すんけい ぶろぐ

雑感や書評など

フランク・ロッダム「さらば青春の光」

2005-06-22 11:52:33 | 映画評
「青春の光」って、なんだ?


「さらば青春の光」。

典型的な洋画の青春不良映画。


家族とは軋轢があり、単調な仕事に面白みを見出すこともできず、毎晩のようにバイクで町に繰り出して、薬と酒に溺れている主人公。仲間とバカ騒ぎをしているときは楽しいが、心のどこかで虚しさを感じている。

映画の中では、モッズとかロッカーが登場して、当時の風俗が良く分かります。
が、この風俗以外や、劇中に流れる音楽以外は、特に際立った個性はありません。

そもそも、青春不良映画となりますと、オチは決まっています。
 ・世界と妥協して、真面目に働くようになる。(たいていは、純真な女性との出会いが、主人公の立ち直りの契機となる。一応の大団円)
 ・世界を認めることができず、妥協できないまま破滅する。(自殺で終わるとか、精神に異常をきたすとか、旅に出るとか。つまり悲劇)
 ・チャンスをつかんで、自分の隠れていた才能が世界に認められる。(ご都合主義。日本の漫画に多いパターン)
さらに、「夢オチ」というパターンもありますが、まぁ、これは素人には危険な超絶技ですので、割愛します。


で、オチ。
不良の鑑と思っていた自分のヒーローが、実生活では一般人であるという、「当たり前」の現実を主人公は目にします。
そして、そのヒーローだった彼のバイクを破壊すると言う象徴的な行為で映画は終わりです。


つまらない真人間になってしまうような気もするし、社会の裏表全てに絶望し、薬で死んでしまうようにも思える最後でした。


さらば青春の光

ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

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