すんけい ぶろぐ

雑感や書評など

李相日「フラガール」

2007-06-27 21:46:43 | 映画評
結局、お涙ちょうだいなのだが…………


李相日「フラガール」を見ました。

監督って、「69 sixty nine」の人か。

あれも悪くはなかったけどね。


しかし、見始めた瞬間から、最後のシーンが想像できる映画です。

下手くそだった女の子たちが、なんだかんだで上手になって「圧巻の踊りシーン」で終わるな……………。そして、その通りした。

「ウォーターボーイズ」以降、こういうパターンが多いね。


が、この映画のすごいところは、「ウォーターボーイズ」どころではない!

親子の確執、友人との別れ、ダンス教師と生徒の反目、親との死別、プロの気構え……………等など、ないものと言えば、恋愛くらい(まぁ主人公の兄さんと、ダンス教師の間に、ちょっと臭わせるものがありますが)。

「ALWAYS 三丁目の夕日」以降の、ノスタルジーブームもちゃんと盛り込み、…………これだけ盛り込んでおきながら、ちゃんとまとまっているところが素晴らしいです。


が、「69 sixty nine」よりも、「よくできているなぁ」と感じたところは、周りの無理解をしっかりと描いているところ。

「69 sixty nine」は、最終的にはのん気な青春映画になっていたけど、「フラガール」では炭鉱の閉鎖という重い事実を設定にしっかりと加えることで、否応なく起こる新旧世代の対立が表現されております。

これによって、「ノスタルジー」を描きながらも、現代の早い潮流・IT社会に乗れない世代の共感をも狙っているわけですな。

あざとい!


が、最終的には、なにがイイって、「蒼井優」なんですどね。

「高校教師」に出ていたころは、
「なかなか独特な美人で、得難い人材だが、さて、こんな汚れ役をやったら、次があるか?」
と思っていましたが、見事、「フラガール」の成功で、若手の有力候補に名乗りを上げた形に(上戸彩が、どんどん評判を落としていることは、この際、つっこまないでおこう)。

今、22歳?。撮影当時は20か21って、とこかな?

この年代にしては、ちょっと幼い感じがあるけど、その「幼い」感じのある彼女が、ばんばん汗を流し、腰を振って踊る姿は、色気がなくて、単純に美しい。

そして、「色気がなくて、単純に美しい」からこそ、逆にエロイです。
お色気・サービスシーンがあるわけじゃないけど、彼女ダンスシーンは、なんとも言えず見事です。

松雪もよかったけどね。

こういうタイプの映画の宿命だけど、若いヒロインの肌と、どうしても比べられちゃうけど。

でも、ちょっと小じわのより始めた肌も、それはそれで、「美しい」と思える僕はオヤジだ。


李相日の他の感想。
李相日「69 sixty nine」


フラガール メモリアルBOX

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フラガールスタンダード・エディション

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清水信義「ヒトゲノム=生命の設計図を読む」

2007-06-24 22:30:05 | 書評
そういうところが面白かったりするが


清水信義「ヒトゲノム=生命の設計図を読む」を読了。

2001年に発行されたものです。

ヒトゲノムの塩基配列の解読を目的とするヒトゲノム計画は1984年に最初に提案され、1991年から始まり、2000年6月26日にドラフト配列の解読を終了、2003年4月14日に全作業を終了した。
とあるように、この本が発行された当時は、まだ作業の真っ最中です。

ですんで、途中経過の話ばかりで、ちょっと物足りない感じもします。

が、これから数百年したら、逆に貴重もなるかもね。


で、「岩波科学ライブラリー」の一冊ですから、初心者向けです。

この本も、最近読んだ「クローン動物はいかに創られるのか」「日本人になった祖先たち―DNAから解明するその多元的構造」に比べると、読みやすいです。

が、最後の最後になって、政府のゲノム政策批判が羅列!

うわぁー、まったく関係ない話になっとるがな!

そんなの、素人にしてどないすんねん!


