しめる作品だと思います。


NIN × NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE プレミアム・エディション

ジェネオン エンタテインメント

このアイテムの詳細を見る

フィリップ・ノイス「ボーン・コレクター」

2005-03-15 05:09:59 | 映画評
二回見てしまった


「ボーン・コレクター」を見ました。なぜ見たのかと言いますと、「ボーン・アイデンティティー」と間違えたからです。

しかも、「ボーン・コレクター」は見たことがあります。見たときの感想は、「いまいち」。

でも、意地になって、もう一度見ました。

そして、同じ感想でした。やはり「いまいち」。


原作があるからね。そのエッセンを残そうとしたんだろうけど。

話の筋は、事故によって全身の自由を失った捜査官のリンカーン・ライムが、新人の女性警官ドナヒーを使って事件を解決していくというストーリー。なんですが、どうも「新人の女性警官を使って」というと設定を、上手に活かせてないような。

むごい事件現場にかかわらず、リンカーン・ライムが女性のドナヒーに強引に現場の捜査を実行させようとして二人は仲たがいします。が、彼女には警官だった父親が自殺しているという悲しい過去があり、それを知ったライムは徐々に彼女を理解し、また優しく接するようになります。そしてドナヒーもライムが安楽死を望んでいることを知り、彼に希望を持つように説得する……………。

その展開が早くて。ちょっと安易だなぁ。二時間に収めるので精一杯だったか?


後、最後のどんでん返しが強引でね。あまりに伏線のない犯人が登場するので、犯人自身が最後にベラベラと犯行動機を語り出すんだよね。まぁミステリー映画(ドラマ)には、ありがちなラストだけど。
小説だと、登場人物のセリフで語らせる必要はないのだろうけど、映画だとね。そうも、いかない。


まぁ、こんな感じっす。


ボーン・コレクター

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

このアイテムの詳細を見る

アマゾンでもっとも売られている作家は誰?

2005-03-14 10:46:38 | 雑感
ありがちな企画


書店に行くと、中谷彰宏の本をよく見かけます。「面接の達人」シリーズを書いている人だということは知っていましたが、どうやら、その枠だけには収まらないようです。

そんなわけで、アマゾンで著者「中谷彰宏」で検索をかけてみました。出るわ出るわの667件。
スゲェーな。これを越える作家は、いるのか? と疑問に思いまして、他の作家でも調べてみました(2005/3/14)。

で、結果。

作者名件数
中谷彰宏667件|||||||||||||
夏目漱石303件||||||
芥川竜之介7件
太宰治166件|||
志賀直哉78件|
遠藤周作385件|||||||
大江健三郎175件|||
赤川次郎1010件||||||||||||||||||||
村上春樹249件||||
村上龍254件|||||
吉本ばなな79件|
柳美里66件|
司馬遼太郎710件||||||||||||||
福井晴敏23件
石田衣良32件
松本清張572件|||||||||||
横溝正史212件||||
筒井康隆292件|||||
小川洋子52件|
高橋源一郎86件|
宮部みゆき149件||
団鬼六200件||||
池澤夏樹122件||
田辺聖子419件||||||||
鷺沢萠79件|
村山由佳45件
宮本輝163件|||
辻仁成93件|
石原慎太郎103件||
田中康夫98件|
宗田理160件|||
池波正太郎676件|||||||||||||
浅田次郎154件|||
安部譲二143件||
五木寛之438件||||||||
桐野夏生38件
吉川英治453件|||||||||
山崎豊子93件|
宮城谷昌光142件||
神林長平61件|
栗本薫477件|||||||||
北方謙三333件||||||
大沢在昌212件||||
海音寺潮五郎209件||||
柴田錬三郎289件|||||
陳舜臣570件|||||||||||
渡辺淳一369件|||||||
井上ひさし356件|||||||
藤沢周平221件||||
志茂田景樹486件|||||||||
京極夏彦69件|
花村萬月110件||
高村薫30件
重松清63件|
向田邦子83件|
林真理子231件||||
井上靖399件|||||||
開高健175件|||
小林信彦163件|||
椎名誠331件||||||
島田雅彦98件|
橋本治260件|||||
荒俣宏353件|||||||
江戸川乱歩361件|||||||
山田詠美114件||
内田康夫497件|||||||||
西村京太郎870件|||||||||||||||||
田中芳樹369件|||||||
富野由悠季291件|||||
宮崎駿134件||
押井守29件
池田大作412件||||||||
大川隆法204件||||
麻原彰晃3件
文鮮明29件
福永法源19件
ビン・ラディン0件
齋藤孝70件|
養老孟司180件|||
河合隼雄355件|||||||
香山リカ65件|
手塚治虫1892件|||||||||||||||||||||||||||||||||||||
藤子不二雄1673件|||||||||||||||||||||||||||||||||
石ノ森章太郎754件|||||||||||||||
赤塚不二夫420件||||||||
鳥山明184件|||
秋本治279件|||||
さいとう・たかを1008件||||||||||||||||||||
江川達也226件||||
柳沢きみお439件||||||||
水島新司765件|||||||||||||||
高橋留美子426件||||||||
あだち充385件|||||||
井上雄彦101件||
中沢啓治96件|
水木しげる618件||||||||||||
横山光輝860件|||||||||||||||||
永井豪990件|||||||||||||||||||
遊人220件||||
本宮ひろ志598件|||||||||||
車田正美295件|||||
宮下あきら212件||||
森川ジョージ83件|
蛭田達也141件||
北条司241件||||
武論尊268件|||||
浦沢直樹250件|||||
小林よしのり230件||||
堀江貴文10件
堤義明2件
高橋がなり5件


