博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

許容度

2011年07月17日 | 環境・エネルギー
(昨日の続き)
 じゅんじさん、ようこそ!まさにご指摘の通りです。私もそれを言いたいのです。ロシア・旧ソ連の高速増殖炉BN-350もBN-600も事故続きだったそうで、特にBN-600は1985年から1995年の間に96件の事故が発生し、原子炉を停止したそうです。そのうち27件がナトリウム漏えい事故であり、このうちの5件は放射性ナトリウム漏えい事故であったそうです。たった十年の間にですよ。
 こんな状態を私達日本人は許容できるでしょうか?日本の「もんじゅ」は1回ナトリウム漏洩事故が起こっただけで十年以上ストップしました。日本人はロシア人より賢明なのでこんなに頻繁に事故は起こさないなどと言えるでしょうか。多分そんなことは言えないでしょう。液体ナトリウムもプルトニウムも、誰が扱っても難しい代物なのだと判断すべきです。我慢強いロシア人だからこそ、ここまでの運用ができたと考えるべきでしょう。
 またBN-350は中央アジアの砂漠、BN-600はウラル西シベリア地方にあり、人口も少なく土地も広大で地震の心配も余りない場所に立地しています。一方「もんじゅ」は直線距離で40キロ程度に京都があります。
 こうしたことを考えると、高速増殖炉+核燃料サイクルへの利用について拙速は絶対に避けるべきです。未来のエネルギー供給の選択肢を増やすために高速増殖炉の研究開発は継続すべきとは思いますが、拙速なロードマップを描くことはやめるべきです。

 それにしてもロシア人はすごいですね。BN-600に何が起ころうとも断固として運転を進め、その後継機BN-800も断固として建設するというのですから。
 宇宙開発については、ロシア人の断固たるスタンスは良く知っていましたが、原子力についても同様でした。1971年にスタートした有人宇宙ステーション・サリュート、1986年から2001年までのミール、この30年の経験が、現在の国際宇宙ステーション(ISS)の基本機能モジュール「ザーリャ」、 居住モジュール「ズヴェズダ」に受け継がれていることは誰もが良く知っていることです。40年近い歴史を持つソユーズ宇宙船も、米スペースシャトル引退後に唯一の軌道往復手段として各国のクルーをISSに運びます。ソユーズもサリュートも痛ましい宇宙飛行士の犠牲者(4人)を出し、途中でソ連も崩壊しましたが、ロシア当局の断固とした運用と開発を継続した結果として今日の成果があるのでしょう。

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