フォードの社長を務めた後、クライスラーを立て直した、と言われる故アイアコッカ氏。
「アイアコッカ~わが闘魂の経営」は世界的なベストセラーだそう。
自叙伝は厄介もの。
いくらでも自慢しても構わない。
信者はそこだけをフォーカスする。
もっといえば
「俺はこんなに凄いんだぞ!」
「俺をもっと認めろ!」
と自分軸なのである。
これはコーチとしても同じことが言える。
「俺は凄いんだぞ」
「俺の言うことを聞けば間違いないんだ」
と考える(言ってしまう)コーチもいる。
アイアコッカはフォードを追い出されたときに、フォードが潰れれば良いと思って行動したそうだ。
「俺の手元から離れた選手は潰れてしまえば良いんだ!」
と言う考え方と同じ。
一方、「選手の成長を喜ぶ」コーチも多数存在する。
スイミングのコーチの方々とお話しすると、それをとても感じる。
「この子をよろしくお願いします。」
「この子が速くなることも大切ですが、人間的な成長を期待します。」
そこには自分ありき、ではなく、その子の成長を喜びとする姿がある。
自叙伝には「自慢話」が散見する。
「勝てば官軍」の意識がちらほら見える。
結果だけが評価の対象。
稲盛和夫さんの「心」は、従業員の心を変えること、利他の思い、が書かれている。
決して「俺がやった」「俺は凄い」ということを言っているわけではない。
すぐに結果として出るわけではないけれど、「想い」は生き続ける。
時間が経ち「あの人は凄かった」と周りが認めるだけのこと。