| = 50件になります。
以下、感想。

小説家では、赤川次郎が1010件、司馬遼太郎が710件、池波正太郎が676件、西村京太郎が870件で、中谷彰宏に勝ってますね。(勝ったから、なに?)
富野由悠季が意外に買えるのが驚きです。
芥川が極端に少ないのは、なんでだろう? うまく検索に引っかからなかったのだと思われます。

志茂田景樹は、まだまだご健在の様子。

総じて歴史小説家の作品は、多く発売されているようです。あまり流行に左右されないからでしょうか?

宗教界では、麻原彰晃の本がまだ売っているということに、素直に驚きました。
ベストセラー作家の大川隆法先生も、池田大作先生には、まだダブルスコアで負けています。これからも健筆をふるって欲しいものです。

現在本を出しまくっている齋藤孝は70件。ほとんどの本が、2002年度以降に出版されてこの点数ですから、末恐ろしいものがあります。
「バカの壁」が大ヒットした養老孟司は180件。順当な感じがします。
文化庁長官をしている河合隼雄は355件。いつ寝ているのやら。

手塚先生、1892件。早死にするわけだ…………。
藤子不二雄は、AとFを足して、1673件だもんな。

話題の堀江貴文は、10件。あれだけテレビに出て、会社の仕事をして、さらには飲みにも行って………。本なんか書いていられるか? とも思うのですが、ほとんどインタビューをまとめたものなのかなぁ。


こんな感じになりました。
本当は、もう少し作家名を増やそうと思っていたのですが、目につくものを手当たり次第検索にかけているうちに、途中で飽きました。そんなわけで、ミステリー系やSF系の作家は、ほとんどおりません。
しかし、手塚治虫を越える点数を持った作家はいないのではないでしょうか?

在庫切れとかを、わざわざ件数から引いてはいないので、そこら辺は、ご勘弁を。

ますいさくら「「できる男」「できない男」の見分け方」

2005-03-13 09:15:38 | 書評
目指せ「できる男」


芸者とかホステスといった夜の蝶さんが、「本当の男の価値」とか「優秀な男の仕事」とか「もてる男の技術」について論じた本を出すことがあります。
で、その本についての新聞広告を見ることが多々あるのですが、読んでいる方には中々出会えません。

そもそも「本当の男の価値」を持っている人間、「優秀な男の仕事」を出来る会社員、「もてる男の技術」を身につけた伊達男たちは、こういう本を読んでいるのでしょうか?

「必殺ナンパ指南書」といった本を読むのは女性にもてないからであって、そういうハウツー本に頼っては更に女性が引いてしまうのではないだろうかと思うのは僕だけでしょうか?


