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小の月、二月。

2023年02月03日 | 【海外校 アメリカ地区】

 こんにちは、駿台ミシガンです。

 57577の短歌があるいっぽうで、長歌もあります。57575757……77、これが長歌です。でも、短歌がいまでも人気があり、「短歌甲子園」というのもあるほどなのに、長歌は平安時代には下火になりました。短く、小さく、そのなかでいかに詠むか、という短歌の内包するチャレンジ精神に軍配があがったかたちでしょうか。

 小さいものをよしとするのが日本文化だと、まことしやかに言われますが、小さいもの好きはわが国の専売特許などではなく、欧米でも小さいものを愛でる精神が、そこここで見られます。

 たとえば、ルネサンス期などでよくみられるトリプティックは、もともと教会に据えられた大型の観音開きになる祭壇画のことですが(キリスト教のことを説明するのに「観音開き」、ちょっとおもしろいなと思いました)、これを手帳ほどの大きさにしつらえたものが、王侯貴族の間で流行しました。信仰心を携帯できる至便性とともに、小さく贅沢に作りこんだトリプティックは富の象徴でもあったのです。

 ここ米国は、様々なものがでっかいという感じの国ですが、でも小さいものを愛でる感性もちゃんとあります。禁酒法の時代には、「ひとなめグラス」というのがヨーロッパから持ち込まれました。もともとは、酒一杯の値段がワンショットいくらというふうに決まっているところに、それなら酒の量をごく少なくして、それでワンショットの酒代をもらってしまえ、という酒場の悪知恵から、グラスをうんと底上げして作られた、それが「ひとなめグラス」です。米国では禁酒法の時代下で、ほんのちょっぴり酒を飲むために、このグラスが使われました。

 禁酒法ついでにいまひとつ、米国には「ドライ・カウンティ(禁酒郡)」というのがあります。酒の販売を禁止したり、その場での飲酒を禁じたりしている郡のことで、これが現代でも米国の、主に南部のほうに多くみられます。道路を隔てて向こうがドライ・カウンティという所では、道路のこちら側にたくさんの酒屋がありました。店に入ると、いろいろな酒のミニチュアボトルがずらりと並んでいます。道路の向こうの住人が、道路のこちらに渡ってきて、小さな酒のびんをきゅっとあおって、また道路の向こうへ帰っていくのだろうなあ、などと思ったものでした。おや、米国記事は「酒・小」に特化してしまいました。

 二月になりました。「大は小を兼ねる」ということわざもあるけれども、小さいものを応援してやりたくなる、二月、小の月です。

     駿台ミシガン国際学院 S.T


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