カイワレダイコン(貝割れ大根)
●ダイコンの発芽直後の胚軸と子葉を食用とするスプラウト食材。
*胚軸・・・子葉に続く分部で、茎になる部分
*スプラウト・・・主に穀類、豆類、野菜の種子を人為的に発芽させた新芽で、発芽した芽と茎を食用とする。
「もやし」と同義語で、豆類などの新芽作物一般を指す。
○栄養・・・酵素を多く含む食材で、発芽過程で種子のときにはなかった新たな成分も合成され、ビタミン、ミネラ
ル、フィトケミカルなどが含まれる。
*フィトケミカル・・・ポリフェノール、有機硫黄化合物、テルペノイドなどの植物栄養素
○歴史
*平安時代、ノダイコンの若芽は「黄菜(おうさい)」、「さわやけ」と呼ばれ、平安貴族の食膳に上っていたと考
えられる。
*福岡市の前田瀧郎が現在の水耕栽培方式による大量生産システムを考案した。
*1986年9月18日、日本かいわれ協会(現日本スプラウト協会)が発足、「かいわれ大根の日」を制定。
*1996年7月、大阪府境市で学校給食へのOー157汚染による食中毒事件の厚生省による調査で、カイ
ワレダイコンが汚染源の可能性が高いと報道された。その結果風評被害で壊滅的打撃を受けた。
*次亜塩素酸ナトリウムを用いた衛生管理が推奨されている。
スプラウト
*主にブロッコリーやマスタード、ダイコンなどのアブラナ科の黄緑色野菜や豆類の種子が使われ、ブロッコ
リースプラウト、かいわれ大根、ビーンズスプラウトなどと呼ばれ、発芽野菜、新芽野菜とも呼ばれる。
*1999年、村上農園がブロッコリー、マスタード、クレス、レッドキャベツの新芽を「スプラウト」として日本で
初めて発売して以降、様々な発芽野菜が一般家庭でも食べられるようになった。
★種類
(1)かいわれタイプ・・・発芽後緑化、芽は上、根は下にそろって生える。
*かいわれ大根・・・ピリッとした辛みがアクセント。ビタミン豊富。
*ブロッコリースプラウト・・・味わいマイルド。成熟したものに比べスルフォラファンを8倍含む。
*マスタードスプラウト・・・スパイシーな刺激が美味しい。肉料理によく合う。
*クレススプラウト・・・ガーデンクレスの種子を使う。ワサビに似た辛さ。尖った葉が特徴。和食にも合う。
*レッドキャベツスプラウト・・・マイルドな味わい。鮮やかな深紅で彩どりに最適。
(2)中間タイプ・・・発芽後緑化。根と葉は自由な向きに生える。
*ブロッコリースプラウト・・・機能性野菜。成熟したものに比べ20倍もの高濃度のスルフォラファンを含む。
(3)もやしタイプ・・・緑化していない。根と葉は自由な向きに生える。
*もやし・・・緑豆の種子を使う。おなじみの「もやし」。軸が太い。
*もやし・・・ブラックマッペの種子を使う。西日本で主に食べられる細いタイプのもやし。甘みが強い。
*大豆もやし・・・豆が残っているもやし。韓国料理のナムル(和え物)に使う。
*アルファルファ・・・ピリッと辛い。米国ではおなじみ。
★スルフォラファン・・・ブロッコリーに含まれる硫黄化合物がある種の酵素との化学反応によって生成される
成分。辛みの元となる成分。体内で発ガン物質に変わった物質を解毒する「解毒酵素」の働きを飛躍的に高
めるのが「スルフォラファン」だ。
その他
★「かいわれ」の由来・・・漢字で書くと「貝割れ」となる。貝が開いた形に由来する。双葉の形が二枚貝が開
いた形に似ていることから「貝割れ」と呼ばれている。
★摘み菜(つまみな)・・・間引きとったダイコンなどの若い菜。まびき菜。おひたしや味噌汁の具にする。
★摘菜(つみな)・・・芽を出したばかりの若菜を摘み取ること。また、その葉。
●「ひらひらと 月光降りぬ 貝割菜」(川端茅舎)
意味:夜、貝割菜の畑に月光がひらひらと<やさしくやさしく>降り注ぐのです。
解釈:彼の目には、貝割菜一つ一つが人(幼子)に見え、その上に慈しみ包み込むような月の光がひらひら
と降り注ぐ光景が見えたのでしょう。
★浜松餃子ともやし
日本屈指の餃子消費量をほこる浜松市。フライパンに丸く並べて焼き、茹でたもやしが添えられるのが特徴。
餃子はキャベツ中心のあさっり味。トッピングでただ茹でただけのもやしが、皿のうえに丸く並べた餃子の真ん
中に盛られる。
参考: http://www.youtube.com/watch?v=LQayWhvCwcY
●「しまくとぅばの日」(沖縄県)
沖縄県の言葉「しまくとぅば(島言葉)」を奨励する日。「く(9)とぅ(十)ば(8)」の語呂合わせ。
*「マーミナー」は沖縄方言で、「もやし」のこと。チャンプルー(様々な食材を炒め合わせること)の材料として
お馴染みの食材。那覇市の1世帯当たりの年間支出金額(平成19~21年平均)1,254円は全国第4位で
ある。沖縄のもやしは緑豆もやし。
*「ガーラ」は沖縄方言で、魚の「カイワリ」のこと。この「カイワリ」は尾びれの形が貝を割ったような双葉の形
に見えることに由来し、貝を割って食べるのではない。シマアジに似るが別種。
*カイワリ: http://enosuiego.blog50.fc2.com/blog-entry-1913.html
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