サミーハウスblog出張所

地元にゲーセンが無い田舎ゲーマーの数少ない日々の記録

初代ダライアスの音

2013-06-11 23:36:06 | ゲーム(アーケード)

 熊本でのイベントや訪問時その他でちょくちょく活躍している初代ダライアスですが、入手してからずっと気になってる事で、YM2203(FM&SSG)MSM5205(ADPCM)での音量バランスが、『サントラと比べて極端に異なっている』と言うのがあります。

 『COSMIC AIR WAY』などADPCMドラムが鳴ってるBGMで、サントラやネット動画の実機収録分で聞く限りは特に違和感なく問題ありません。
 しかしうちの基板だと、ドラムの音量でFM音源のメロディが掻き消され、音量を上げると音が割れてしまい、それほど音量を上げてなくとも振動が響くほど激しく鳴ってます。かと言って、ドラムがうるさくない程度にスピーカーの音量を下げると、ドラム以外の音量も下がってBGM自体が殆ど聞こえない状態に…

Darius_sb01

 いつかどうにかして対処できないもんかと考えてましたが、今回PC-88FE2のコンデンサ&電池交換の作業を行ったついでに、あまり無茶せず出来る範囲の処置として、サウンドボード上の電解コンデンサの部品を全部交換してみることにしました。

 修理のためとはいえ、正直ダライアスの基板にハンダこてをあてるのは気が引けましたが、発売からすでに25年以上経ってるので、電解コンデンサ程度は消耗品だろうと割り切って、電動ハンダ吸い取り機で一気に取り外し…

Darius_sb02

手動のハンダ吸い取りじゃパターンを痛めそうで怖くてできませんが、電動なので大分気が楽でした。(^^;

と、思い切って全部取り外したところで、手持ちの新しい電解コンデンサに交換し、一旦机の上を片付けて基板をテストモードで起動。

 サウンドテストで聴いてみたところ、肝心の音量バランスは特に変わらないですが、FM音源の音が以前よりスッキリして、ドラムがうるさいながらも以前よりはメロディが埋もれずに聞こえるようになった感じでしょうか?

 再びサウンドボードを取り外して、次に交換してみたのがOPアンプの「TL074CN」で、OPN側に2個とMSM5205側に1個の計3個。

Darius_sb03 Darius_sb04

こっちは手持ちに部品がなかったので、別の部品と一緒に注文して後日交換。

Darius_sb05

Darius_sb06

 とりあえずOPアンプも交換した結果、以前よりボリュームを上げてもあまり音が割れなくなりました。部品交換後の音を音声端子のLINE-OUTから録音してみて、一応こんな感じなのですが他所の音と比べるとどんな感じでしょうか? ダライアスプレミアムBOX収録分と比べると、『CAPTAIN NEO』などFMだけの曲は、ほぼ同じ感じになったと思いますが…
 筐体から鳴らす分にはサントラのバランスとは異なりますが、ちょうどいい重みと聞こえ具合までには戻ったんじゃないかと。
 しかし、根本的な音量バランスは変わってませんので、あとはミキシング用の抵抗値を変えてみるぐらいしかなさそうです。もしかしてサントラでは音量バランスも調整してるんでしょうか…?

 全国の店舗で稼動しているダライアスでも、偶に音が出ない故障を聞きますが、サウンドボードでも起動中にはかなり熱が発生していて、更にあれだけの大音量を出しているのですから、かなり壊れやすい箇所なのかもしれません。

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ダライアス サウンドボード上の電解コンデンサ(全て16V/85℃)

C7:10 uF×1
C24/C27/C30/C33:47 uF×4
C39/C40:10 uF×2
C54/C58:220 uF×2
C55/C59:10 uF×2
C56/C57/C60/C61:100 uF×4
C85/C91:1000 uF×2
C90/C92:470 uF×2
C86:100 uF×1
===============
容量別
1000 uF ×2
470uF ×2
220uF ×2
100uF ×5
47 uF ×4
10 uF ×5
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PC-8801FE2の修理

2013-06-02 15:20:00 | パソコン

 先月いつものごとく熊本BAMBOOまで遊びに行ってたのですが、その際にいつもお世話になっているLさんから『起動しないPC-8801FE2』を修理目的で預かってきました。

Pc88fe2_01 Pc88fe2_02

 普通の88はあまり触ったことなく今回初めて分解してみましたが、自分の愛機である初代PC-88VAとは全く異なるコンパクトさと、無駄がないパーツ構成で驚きです。(^^;