が、そこが笑えました。

著者は慶応の先生。

やっぱ私立は、いろいろと大変なのね。


最近読んだ科学関係の本。
■今井裕「クローン動物はいかに創られるのか」
■篠田謙一「日本人になった祖先たち―DNAから解明するその多元的構造」
■堀田凱樹・酒井邦嘉「遺伝子・脳・言語―サイエンス・カフェの愉しみ」


ヒトゲノム=生命の設計図を読む

岩波書店

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塩野七生「ローマ人の物語 (28)」

2007-06-23 22:00:09 | 書評
なし


特に感想なし。


これまでの感想。
塩野七生「ローマ人の物語 (17)」
塩野七生「ローマ人の物語 (18)」
塩野七生「ローマ人の物語 (19)」
塩野七生「ローマ人の物語 (20)」
塩野七生「ローマ人の物語 (21)」
塩野七生「ローマ人の物語 (22)」
塩野七生「ローマ人の物語 (23)」
塩野七生「ローマ人の物語 (24)」
塩野七生「ローマ人の物語 (25)」
塩野七生「ローマ人の物語 (26)」
塩野七生「ローマ人の物語 (27)」


ローマ人の物語〈28〉すべての道はローマに通ず〈下〉

新潮社

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今井裕「クローン動物はいかに創られるのか」

2007-06-21 07:11:16 | 書評
漢らしい


今井裕「クローン動物はいかに創られるのか」読了。

タイトル通りの本です。
1997年11月発行なんで、ちょっと古いです。

今のレベルからすると、間違って記述があるかも。


まぁそれはともかく。

それ以前の問題で、素人には分かり難い本でした。

オレがバカなだけかもしれんが。

もうちょっと噛み砕いて記述して欲しかった。


まぁそれはともかく。

それ以前の段階で、著者の立場が、あまりにも、けっこう明解で笑える。

「科学バンザーイ!」と言わんばかりで、遺伝子操作やクローンを生み出すことに対して、この人、微塵も後ろめたさを感じていない。

「どうせ科学は進歩するんだから、とどまってどうするんじゃー、ボケェー」
という男らしいスタンス。

神の領域を犯すという倫理的なおののきは、まったくねぇよ。

見事な専門家です。

テレビコメンテーター的なうそ臭い「現代への警鐘」を無理矢理さしこむよりは、これくらいの方が好感が持てるけどね。


クローン動物はいかに創られるのか

岩波書店

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塩野七生「ローマ人の物語 (27)」

2007-06-17 21:46:29 | 書評
簡潔


塩野七生「ローマ人の物語 (27)」読了。

最近、つとにこのシリーズへの思い入れが欠けているの実感するが、この巻は、さらに、薄情になりました。

だって、道路の話がメインなんですもの。


感想、終わり!


これまでの感想。
塩野七生「ローマ人の物語 (17)」
塩野七生「ローマ人の物語 (18)」
塩野七生「ローマ人の物語 (19)」
塩野七生「ローマ人の物語 (20)」
塩野七生「ローマ人の物語 (21)」
塩野七生「ローマ人の物語 (22)」
塩野七生「ローマ人の物語 (23)」
塩野七生「ローマ人の物語 (24)」
塩野七生「ローマ人の物語 (25)」
塩野七生「ローマ人の物語 (26)」


ローマ人の物語〈27〉すべての道はローマに通ず〈上〉

新潮社

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篠田謙一「日本人になった祖先たち―DNAから解明するその多元的構造」

2007-06-14 21:28:57 | 書評
しかし、本を読んでいない


篠田謙一「日本人になった祖先たち―DNAから解明するその多元的構造」を読了。

自分で言うのもなんだが、不思議な本を読んでいるな。


内容はタイトル通り。

ミトコンドリアDNAをもとに、アフリカを発祥として、人間がどのように拡散していったのかを丁寧に書いております。

が、これが丁寧すぎて。

もう少し、ざっくり語ってもいいのでは? と思いながら、読んでいました。

が、著者がまじめ過ぎるのか、あまり自分の意見を押し付けることなく、淡々と研究方法とその結果を語っており、あまり歴史解釈やプチトリビアなどが披露されることはないです。

だから、報告書を延々と読まされているようで、ちょっと飽きる。


でも、素人が読んでも分かるように書いてあるけどね。


日本人になった祖先たち―DNAから解明するその多元的構造

日本放送出版協会

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塩野七生「ローマ人の物語 (26)」

2007-06-01 21:04:48 | 書評
しかし本を読んでない…………し、読んでも直ぐに忘れてしまう


塩野七生「ローマ人の物語 (26)」を、かなり前に読了。

特に感想ないです。


松岡議員が自殺したね。
誰も「惜しい人を」と言わないところが、素晴らしい!


これまでの感想。
塩野七生「ローマ人の物語 (17)」
塩野七生「ローマ人の物語 (18)」
塩野七生「ローマ人の物語 (19)」
塩野七生「ローマ人の物語 (20)」
塩野七生「ローマ人の物語 (21)」
塩野七生「ローマ人の物語 (22)」
塩野七生「ローマ人の物語 (23)」
塩野七生「ローマ人の物語 (24)」
塩野七生「ローマ人の物語 (25)」


ローマ人の物語〈26〉賢帝の世紀〈下〉

新潮社

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