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脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

脳梗塞慢性期の治療 はじめに

2009年08月28日 | 脳梗塞
脳梗塞の慢性期に治療すべきことがあるのでしょうか?
あるのです。それは脳梗塞が再発するのを予防するための治療です。
どういう状態だと再発しやすいのか?
まず、それを考えてみましょう。

そこで役立つのが以前に説明した脳梗塞の分類!
でましたねー。
これが分かると説明がしやすくなるのです。

上の分類を見てください。
これらはそれぞれ治療法が違います(^^)

まず1)は脳の細ーい血管がつまるんですから、普段の高血圧とか糖尿病、高コレステロール、喫煙などの危険因子の管理が大切です。これはまた改めて説明しますね。
次に2)を飛ばして3)。
心臓の不整脈等が原因で心臓の中に血栓が出来るわけですから、それを薬で防ぐわけです。
「血液さらさら」にする薬の中でも強力な「ワーファリン」を内服します。
つまり1)と3)は普段の健康管理とお薬が予防手段、ということになります。

それでは2)はどうでしょうか?
2)にも色々ありますが、基本的には「血液さらさら」にする薬を使います。
これは血液の中の血小板という止血作用のある成分、これを抑制する薬を使います。
具体的にはアスピリン、プラビックス、プレタールなどです。
しかしこれらの薬にも限界があります。
そう、薬を飲んでいても再発してしまう、そういう状態があるのです。
次回から説明していきますね!
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巨大動脈瘤の新しい治療法

2009年08月28日 | 動脈瘤
一昨日、高山で行った治療について紹介します。
脳の巨大動脈瘤は治療が困難です。
そこで血管ごととめてバイパスする治療が行われます。
しかし切らずに何とかならないものでしょうか?

海外では非常に目の細かいステントが既に使われていて、パリの学会(LINNC)の時に紹介しました。
しかし日本ではそのようなステントはない!
そこで「ステントを何枚か重ねる」という手段をとりました。

図のように一枚のステントでは通り抜けてしまう血液も、ステントを何枚か重ねると通りにくくなります。
そうすれば徐々に血栓化して、動脈瘤は小さくなります。
圧迫のために出ていた症状も治る、ということです。

今回の治療でも動脈瘤は治療直後から血栓化をはじめていました!
患者さんの経過も良好です。
チャレンジが医学の進歩を生みます。
思い切ってこの治療を選択した林先生に敬意を表します。
新しい時代の幕開けです。
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