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桜と絵本と豆乳と

正月の読み聞かせ記

2024年01月30日 | 絵本
 今月の読み聞かせは、こども園4つと小学校が1つ。こども園でのプログラムは「初読み聞かせ記」に載せた。特に『ふゆのはなさいた』が印象深い。8分超の話で年長児以上向けと思ったが、年中児も混じった園でも集中が切れずに見入ってくれた。物語の持つ強さを感じた一冊だ。作者をたどってもう一冊に出逢う。


 『星につたえて』…これはいいと一読して感じた本だ。6年生相手に読む前日に、グループの初読み会でも披露した。聞き手から「自分で読んだ時は魅力的に思えなかったが、今聴いたら…」という嬉しい感想を頂いた。多少の工夫はしたが、この話が好きという感覚がやはり一番大切だ。強調、緩急等ににじみ出る。



 少しだけその魅力を確かめてみる。ちっぽけなクラゲと夜空のほうき星の交わりから始まる物語は、その対比から「悠久の時を超えて通ずる心」をしみじみと語る。伝え継がれた声がクライマックスで明示されるのがなんとも心地よい。私達人間もその長い歴史の一部にあるということ。「命」はめぐると教えてくれる。



 6年生相手のもう一冊は、講談絵本を選んだ。「那須与一 扇の的」である。中学入学を控えた子たちに、古典の世界へ誘うといった意味合いを持って紹介した。ただ、今まで取り上げた他の講談より言い回しの難しさを感じ、迷いがあった。チャレンジ精神と呟いてやり抜いた感じだ。絵の魅力が、後押ししてくれた。

 

 読み聞かせ後に「この絵を描いた人、何歳ぐらいだと思う?」と珍しく問いかけてみた。宇野亞喜良は今年90歳になるデザイナーだと教えると、さすがに驚きの表情を見せていた。そうなると私などまだヒヨッコだ…と比較の対象にするのもおこがましい。目や声の衰えを着実に実感しつつ何で補填すべきか考える。


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