しかし、読まずに非難するのは、よろしくありません。
まして、読んだだけで「本当の男の価値」が上がったり、「優秀な男の仕事」がバリバリできたり、「もてる男の技術」でウハウハになるのなら、なんと素晴らしいことか。

で、選んだのが、ますいさくら「「できる男」「できない男」の見分け方」です。帯には「富、名声、愛を手に入れた 男の法則」と書かれております。僕が求めているものは、これです(僕は現在無職、彼女もいません)。


本書は、全体で五章に分かれております。
 第1章 「できる男」の外見はここが違う
 第2章 「できる男」の遊び方、会話はここが違う
 第3章 「できる男」のお金の使い方はここが違う
 第4章 「できる男」の性格はここが違う
 第5章 女性へのメッセージ「こんな男をつかまえなさい」
僕には関係のない第5章以外から、とりあえず実践可能なものをピックアップしてみます。

ただ、
○「できる男」は童心を忘れない
○場を盛り下げない
○女性をドキドキさせる
といった抽象的なものは、ぬかします。「場を盛り下げない」ことが「できる男」の条件なのは僕も同感ですが、それができないから無職なのです。(後、童心も忘れていないつもりですが、これもまた職が長続きしない理由の一つだと思われます。女性をドキドキさせることは、法に触れる範囲内でなら実行する自信があります)


それでは、適法内で具体的なものを選んでみましょう。

○お金は下着にかける
○夕方に微香性の香水をつける
夏は汗でワイシャツが透けるし、臭うからだそうです。男性高級下着かぁ………。

○時計にクロコダイルの革バンドをつける
金時計をするなら、クロコダイルの革バンドだそうです。その方が、おしゃれだし、「できる男」を強調できるみたいです。つまり、
○時計がきれいだと人生も光る
らしいです。

○消臭・除菌スプレーを靴にかける
まぁ臭いとね。

○ドイツ製の靴を履く
ドイツ製は、いいらしいですよ。

○法事で光る靴を履かない
エナメルの靴が駄目らしいです。法事の際は、ドイツ製の光らない靴を選びましょう。

なんか、この著者は靴にこだわってますが、
○靴は第二の男の顔
だそうです。
「できる男」は、足へのねぎらいの意味を込めた賢い靴選びをします。
ということですから、靴はドイツ製で。もちろん、「靴は第二の男の顔」ですから、大事にしなくてはいけません。
○「できる男」は靴に優しい
です。しかし、「優しい」だけでは、どうすれば良いのか分かりません。具体例として本書に挙げられているのは、こんな話。
靴好きのお客様が、雨の日に、店の若い女の子と同伴出勤などしようものならもう大変でした。飲むことより、隣の若い子を口説くことよりも、濡れた革靴が心配で心配でしょうがないのです。
「濡れたときは、女性と一緒で早め早めのケアが大切」
なんて言いながら、店からもらった乾いたおしぼりで靴の濡れを充分に取り去り、靴に詰めるためにわざわざとっておいた新聞で、皮革に染み込んだ水分を取ることが先決なんですから。
 自分は飛行機会社のマークが入った携帯スリッパで水気がなくなるのを待っているのです。
これくらい靴を大事にして下さい。ようは、
○靴は早めにケアをする
ということです。携帯スリッパも持ち歩きましょう。

○「できる男」はトレンチコートが良く似合う
探偵ですね。

○寒い日にはさりげなく手袋をする
「さりげなく」ですよ? 強引にしては、いけません。

○奥様にクリーニング代は払わせない
僕は奥さんがいないので、関係ないです。

○強い男はお酒も強い
漢たるもの、酒豪でなければ! 体質的に無理な方は、
○お酒は飲めなくても飲めるふりをする
で、いいそうです。僕は、放っておくと朝から飲んでしまうので、「飲めるふりをする」方が難しいです。

○「できる男」は花の名前を知っている
覚えとけ。
○水のあげどきを知る
知っとけ。

○ジョン・レノンの子守歌を歌える
「ビューティフル・ボーイ」という歌らしいです。かなり具体的ですね。著者が好きだそうです。
○得意な歌を控える
「ビューティフル・ボーイ」を歌って下さい。しかし、得意になってはいけません。

