先週の土曜日でした。
いつものように彩翠さんが一番で、二番目には東鶴さんがお稽古を受けていました。
三番目に私です。
お月謝と月例競書をお出しするためです。
そして、先生に「歩」と言う一字を書いてみたいのですが・・・とご相談しました。
こんな風になるのかな?とお持ちしました。
先生は“萬鶴さ、これは教科書の書き順の字ですね。字の語源を知るのも必要ですよ・・・”と。
先生は私の書いた字に朱を入れました。
先ず、足跡です。
右足・左足です。
次に止めると書きました。
「足」についての漢字の基本は「止」です。
「止」は足跡(あしあと)の形をそのままかいた漢字ですよ。
この「止」がもともとの「あし」を意味する文字でした。
そうかぁ~「歩」は止めると言う字だったんですね。
そして、書き順もです。
まだ、こんなレベルなんです。
先生は半切に何枚か「歩」を書いていただきました。
右側の3枚が先生が書いたものです。
全然違いますね!
そして、半切に一本の長い線を入れました。
両側に一本の道を歩むと書かれました。
一気に書き上げました。
紙と筆の擦れる音が聞こえます。
次に筆を2本使い、また一気に書き上げています。
何か気合いが入っていると言う感じです。
先生も楽しまれている様子が伺えました。
凄い!2本の筆を使った勢いを感じます。
書いていただいたお手本です。
全て、読めて、意味もわかります。
我が家でも私が書いたものを、家内に見せると(篆書が多い)、何が書いてあるのか分からない。
読めない、意味が分からない。
とのコメントです。
確かに書道は正座して、漢文などを臨書して、辛い硬いのイメージなのでしょう。
もちろん基本は忠実に学ばなければなりません。
常にお稽古も必要です。
でも、この日は書道の楽しさも教わったような気がします。
先生が書かれた書の一枚に、「始めの一歩」がありました。
私は“先生、私は始めの一杯はビールですね”と冗談交じりでお話しました。
すると先生は「始めの一盃 麦酒万歳」と書かれました。
お稽古場に笑いがありました!
より、書道が身近に感じましたね。
時と場合を選んで、それもありなんだぁ~とね。
中田仙鶴さんが来られました。
その時にはこんなに多くのお手本を書いていただきました。
先生“萬鶴さん このお手本を見て直ぐに書こうとは思わないでください”
案を練って熟成させることも大事なんですよ”と。
読める書、意味のわかる書、ウイットやジョークもある書。
これらが、書道人口を増やす秘訣かも知れませんね。
萬 鶴