すんけい ぶろぐ

雑感や書評など

西原理恵子「ぼくんち 全」

2005-06-27 08:35:22 | 書評
高野聖ーナは、まだ頑張ってる?


中上健次の「枯木灘」を読んだときは、「うーむ。これは、日本か?」と思いましたが、みなさんは、どう感じたでしょう?

まぁ私小説的であっても、私小説ではないのですから、あの話が、そのまんま100%現実と照応するわけじゃないのでしょうけど。

もっとも事実がどうあれ、すごい小説でした。


で、「ぼくんち」。
スピリッツで連載されていた作品。タイムリーに読んでいました。

全話が一冊の本にまとまったものがありましたので(安いですが、その代わり白黒)、読んでみました。

海の堤防にそってずっとずっと歩いて、
ちょうどぼくんちの正反対のどんづまりに、
数十軒のつらなった飲み屋街がある。
そのほとんどが木造で
一階がお店、二階が寝とまりする部屋。
みんなどの家も、どの家かによりかかって建っている。
たとえば右はしでもまん中でもどれか一軒がたおれたら
この飲み屋街全部がぶっつぶれるんだと思う。
西原理恵子「ぼくんち 全」第62話 小学館
そんな日本があるのでしょうか(あったのでしょうか)?

でも、全部の話を読んでいくと、なんとなく、そんな世界が、あるような(あったような)気になってきます。


そう言えば、観月ありさ主演で映画化されたけど、どうだったんだろう?(個人的には、小池栄子あたりが主人公にあっていると思います。観月ありさだと、風俗嬢の影がでないような………)

あんまり話題にならなかったなぁ。
やっぱ、なんとも幻想的な、この貧乏世界は、西原理恵子の筆致で表現できるのであって、現実の映像では厳しかったか?


ぼくんち 全

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