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レイモンド・チャンドラー/村上 春樹「ロング・グッドバイ」

2007-10-30 19:55:13 | 書評
さて、ノーベル賞はとれるかな?


レイモンド・チャンドラー/村上 春樹「ロング・グッドバイ」を読了。

レイモンド・チャンドラーは初めてだったのですが、すごく面白かったです。


「今のハードボイルドって、ここから出発しているんだ」
と感心。

しかも、影響を受けたどの作品も、オリジナルを越えているとは言い難い(「マークスの山」も、このレベルが目標だったのだろうが、やはり追いついているとは言い難い。…………もっとも、小説単体としては、「マークスの山」も十分に面白いけど)。

人物造形の巧みさ…………主人公の独特の有り様は、凡百の近寄りがたいものとなっています。

が、あまりにも行き過ぎたせいで、村上春樹が言うように「夢のような」人物になっています。

リアルなのに、まったく現実存在を許されない不思議なキャラです。


しかし、最後のオチは、ストーリー上、そういう落としどころを用意しなくてはいけないのは理解できるのですが、どうにも納得できないと感じてしまうのは、僕だけでしょうか?

「えぇー生きてるの? お前は死んでからこそ、意味のあるキャラじゃんか!」


村上春樹氏の作品の感想。
村上春樹「アフターダーク」
村上春樹「海辺のカフカ 上巻」
村上春樹「海辺のカフカ 下巻」

スコット・フィッツジェラルド/村上春樹「グレート・ギャツビー」
J.D. サリンジャー/村上春樹「キャッチャー・イン・ザ・ライ」


ロング・グッドバイ
レイモンド・チャンドラー,村上 春樹
早川書房

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