すんけい ぶろぐ

雑感や書評など

ダグ・リーマン「ボーン・アイデンティティー」

2006-01-31 19:01:45 | 映画評
適当な暇つぶしには、いいのかなぁ~


念願…………と言うほどでもないですが、ようやく「ボーン・アイデンティティー」を見ました。(ストーリーが気になる方は、こちらをどうぞ)

間違って見てしまった「ボーン・コレクター」よりは、まぁ、面白かったですが。

が、あくまでも比較の問題。
「ボーン・スプレマシー」という続編も出ているのですが、……………続編を出すほどのデキかな?


そもそも漂流していたところを漁船に助けられる後の、序盤からして「うーむ」と思ってしまった。
だって、その後、親切にしてくれた男(船医?)が、背中に銃撃戦の傷を残している記憶喪失の男に対して、金だけやって、追い出すんだもの。
せめて「記憶が戻るように医者を紹介する」とか「命の危険があるから、警察に連れて行く」というのが当たり前だろ?

その他にも、暗殺者としての能力を脊髄にまで染みこませている割には、身元が既に把握されている女の案内で黒幕に居場所を特定されてしまったり、その黒幕の乗る車にいとも簡単に発信機をつけることに成功したり……………等々「?」というシーンが多く、ヒロインもさして魅力あるキャラとして描かれておらず、なんつーか、その程度の映画。

マット・デイモンを見たい人向きです。


ボーン・アイデンティティー スペシャル・エディション

ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

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トリノ冬季オリンピック日本選手団にエールを送ろう

2006-01-29 08:58:09 | 雑感
人の幸せが妬ましい


ヤフーでトリノ冬季オリンピック日本選手団にエールを送ろうということで、「フォトモザイク」の素材になる写真を募集しております。

しかし、この手の応募にはよくあるこでしょうが、かなり適当な写真が集まっているなぁ。(一覧は、こちら)


■子供の写真が多いんですが、これはいただけない。
やる気ねぇ~

■後、ペットの写真もあるんですが、これもどうかなぁ。
せめと哺乳類を………

■なぜ?
古い写真だな

■優勝
あの観光地にある、穴の開いたベニヤに、顔を突っ込むタイプだな

■見事
綺麗な写真だ

■あぁなるへそ
よくある写真

■こういうのは子供がぐれる原因になるから、お母さんはちゃんとデータを消しておけよ
ディープ

■?
手?


まぁなんつーか、基本的に全部の写真が、幸せを絵に描いたようなものばっかりで、飽き飽きだ。
あと、こういうのに、自分の写真を送るオッサンは、どうかと思うぞ。

マーティン・スコセッシ「タクシードライバー」

2006-01-25 08:53:20 | 映画評
負け犬なロバート・デ・ニーロ(あの芸人さん、もう見なくなったなぁ………)


以前に中谷陽二「精神鑑定の事件史」を読んで以来、気になっていた「タクシードライバー」を見ました。(「タクシードライバー」のストーリーはこちらから、どうぞ)


結論としては、………うむ、ヒンクリーが「どれほど恐ろしい暴力でも報われる」という気分になるわけだ。

あれだけ殺しておきながら、無罪放免だからな…………。
そんなこと、あるわけないじゃんか。

しかも、売春窟に突入する前に、大統領候補の暗殺に失敗しているし。
いくら暗殺未遂とは言え、シークレットサービスに顔を覚えられているんだから。

よくて精神病院行きだろ。


12歳のジョディー・フォスターの役は、非常に妖艶です。
娼婦という性的魅力をアピールする格好でありながら、肉体的には未成熟な少女という、相反する要素を詰めこんでおります。
「あぁ…………、ある種の男性(の股間)に直撃だろうなぁ」
というのは分かりました。

ヒンクリーが「どれほど恐ろしい暴力でも報われる」という気分になるわけだ。


ともかく、何者でもない自分への苛立ちというものが、ちょっとご都合主義的にではありますが、まずまず上手に描けておる作品でした。


タクシードライバー コレクターズ・エディション

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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山本祐介「ケロロ軍曹 (5)」

2006-01-24 08:49:29 | 映画評
「いきなり団子」って、そんなにメジャーなもんなのか?