○板長と知り合いになる
最初は友達から。

○朝食は家族と食べる
子供がぐれません。

○一度惚れた女の面倒を最後までみる
ヤマタク先生、がんばって下さい。

○高価な花を贈る
花の名前を知っていれば、簡単です。

○ワインはグラスでもらう
二人で飲むならボトルで頼む必要はない、ということです。金銭感覚のしっかりした堅実な男性の方が「できる男」度が高いようです。ちなみに銀座で女の子と遊ぶなら、10万円からだそうです。

○「できる男」は奥で待っている
出世のできない、そこのあなた? 手前で待ってませんか?

○「できる男」はきれいなお札で支払う
二千円札は、だいたいピン札です。「できる男」は二千円札を用意しておきましょう。支払いが10万だと、50枚もあれば足ります。

○記念硬貨では支払わない
これは、できそうですね。と言うか、記念硬貨で支払いをしたことがない………。

○コインケースをもつ
これも楽勝。ダイソーにGO!

○お酒は自分のお金で飲む
誰もおごってくれないので、これも楽勝。

○上司の意見を否定しない
YES! YES! YES!


さて、最後に長文ですが、「ものはやりよう」という例を一つ。
○「できる男」はマイナスを武器にする
 某商社鉄鋼部門の部長さん、二十歳も年が離れている二十五歳のアルバイトホステスとおつきあいをしています。彼女は年下なのに、世話女房みたいにかいがいしく身のまわりの世話をしているので、その仕向け方をそっと聞いてみると、彼女と会うときは汚れていないまでもくたびれた下着、クリーニングタグがついたままのワイシャツ、穴の開いた靴下と、徹底してダメ男。奥様の悪口は絶対に口にしないで、態度で積極的にアピール。
「おまえだけだよ、大事にしてくれるのは……」
 嘘だとわかっていても、女にはうれしいひと言です。
「くたびれた下着」「穴の開いた靴下」は、個人的には余裕ですね。デフォルトです。
ただ「クリーニングタグがついたままのワイシャツ」かぁ。これを着て電車に乗ったり、街を歩くのかぁ。「下着」や「靴下」と違って目立つなぁ。しかし、これで女性が喜んでくれるなら、がんばりましょう!(男の方が「某商社鉄鋼部門の部長さん」というお金に不自由しない経済状況であるという大前提には、目をつぶりましょう)


以上になります。

と言うか、ほとんどのテクニックが、飲み屋のおねぇーちゃんに嫌われないことばっかり(好かれるではありません)。それが「できる男」なのか? 「できる男」の「できる」は、おねぇーちゃんとできるってことか?(やれれば嬉しいに決まってますが。そもそも「奥様」がご健在でありながら、「クリーニングタグがついたままのワイシャツ」を着て出社しようして、まったく誰からも意識されないという「はーとうぉーみんぐ」な家庭も必要です。もてる男はつらいね)

この「銀座ママが教える」シリーズは他にも、「「できる男」の口説き方」とか「「できる男」「できない男」の英語術」があります。

どうしても読みたいと言うなら、止めません。

しかし、「「できる男」「できない男」の見分け方」に関しては、近いうちにそこらへんのゴミ捨て場に放置されているはず。それには付箋紙がむちゃくちゃ貼ってある、一見すると痛々しい状態です。遠慮なく拾って下さい。


銀座ママが教える 「できる男」「できない男」の見分け方

PHP研究所

このアイテムの詳細を見る
銀座ママが教える 「できる男」の口説き方

PHP研究所

このアイテムの詳細を見る
銀座ママが教える 「できる男」「できない男」の英語術

PHP研究所

このアイテムの詳細を見る

M・ナイト・シャマラン「アンブレイカブル」

2005-03-12 14:34:20 | 映画評
こんなもんか


なんとなく気になっていた「アンブレイカブル」を見ました。


なかなか楽しめました。

ストーリーは、凄惨な列車事故に巻きこまれながら、唯一助かった男の物語。


全体的に大げさでね。

ブルース・ウィリス演じるデイヴィッド・ダンが、「なぜ自分だけが助かったのだろう?」と疑問に思い、奥さんに「おれは、今まで怪我や病気をしたことがないんじゃないか?」と真顔で尋ねたり、会社で病欠の記録を調べたりします。それで、自分が不死身ではないかと考え始めます。