Pc88fe2_03 Pc88fe2_04

 ツイッター上で電源は入るけど画面が出ないと症状は伺ってたので、無茶な使い方をしてないなら、普通にメイン基板上の電解コンデンサ抜けだろうなぁと思ってましたが…

Pc88fe2_05 Pc88fe2_06

本体設定を保持しているリチウム電池から周辺まで液漏れしていて、一部のパターンが腐食で断線してる状態でした。(汗) 電池の液漏れも相当なものです…

 と言うことで、この前買った電動ハンダ吸い取り機が大活躍。今まで使ってた手動の吸い取り機+ハンダこてでも出来なくはなかったですが、作業時間と効率が圧倒的に違いました。(^^;

Pc88fe2_07 Pc88fe2_08

Pc88fe2_09

 メイン基板上の電解コンデンサはFE2だと以下の通り。今回はせっかくなので105℃品で統一しました。

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耐熱85℃
C1    16V 470uF
C6    25V 22uF
C8    16V 22uF
C10    25V 22uF
C12    25V 220uF
C14    25V 22uF
C15    16V 22uF
C16    16V 100uF
C17    16V 22uF
C18    50V 4.7uF
C19    50V 4.7uF
C20    16V 22uF
C21    50V 10uF
C22    50V 10uF
C23    16V 220uF
C24    50V 4.7uF
C26    50V 4.7uF
C27    50V 4.7uF
C32    16V 22uF
C128    25V 100uF
C129    25V 22uF
C131    50V 10uF
C132    25V 100uF
C133    16V 220uF

耐熱105℃
C11    25V 22uF
C25    50V 0.47uF

======================
[使用数量・種類別]
85℃
16V 470uF    x1
16V 220uF    x2
16V 100uF    x1
16V 22uF    x5

25V 220uF    x1
25V 100uF    x2
25V 22uF    x4

50V 10uF    x3
50V 4.7uF    x5

105℃
25V 22uF    x1
50V 0.47uF    x1
-------------------
合計        26個
======================

 外したリチウム電池周辺を再度清掃して、見た目やばそうなパターンの導通をチェックしてみましたが、残念ながら1本切れてるようなので、コンデンサの足の切れ端でパターンを繋いで、新しい電池としてニッケル水素(Ni-MH)電池を取り付けました。

Pc88fe2_10 Pc88fe2_11

そして、ドキドキしながら電源オン…

Pc8801fe2_01 Pc8801fe2_02

Pc8801fe2_03 Pc8801fe2_04

無事起動しました。めでたしめでたし。

…と思ってましたが、何気に内蔵スピーカーから音が出てません。分解・修理前に実際の動作チェックをしてなくて気づかなかったのですが。(汗) 背面のRCA音声端子から繋いでるスピーカーからはちゃんと音が出てます。しばらく前面ボリュームなどあれこれ弄ってたのですが、全く音が出ない状態。

 折角組み立てた88本体でしたが、さすがに気になるので再びバラバラにして、フロントパネルからスピーカーを取り外し、手持ちの余ったスピーカーと基板上のスピーカー端子を仮に繋いでみるとちゃんと音が出ました。この小型スピーカーが故障してたようです。

Fe2speaker_01 Fe2speaker_02

Fe2speaker_03

PC-8801FE2の内蔵スピーカー仕様は以下のとおり。

FOSTER社 036S43:Φ36mm×厚さ4mm/8Ω/0.3w

W数がちょっと小さすぎるような… ツイッターで聞いた話でも、内蔵スピーカーが壊れる事例があったようです。

交換用のスピーカー同等品はマルツだとこの辺のでしょうか。
http://www.marutsu.co.jp/shohin_56485/
http://www.marutsu.co.jp/shohin_5777/

 とりあえずこのままでも差し支えは無いことも無いのですが、ここまで修理した以上やっぱりスッキリしないので、後日別の部品を追加注文する際に、代わりのスピーカーも一緒に購入。ただ、そこの店では同じサイズのが無かったので、一回り小さいけど一応近いサイズのを頼んで見たところ、

Fe2speaker_04

うーん、やっぱり取付には無理があるか…

 何とか取り付ける手段として、処分するつもりだった元のスピーカーのガワを加工してスピーカー径をアップするマウントを製作。

Fe2speaker_05 Fe2speaker_06

スピーカーとマウントの隙間をホットボンドで3点固定して何とか装着できました。

Pc8801fe2_05 Pc8801fe2_06

Pc8801fe2_07 Pc8801fe2_08

PC-88の古典的名作のBGMも、内蔵スピーカーからしっかり鳴りました。これであと10年は使えます。(^^;

○補足

 本体の設定はキーボードの「PCキー」を押しながら起動すると設定メニューに入れますが、それ以外にF8/F9/F10のいずれかを押し続けたままで起動すると、出力モードの切り替えが可能です。

F8:高解像度出力モード(24kHz)
F9:標準解像度出力モード(15kHz)
F10:ビデオ出力モード

http://121ware.com/support/product/data/spec/cpu/b027-1.html