例によって、「ケロロ軍曹」のDVDを、暇なときに見ております。
現在、第五巻。


しかし、ギロロが夏美を好きだと言う設定。
まぁ、よくある設定だけど。

しかし、夏美の水着姿に興奮するギロロというのは、いかにもアニメ的だよなぁ。


「ドラえもん」でも、ドラえもんの彼女は現実の猫。
「ロボットに恋愛感情があるんかい? しかも機械が生物に対して」
という謎もあるのだが、それ以上に不思議なのが、ドラえもんが静香ちゃんの入浴シーンを見ると、のび太と一緒に頬を赤らめるんだよね。

ドラえもんの思考回路をつくったプログラマーは、かなり複雑なもんを組んだなぁ(または、かなり屈折してる)。

自分とは種族が違う生物に対して性的に興奮するなんて、ある意味、獣姦みたいなもんだよなぁ。


「ケロロ軍曹」の感想。
山本祐介「ケロロ軍曹 (1)」アニメでは、どんなアングルでもパンツが見えないようになっているなぁ
山本祐介「ケロロ軍曹 (2)」ケロロが「父」の肩代わり…………ということは、ないな
山本祐介「ケロロ軍曹 (3)」安易に「夢オチ」にしないようにしましょう
山本祐介「ケロロ軍曹 (4)」「なんか話がつながらないなぁ?」と思ったら、先週号を買い忘れてるじゃんか!


ケロロ軍曹(5)

バンダイビジュアル

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大場つぐみ/小畑健「DEATH NOTE (4)」

2006-01-23 08:06:18 | 書評
レムの腕は巨人兵みないだな


弥海砂の登場で、さらにストーリーが複雑化する「DEATH NOTE」の第四巻。

まぁ今さら、何か感想を書くのもアレなんで、軽いつっこみだけ。

いずれ殺す子だ…
情が移る様な事が
あってはならない
馬鹿は大体それで
失敗するんだ
大場つぐみ/小畑健「DEATH NOTE (4)」105頁 集英社
相変わらず、夜神月は女性嫌いですこと。

この場合の馬鹿は、具体的に誰を指しているのだろう?
ナポレオン? 玄宗皇帝?


これまでの感想です。
大場つぐみ/小畑健「DEATH NOTE (1)」藤原佐為は囲碁の得意なスタンドだったが、リュークは死を操るスタンドだな
大場つぐみ/小畑健「DEATH NOTE (2)」不細工でもエッチが上手だともてるようなことが言われるが、そもそも不細工ではエッチまでもっていくのが大変だよなぁ
大場つぐみ/小畑健「DEATH NOTE (3)」ゆっくりと読んでおります


DEATH NOTE (4)

集英社

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フランス書院で正社員・契約社員を募集

2006-01-17 19:47:23 | 雑感
がんばれ、新卒!


以前、フランス書院で、アルバイト募集という記事を書きましたが、今度は正社員募集です。

ネットでのアルバイト募集が、好評(効果的?)だったのでしょうか?

ちなみに、募集内容は、こんな感じ。
【募集職種】
(1)正社員
(2)契約社員


【応募資格】
(1)4年制大学卒以上の編集経験者。但し、当社の出版物に興味があり、フランス書院でコミックを編集したい強い意欲がある方は、異業種、第2新卒者も可。30歳位まで。
(2)学歴、経験、年齢不問。コミック編集に意欲のある方。(入社後の正社員登用実績あり)


【応募書類】
1)履歴書(写真添付・メールアドレス必須)
2)当コーナー下にある【フランス書院からの質問書】(PDF)を印刷し、そこへ記入した上で履歴書に同封し、「株式会社フランス書院・編集部採用係」まで郵送。


【待遇】
(1)(2)とも、当社規定による(但し、経験・実績により優遇)。社保完備。交通費全額支給。完全週休二日制。


【応募〆切】
2月6日(月)まで(当日消印有効)。書類到着次第選考しますので、お早めに応募いただければ、順次試験を行います。(応募の秘密厳守)