普通なら自分が病気も知らない健康体であることは記憶しているだろうし、さらには、
「おれは馬鹿だから、風邪も引いたことがないんだ。アハハハハ」
と笑い話で済むはずです。それなのに、「なんでおれはこんなにも幸運で怪我もせず、病気にもならないんだ?」とデイヴィッドは苦悩します。
さらに息子のジョセフにいたっては、父親を不死身と信じて銃で撃とうとします。

なんじゃそりゃ?

他にも、ベンチプレスをしていて自分に怪力があることを唐突に知ったり、人に触ることでその人の犯した悪事を察知する能力が伏線もなく覚醒したり、小さなころにプールで溺れて死にそうになった重大な事件を忘れていたりと愉快な興味深いシーンが満載です。


で、画面の色合いは抑え気味で、「主人公の悲しみ」や「物語の不気味さ」を強調しようとしています。
が、画面をシリアスにしようとすればするほど、展開の強引さが際立つといった感じです。

そういう感じで楽しめる作品でした。


アンブレイカブル

ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント

このアイテムの詳細を見る

ミロシュ・フォアマン「カッコーの巣の上で」

2005-03-11 17:34:48 | 映画評
造反有理


にも少し書いたのですが、精神病院にお見舞いに行ったときのことです。

知人の患者がいた病室は、閉鎖病棟の個室でした。扉の上にはスモークガラスでカメラが隠してありました。
「見られてるの?」
「嘘か本当か分からないけど、私には使ってないって」
ふーむ。

病室にあるものは、必要最低限といった感じ。借りているテレビに、ベッド、その横には物入れ。見舞い客は椅子を廊下から持っこなくてはいけません。
壁はすっきりしたものです。なにも貼ってありませんし、洋服をかけるようなフックもありません。自殺防止です。窓もあるのですが、五センチくらいしか開きません。逃亡防止です。

携帯電話は没収。使うときは、看護婦に頼まなくてはいけない。電池が切れたら家族に持って帰ってもらい、充電をお願いします。
もちろん、はさみや果物ナイフといったものもNG。
お金も自分では持てません。週に一回おこづかい日がありまして、病院から渡されるとのこと。ただし金額は自分で決めていいそうです。まぁ、病院のお金じゃないですからね。


おもしろいところでは、ライターも駄目でした。

タバコは、喫煙室だけ。そこにライターも置いてあるのですが、持ち去られないように紐で重しにつながれています。テーブルには、そのライター以外に、灰皿代わりの洗面器がありました。洗面器の中では、黒く濁った水に吸殻が浮いています。
僕は吸わないのですが、患者の方が吸いたいと申すので、その喫煙室にいたときのことです。

年の頃は25歳前後で、髪を短く刈り上げた長身の男性が入ってきました。
後から聞いた話なのですが、彼は知能に障害があり、さらに盗癖が治らず入院中とのことでした。

タバコが大好きで、週一のおこづかいの日になると、その日のうちにお金は煙となって消えてしまうそうです。
で、残りの六日間は、人から恵んでもらたっり、十円で買おうとしたり。

僕の知人はかわいそうだからと最初はあげていたのですが、そのうち本人のためにならないと断るようにしたそうです。それでも欲しがるので、
「1本100円よ?」
と言うのですが、100円玉が余っていると、そんな暴利でも買っちゃう。

で、僕が喫煙室にいたときも、彼はタバコを切らしていた様子。所在なげに、椅子ではなく、床に座ります。

そんな彼を見て、僕の知人は洗面器の灰皿を指差して、
「タバコは食べちゃ駄目よ?」
と注意します。

あぁ、吸えないと食べちゃうんだ…………。


で、「カッコーの巣の上で」
精神病院に送りこまれたマクマーフィが、その管理体制に反発し、患者を巻きこんで一騒動起こすという物語。

患者と病院の反目というのは、「17歳のカルテ」と同じなんですが、捉え方がまったく逆方向です。
時代背景があるのかなぁ~と思ったのですが、設定上はそんな大差はありません。むしろ、製作年代の違いなんでしょうねぇ。

