博多住吉通信(旧六本松通信)

 ブログ主が2022年12月から居住を始めた福岡市博多区住吉の生活や都市環境をお伝えします。

アフガニスタンの現実

2020年04月18日 | 読書・映画

 「ハイエナ・ロード」(ポール・グロス監督 2015年制作)というカナダの映画です。2000年代の内戦下のアフガニスタンに派遣されたカナダ軍部隊の物語です。カナダ軍は、アフガン現地で反政府武装勢力タリバンが最も勢力を有する南部のカンダハル州に建設された「ハイエナ・ロード」という名前の復興道路の建設と警備にあたっています。ある日、狙撃兵の主人公らが道路に仕掛けられた地雷を除去しているとタリバンが襲撃してきます。ピンチに陥った主人公たちは、しかし逃げ込んだ近所の村の長老の機転で助けられます。この「長老」が実は現地の重要人物で、後日カナダ軍の諜報係(グロス監督自身が演じているようです)が接触を試みます。

 私は全く期待しないで見たのですが、実に面白い映画でした。以下の文章はネタバレを含むので、映画を未見の方は、恐縮ですが映画をご覧になった後にお読みいただけますと幸いです。

 映画に登場するカナダ軍兵士たちは、皆な善意の固まりで、アフガン現地の人々のために、ひたすら良かれと信ずる行動を取るのですが、それが全部裏目に出て、これ以上はないという悲惨な結末を迎えます。主人公も、こういう死に方だけはしたくないなと思うような仕方で命を落とします。この映画では、戦闘の中で人が死んでいく様を実にリアルに描いているので鑑賞には少し注意が必要かもしれません。

 結局カナダの人々の価値観をアフガン現地の人々に無理矢理押し付けているだけだったということを、反省を込めて描いています。ちなみに「千の実話」をもとに制作された映画だそうです。


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