【宛先】
株式会社 フランス書院 編集部採用係
 〒112-0004 東京都文京区後楽1-4-14


【問い合わせ先】
株式会社 フランス書院
 TEL 03-3818-3118(編集)
「4年制大学卒以上の編集経験者。但し、当社の出版物に興味があり、フランス書院でコミックを編集したい強い意欲がある方は、異業種、第2新卒者も可。30歳位まで」か。一応、受けられないこともないな。「コミックを編集したい強い意欲」はないけど。

ちなみに、文中にある「【フランス書院からの質問書】(PDF)」の内容は、以下。
【質問1】フランス書院コミック編集を志望する理由
【質問2】入社したらどんな本をつくりたいか
【質問3】フランス書院の出版物で読んだ本の題名
【質問4】趣味/特技
【質問5】現在、使用しているパソコンの機種、パソコン歴、主に使用しているソフト
【質問6】普段よく読む雑誌
「【質問2】入社したらどんな本をつくりたいか」は、けっこう恥ずかしいなぁ……………。性癖まる分かりだよ。


今回も性別は問わないようです。

女性の社会進出が当たり前となった昨今。
いまだ女性が未踏破の分野に飛び込んでみるのも、よろしいのでは?

アンドリュー・アダムソン/ケリー・アズベリー「シュレック 2」

2006-01-14 08:34:25 | 映画評
やっぱり浜ちゃん下手だわ。もとより演技もアレだから、声優が上手いわけないのだが、しかし…………


熱が出まして。
久しぶりに38度を突破して、会社を休んでも、非常に罪悪感のない病欠を完遂できました。

で、そんな具合の悪い中、「あんま難しいのは勘弁」ということで「シュレック2」を見ました。

適当に面白かったです。

が、物語の骨格は、前作とまったく同じだねぇ~。(新キャラのネコを追加する意味は、あったか?)

面白ければ、それでいいんだろうけど。


しかし、アメさんはセル(もう実際には、セルには書いてないのだろうけど)のアニメは諦めたのか? もう日本には勝てないと、観念?
確かに、CGアニメにはCGアニメ独特の美しさ・面白さがあることは認めるけど、こうもCGアニメを乱造する必要はあるのかなぁ………。

日本のアニメが世界に認知された一つの要因として、主人公の頭髪が青やピンクという「無国籍性」が言われているけど。
CGアニメにすると、「無国籍性」を容易に獲得できるからかなぁ?

ハリウッド映画でも「ほーれ、世界一豊かな国でつくった、夢いっぱいの映画だよぉ~」というものよりも、「どこが産地かさっぱり分からんから、あんたらも安心して見られるでしょ?」という側面が、今では重要なのかな?
うーぬ。

まぁCGという形式が、おとぎ話的異世界をつくりやすいというのはあるだろうなぁ。

とても「人狼」や「攻殻機動隊」といったハードな世界を、CGオンリーでは描けるとは思えんし。
実際「アップルシード」は、「うーむ」だったなぁ。


前作の感想。
アンドリュー・アダムソン/ヴィッキー・ジェンソン「シュレック」醜男と美女の組み合わせはともかく、美男子と醜女は大変そうだなぁ


シュレック 2 スペシャル・エディション

角川エンタテインメント

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中沢新一「カイエ・ソバージュⅡ 熊から王へ」

2006-01-13 08:50:29 | 書評
「文明」を享受することは罪なのでしょうか?


中沢新一の「カイエ・ソバージュ」シリーズ第二巻「熊から王へ」を読みました。


面白かったです。

今作は、「国家」(イメージとしては「帝国」という言葉の方があっているかもしれません)という巨人をつくりあげてこなかったコミュニティーの秘密に迫るというのがメイン。

その例としてインディアンや日本のアイヌ、アムール川の狩猟民族を挙げています。

非常にかいつまんで話すと、インディアンなどの社会は「対称性社会」とされ、それが日常の現実問題を平和裏に解決する「首長」と、非常手段を使って現実問題を強制的に解決する「戦士」と、非日常の世界との媒介となる「シャーマン」の役割が分離されており、それが一人の手に渡ることはなかった。

で、その三役が集中しなかったことが「国家」を生み出さなかった要因であり、その理由というのが、…………叡智? 理性? 文化?

