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盆地男、「海」を語る

2024年07月13日 | 絵本
 今月の学校読み聞かせは2校で、5年生そして高学年(5,6年)だった。期日も近いので同じラインナップにした。季節に合わせ、来週月曜は「海の日」ということでテーマは「海」。盆地に住んでいるので、「海の近くに住んでみたいなと思っている人はいないかな」と問いかけてみた。そしたら、意外にもほんの一握り。


 「どうして?」と訊くと「津波が怖い」という声が…。気持ちはわかるが、ちょっと複雑だ。軽く受け流し、さっそく一冊目を読む。これは「お誕生月おめでとう」と添えられている絵本シリーズであり、7月は『うみ』(文・中川ひろたか 絵・はたこうしろう)。「おかあさんの おなか」と切り出す詩的な文章である。



 「海」という漢字、フランス語で海と母は同じ言い方をすることなどが記されて、後半は少年が海へ入り、ぷわりと浮かんでお日様に話しかける場面で括る。実に雰囲気のある話だった。これは低学年から中学生まで、その段階に応じた受け止め方をしてくれるのではないかな。このお誕生月シリーズは、いい企画だな。



 二冊目は『海は広いね、おじいちゃん』(五味太郎)。これは絵本ナビで見つけて、思わず中古本を買ってしまった。結局到着が間に合わないと察して、隣市図書館から借りてきたが…。五味らしいユーモアにあふれている。こども園でも読めそうな一冊だが、ちょっとした仕掛けもあり、その点を触れると反応もよかった。




 最後は『海のおっちゃんになったぼく』。これは一昨年に読んだお気に入りの一冊だ。これは一種のファンタジーで、内容からすると、やはり高学年に合っていたようだ。関西弁の語りは自己流だが、これも一つのハードルだろう。「海」であれ「関西弁」であれ、どちらからも遠く離れた盆地男には、良き負荷になる。



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