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PNLS

2011年01月30日 | 脳梗塞
この週末、名古屋で開催されている日本脳神経外科救急学会に参加しています。
昨日はランチョンセミナーとシンポジウムでお話しさせて頂きました。
また、この学会では脳神経外科疾患を対象とした救急処置のトレーニングコースが開催されています。
今回はコースとワークショップの両方を受講しました。
以前、このブログでISLS(Immediate Stroke Life Support)を紹介しました。(「ISLS コースに参加して」(2009年2月2日))
ISLSは脳卒中の初期治療に関するコースでしたが、今回受講したPNLSはPrimary Neurosurgical Life Supportの略で、脳神経外科疾患に特化したものです。しかし基本的な救命処置は同じです。これに脳神経外科疾患特有の判断や管理を加えたのがPNLSと理解しています。

さて救急の初期診療ではPrimary ABCDというものがあり、
A: Airway (気道確保)
B: Breathing (呼吸)
C: Circulation (循環)
D: Dysfunction of CNS (中枢神経障害)
の4つの順で管理していくという原則があります。

この考えは救急処置の根幹をなすもので一次救命処置(Basic Life Support: BLS)と呼ばれていますが、最近では心停止後には呼吸管理よりもまず心臓マッサージを優先した方が患者さんの予後がいいことが報告され始めています。このためこの講習でもABCではなく、CABの順で治療を行うよう指導がありました。
また会場には自動心臓マッサージ機(左下)などもありました。この領域でもどんどん機器の開発が進んでいることを知りました。

本学会は藤田保健衛生大学脳神経外科の加藤庸子先生が主催されました(右上)。加藤先生は脳神経外科のトップランナーのひとりで、多くの外科的手術を手がけておられ大変有名です。また脳神経外科女医会も運営されています。
本学会では多くの出番を頂き、光栄でした。加藤先生、PNLSを運営された井水秀栄先生はじめ関係者の方々に、心より御礼申し上げます。
コメント (1)
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