「どうです、オーナー。やはり、私のサッカーに合う選手を優先して使った方が良かったでしょう」
前節、勝ったことでノーバイト監督が得意気にしている。確かにタルナートはゴールを決めたし、パスも以前よりは繋がってきた感じだった。とは言っても、相手はフライブルクで今のマンシャフトなら10回戦って7回くらいは勝てるだろう。それにフライアーとフローマーの活躍でバイエルンに勝ったのも事実だ。ともかく、ヴァントはノーバイト監督に任せて、しばらく様子を見ることにした。
実況「メーヤー、フライスのシュートを凄い反射神経で止めました」
今季、ビーレフェルトに加入したGKメーヤーに阻まれ、マンシャフトは前半だけでシュート6本放つが、決められない。
ドイツ1部リーグ第16節
マンシャフト 0-1 ビーレフェルト
(得点) 86分 ミヒャエル・フィンク(ビーレフェルト)
終了間際に失点して敗れる。メーヤーから点を取るのは難しかったかもしれないが、単にマンシャフトの調子が悪いだけなのか。セガさん、もう降格争いはしたくありません!
【基本情報】 チケット料金 3200円
来場者数 25000人
【収入】 チケット収入 7017万9200円
施設収入 2712万5000円
【支出】 試合運営費 1212万5000円
【合計】 8517万9200円
【資本金】 51億5382万4333円
その翌日、スカウトが相当優秀な監督をリストにアップさせていた。スラマー(49)監督で、カウンターよりもポゼッション寄りのポリシーになってしまうが、ヴァントは現状を打開したいと思い、彼と契約。ノーバイト監督には不振の責任を取って、辞任してもらうことにした。スラマー監督と2年契約、年棒は3億6800万円だが、濃い青の部分が広いことを考えると妥当だろう。それに、フリー移籍で獲得する時も選手の選択肢が増えるメリットがある。
ドイツプライムカップ2回戦はポリシー重視でなく、実力重視の布陣で臨むことにした。マルティン・ベックが右サイドハーフに入り、モリツ・フォルツがスタメン出場。クリズペラは左サイドバックに入った。
スラマー監督の影響力なのか、ポリシーがバラバラでも様々な攻撃パターンでドルトムント守備陣を困惑させる。守っては要所を締めてゴールを割らせない。だが、ドルトムントも、ただで終わるチームではなく、CKから同点に追い付かれる。そして、延長戦でも決着が付かずPK戦へ。
スラマー監督は選手たちが分度器のように広がっている所とは反対の中央にいた。
「監督、マンシャフトにはPKが得意な選手が少ないんです。この大会で過去にゲルゼンキルヘンとバイエルンにPKで負けました」
タルナートの言葉を聞いたスラマー監督は何も言わずにタルナートの方を見ていた。そして、にこやかに答える。
「PKは運もあるが、重要なのは勝ちたいという気持ちだ。君たちがドルトムントよりも、その気持ちが強ければ大丈夫だ。さぁ、行きなさい」
こうして、運命のPK戦が始まり、ドルトムント1人目はロシツキー。彼は難無く決めて、今度はユングニッケルだが、バーを直撃。
ドルトムントの2人目にも決められるが、モリツ・フォルツも決める。ドルトムントは2人が連続して外し、マンシャフトは3人目クリズペラ、4人目イェレミースは決めた。ドルトムントの5人目には決められるが、シェファーが決めればベスト8進出だ。
だが、シェファーのPKは止められてしまう。
ドルトムントは6人目、7人目と決めれば、マンシャフトもタルナート、トレコフと決めていく。
ドルトムント8人目のキックをシェファーが左に飛んで弾いた。
実況「マルティン・ベック、右隅に決めてマンシャフトがベスト8進出です」
3度目でPK戦を初めて制したマンシャフト。勝敗は監督の影響によるところがあるのかもしれない。
ドイツプライムカップ2回戦
ドルトムント 1-1 マンシャフト
PK 5-6
(得点) 9分 セバスティアン・フライス(マンシャフト)
58分 マルクス・ブルツェンスカ(ドルトムント)
(警告) 46分 メッツェルダー(ドルトムント)
スラマー監督の初陣はPK戦の末での勝利だった。
【基本情報】 来場者数 102102人
【収入】 勝利ボーナス 2000万
【合計】 2000万
【資本金】 51億7382万4333円