作品名患者と病院の関係時代設定製作年代
「カッコーの巣の上で」父性的 病院の命令に一方的に従わせようとする1963年1975年
「17歳のカルテ」母性的 患者自身の自覚を促すように導く60年代末2000年

1975年だと、まだ政治の季節だったんですかねぇ。
主人公のマクマーフィが逃亡のパートナーとして選ぶのがインディアンの患者というのも、虐げられし者を象徴しているのだろうなぁ。


心の中に尾崎豊を抱えている人は、古い作品ではありますが、まだまだ感動できると思います。


カッコーの巣の上で

ワーナー・ホーム・ビデオ

このアイテムの詳細を見る
17歳のカルテ ― コレクターズ・エディション

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

このアイテムの詳細を見る

黒澤明「乱」

2005-03-10 17:38:26 | 映画評
親子


三田誠広のエッセイを読んでいて(どの本か忘れてしまったよ。「トマトケチャップの青春」か?)、名前は伏せられていたのですが、ある作家に殴られたという話が載っておりました。酒を飲んで大暴れする癖があり、家族関係が複雑ということなので、一発で中上健次だと分かりました。

それと同時に、作品に反映されることはないが、父親に対して複雑な心境を抱いている作家の話も出ていました。当時は誰か分かりませんでしたが、同世代の作家から探すと池澤夏樹のような気がします。


作家は、コネがあまり有効ではない世界ですけど、親子で有名人というのは、けっこういますね。
未読・既読関係なく、思いつくままに並べてみます。
 :森鴎外(小説家)
 :森茉莉(小説家)

 :中上健次(小説家)
 :中上紀(小説家)

 :幸田露伴(小説家)
 :幸田文(随筆家)
 :青木玉(随筆家)

 :太宰治(作家)
 :津島佑子(作家)

 :福永武彦(小説家)
 :池澤夏樹(作家)
 :池澤春菜(声優)

 :吉本隆明(思想家)
 :よしもとばなな(作家)

 :江國滋(俳人)
 :江國香織(作家)

 :山村美沙(作家)
 :山村紅葉(女優)

 :阿川弘之(作家)
 :阿川佐和子(エッセイスト)

 :吉行エイスケ(作家)
 :吉行淳之介(作家)

 :檀一雄(作家)
 :檀ふみ(女優)
多分、もっといますね。

「コネが有効ではない」と書きましたけど、よしもとばななが新人賞に応募した際、彼女の作品は最終選考までは残らなかった、という話を聞いたことがあります。でも、「もしかしたら、これは吉本隆明の娘さんでは?」と気がついた編集が、吉本隆明に電話をして確認。親子関係であることを知って、異例ながら急遽最終選考に滑りこませ、めでたく新人賞受賞という流れがあったとか。
まぁ、あの文章ですからね。最初は蹴られても、仕方ないですね。

江國滋って誰だろうと調べますと、
1989年の『日本語八つ当たり』で小林よしのりの漫画「おぼっちゃまくん」の「茶魔語」を批判的に書き、小林とテレビ番組で対決したことが「ゴーマニズム宣言」の前身「おこっちゃまくん」(第1巻に収録)に書かれている。(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
だそうです。ふーん。


さて漫画界は、どうなんでしょう? あんまり詳しくないんですが(そもそも漫画業界の歴史が、まだ浅いし)、それでも神様は忘れてはいけないでしょうね。
 :手塚治虫(漫画家)
 :手塚眞(ヴィジュアリスト)
ヴィジュアリストってなに?


