すんけい ぶろぐ

雑感や書評など

小栗左多里/トニー・ラズロ「ダーリンの頭ん中」

2005-06-24 08:31:47 | 書評
前半はカラーなのに、なぜ後半は白黒?


高校時代の話。

無残な英語の成績を見た教師が、
「もうちょっと勉強しろ」
と。まだまだ生意気な盛りだった僕は、それに対して、
「どうせ英語を使うような仕事につかねーよ」
と吐き捨てました。すると、教師は僕の腕をつかんで、こう言いました。
「十年後に、もう一度言ってみろ!」

それから、十うん年経ちました。

結局、英語を使うような仕事はしていません。
が、英語がもう少しできたら、もう少しマシな進学をして、もう少しマシな仕事を見つけて、もう少しマシな人生をおくり、もう少しマシな人間になっていた…………かもしれません。

まぁ、完璧に幸せとは言えませんが、「こんなもんか」くらいには思える日々を過ごせております。


で、「ダーリンの頭ん中」。

既刊の「ダーリンは外国人」が好きで、続編(姉妹編)にあたる本書も買ってみました。

「ダーリンは外国人」では、外国人の夫をもった作者が、その結婚生活をユニークに描いています。
一応、異文化交流の面白さがメインとなっているのですが、ちょっと変わり者の旦那さんのキャラクターが、さらにいい味を付け加えておりました。

が、どうも外国語が苦手(というかアレルギー)ということで、「ダーリンの頭ん中」は、前作ほど楽しくは読めませんでした。


それでも、「へへぇー」と思う箇所も多かったです。

来日二十年になる旦那のトニーは、「イタリア」と「ハンガリー」のハーフです。
そんな彼が、こんなことを言っています。
ボクねぇ
今まで「あいまい」より「ハッキリ」の方がいいと思ってたんだけど
「あいまい」の方が健康にいいような気がしてきた!!
「あいまい」って使ってる方はストレスがたまらないよね(交渉の席ではウケが悪いけど)
小栗左多里 & トニー・ラズロ「ダーリンの頭ん中」99頁 メディアファクトリー
二十年も日本にいると、外国人でも、そんな風に考えるもんなんですねぇー。


語学嫌いを治したいと思っている方には、ちょうどいいのでは?


ダーリンの頭ン中

メディアファクトリー

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