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最も伝えたい「にゃーご」

2022年06月11日 | 絵本
 3年ぶりにこの絵本を取り上げてみた。図書館に勤め始めボランティアグループと一緒に学校へ出向いた2回目、初めての1年生で読み聞かせた大型絵本だ。物語性があり、ユーモア、やさしさの詰まっている名作だ。今、改めて読むと、キャラクター色が強く出ているので、自分好みだし声には合っていると思う。


『にゃーご』(宮西達也  鈴木出版)

 


 「ネコにおそわれないように」という先生の注意を聞いていない3人組のねずみ。ネコが出合いに発した大きな「にゃーご」という声を平然と受け止め、桃狩りに誘う。その言葉に釣られて行動をともにするネコの計算高さと迂闊さが入り混じる。桃狩りが終わり帰路で欲望を果たそうと「にゃーご」と叫んだのだが…。


 他者を信じて疑わない、そして他者の状況に思いを寄せる、素直であっけらかんとした3匹のねずみ。ネコとしての欲望はあるのだが、目の前に繰り広げられることについ応じてしまい、結局相手のやさしさにほだされていくネコ。一つ一つのセリフは、その心情が際立つように配置されて、しみじみとした魅力がある。

https://ugotosyokan.hatenablog.com/entry/2022/06/10/113558
 こんな感じで…

 今回はこども園の主として年長児が対象だ。キャラクターに沿った声の変化は効果的だろうし、十分に間を取りながら語っていきたい。「にゃーご」というそれ自体意味を特定できない叫び声は、どんな心も込められる。受けとめる側の姿勢によって他者との関わり方は変化するのだという、最も伝えたいことの一つだ。


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