 私たち人類の知的能力は、こうして「野生の思考」と超越をめぐる「宗数的思考」を、同時に発生させる可能性をもつことになります。それはちょうど、おなじ熊が人間の自然界における最良の友であるとともに(熊の社会と人間の社会を重ね合わせて思考する能力)、人間を呑み込み、食べ尽くして破壊する、自然の奥に秘められている権力をあらわす「人食い」動物でもあったことに、対応しています。対称性社会の知恵は、このように二つの方向に分裂していこうとする思考の傾向にバランスをあたえて、脳の働きがどちらかに偏った暴走をはじめないように、注意深い配慮を続けたのでした。
 対称性社会の知恵が実現していたバラソスには、絶妙なところがあります。それは自分の脳のなかに、人間を越える「超人」の種が植え付けられていることを知りながら、それが発育できる空間と時間に、厳しい限定を加えようとしています。私たちが取り上げてきた例で言えば、それは「ふゆ」という季節と祭りのおこなわれる空間の内部とに、限定していたのです。流動的知性が開く「超人」への可能性は、さまざまな仮面があらわす「人食い」の精霊をとおして、人間に向かって大きく口を開いたのですが、「ふゆ」の終わりとともに、その昂揚した時間と空間は消え失せなければならないことが、定められていました。
 こののとき「入食い」が人間の世界に持ち込んでいる自然の権力は、祭りの間中そこをシュールレアリスティックな芸術的昂奮で埋め尺くしたあとは、世俗的な社会の中に絶対に侵入してはならないように決められていました。権力は、丁重な扱いで、ふたたびもとの森の奥に返されていきます。
 同じように、戦士もシャーマンも、身につけた特別な能力を社会の中心部では発揮できないようになっています。戦争のリーダーは、特別な戦争の時間と空間においてだけ権力をあたえられるのであり、シャーマンの超能力も首長の理性の管理下におかれていなければなりません(シベリアでは、首長とシャーマンの対立を、首長タイプの「白いシャーマソ」と限界を越えて暗黒の領域に接近していく「黒いシャーマン」の対立で表現しているケースを、よく見かけます)。
 対称性社会では、このように人間は理性の表現である「文化」を生きる動物なのであり、権力は理性を超越するものとして、「自然」の領域にあるものでなければならなかったのです。そこでは、王も国家も、発生できない仕組みになっています。
中沢新一「カイエ・ソバージュⅡ 熊から王へ」192~193頁 講談社選書メチエ

ちょっと、分かりづらいかな?


「国家」という非文化的な野蛮な装置を持たずに構成された社会について熱く語られており、ともかく示唆に富む本でした。


が、ちょっと、「うーん、いいのか、これで?」と思うこともあったのも事実。

まぁね。
世界を覆う圧倒的な非対称を内側から解体していく知恵
中沢新一「カイエ・ソバージュⅡ 熊から王へ」218頁 講談社選書メチエ
を模索しての文章なので、前巻の感想でも書いたように「国家=悪」という前提で話をしているのは仕方ないのでしょう。

……………けれども、エコロジストが文明を否定しながら、文明の利器を利用しているのを見るような、ちょっと釈然としない気分にもなります。

「対称性社会は素晴らしい!」
と作者は主張するものの、
「おいおい、ああいう社会には、ああいう社会の不便さや理不尽があるんじゃないの?」
と意地悪なことを思ってしまいます。

が、あくまでも現代社会へのアンチテーゼを提案したいのだから、そいうことは触れなくていんだろうけど、…………ね。


僕個人としては、「王立宇宙軍 オネアミスの翼」のように、人の罪深さを自覚しつつも、進歩していくしかないないんだろうなぁと考えてしまうけど。


「カイエ・ソバージュⅠ」の感想は、こちら。
中沢新一「カイエ・ソバージュⅠ 人類最古の哲学」副題が思いつかんな…………


熊から王へ―カイエ・ソバージュ〈2〉

講談社

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