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最後に溶け出すから心地よい

2015年03月08日 | 雑記帳
 『pen』の3月号が、「最後に聴きたい歌。」という特集をしていた。

 40人の選曲者がそれぞれ、何かの最後(一日の終わりや、仕事明けとか、本当の最期とか)で聴きたいと思う曲やアルバムを挙げている。
 ジャンルは様々で、クラッシックやジャズには疎い自分には???のものもあった。
 選曲者の人選がpenらしくアーティストと称される方々なので、当然かもしれないが洋楽が中心である。


 さて自分なら何だろう。
 今だと夜に音楽を聴いたりする習慣はないので、ここは一般人らしく「好きな1枚」ということになるだろう。

 ぽっと頭に浮かんだのは『酔醒』というアルバムだった。
 実際にLP!をまだ持っていて、1年に一回ぐらいはターンテーブルに乗せることがある。

 古井戸というデュオで、私ぐらいの年代であれば「さなえちゃん」という曲を知っている人も多いだろう。
 このアルバムは、いわゆるフォーク系と見られていた古井戸のブルース色を全面に出していて、山本剛トリオというジャズのメンバーを入れて録音されたものだ。

 それを聞いたとき(つまり40年前ということ!)に、素直にかっこいい!と思い、大学にジャズをやっている友達を誘って、3曲今でいうところの「完コピ」に挑戦してみた。

 コンサートは、まあジャズの方々が初ステージということもあり、ボロボロだったなあ、と思い出すことができる。
 「黄昏マリー」という曲は音程のとり方難しかったなあ…その繰り返しの時をまだ覚えている。
 それにしてもよくこんな詞を大学生が歌えたもんだね、と青くなる。
 一緒にやった4人とは遠く離れて、もう何の音も聞けなくなってしまったが…。

 改めて検索してみると、映像はないがいくつかのコンサート音源みたいなものがyoutubeにはあるんだね。凄い時代だ。


 「最後に聴きたい歌。」というのは、結局何度も繰り返し聴いていて、自分の中に仕舞い込まれている歌なんだろう。

 音と詞が声によって溶け出してくる感じが「最後」に心地よい。
 古井戸の加奈崎芳太郎の声は、しっくりくる。