実業界では、
 :堤康次郎(実業家)
 :堤義明(実業家)
今、もっともホットですね。


芸能界は、挙げだしたらきりがないですね。とりあえず、ここらへんで。
 :三田佳子(女優)
 :高橋祐也(地下室)

 :石田純一(タレント)
 :いしだ壱成(大江戸ロケット)

スポーツだと、
 :長嶋茂雄(プロ野球選手)
 :長嶋一茂(読売ジャイアンツ球団代表特別補佐)

 :野村佐知代(サッチー)
 :野村克則(プロ野球選手)
てなところか。相撲とかオリンッピク関連になると、これもきりがないですな。


で、黒澤明の「乱」です。
ストーリーは、三人の息子に国を託そうとした梟雄の悲劇。シェークスピアの「リア王」を下敷きにしているそうです。(が、僕は未読です)

画面には終始緊迫感がみなぎり、物語の展開も速く、冗長だった「影武者」よりも、優れているのでは?

ちょっと主人公の秀虎のメークが派手すぎるのが気になりましたが、まぁ、これは彼の狂気を際立たせようとするためなんでしょうなぁ。


で、この作品では監督の息子さんの黒澤久雄がプロデューサーとして参加しているんですよね。

物語では親子、兄弟、夫婦が組んず解れつで醜く戦うのですが、こういう肉親が争うような父の作品を手伝うというのは、息子としてはどういう気分なんでしょう?

 :黒澤明(映画監督)
 :黒澤久雄(プロデューサー)


今回は前振りが無駄に長くなってしまい、淀川長治のように「作品がつまらないのから、適当な話をくっつけて文章を無理に長くしているのか?」と思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
特に戦闘シーンの迫力あるものに仕上がっておりますので、よろしければ是非。




東宝

このアイテムの詳細を見る

アンドリュー・アダムソン/ヴィッキー・ジェンソン「シュレック」

2005-03-09 16:52:05 | 映画評
醜男と美女の組み合わせはともかく、美男子と醜女は大変そうだなぁ


お笑いを起用するのは、作り手にとっては「キャラがはっきりしている」とか「ある程度の注目が期待できる」という利点があるんでしょう。
しかし本職が演じていないので、時には強烈な賛否両論が巻き起こったりします。

北野武なんか出演する度に「どうだろう?」という意見が毎回出ているように思えますが、個人的には「これが味だな」と観念しております。


で、遅まきながらドリームワークス製作の「シュレック」を見ました。

敢えて日本語吹き替えで見たのですが、主人公シュレックの声である浜ちゃんはどうだろう………。「ファインディング・ニモ」の木梨憲武は、情けない父親を好演していただけに、この棒読みは、うーむ。
さらにシュレックの相方が、芸達者な山寺宏一だから、さらに際立つ。


物語は、怪物とみんなから恐れられているシュレックが、ファークアード卿に命令されて、フィオナ姫を救いに行くというもの。で、美しいフィオナ姫と醜いシュレックが、徐々に良い仲になって、最後には「肝心なのは容姿ではなくて、心だ」ということで、二人が結ばれるというオチ。

敵役はファークアード卿になります。それとシュレックを好対照にするため、互いの住まいは、こんな感じになっております。
名前種族住まい
シュレック怪物沼地自然不潔混沌
ファークアード卿人間人工清潔統一


このファークアード卿が住んでいる城が、モロにディズニーランドでね。

CGアニメといえば、ピクサー。ピクサーと言えば、ディズニーです。
「敵はディズニーランドにあり!」
ということらしいです。
ドリームワークスの気概が伝わってくる設定です。

「バグズ・ライフ」「アンツ」とかでいろいろあったからね。

もともとディズニーの重役だったジェフリー・カッツェンバーグが、ドリームワークスに鞍替えしたあたりから、きな臭い噂がありまして。その当時のディズニーは、ピクサーと一緒に「バグズ・ライフ」を製作中。ジェフリー・カッツェンバーグは、そのコンセプトを引越しの土産として持ち出し、ドリームワークスで「アンツ」をつくったんじゃないかと言われております。
…………が、そんな悪評を立てられた上に、一般的な評価は「バグズ・ライフ」に軍配が上り、さらに興行収益も負けたみたいです。

そりゃ、ディズニーが憎いよね。

で、そのジェフリー・カッツェンバーグは、「シュレック」では製作として携わっております。


そんな大人の愛憎もほのかに漂う、素敵な作品でした。


シュレック

ドリームワークス

このアイテムの詳細を見る