インフレリスクに取り付かれていた投資家、今度は景気減速を懸念
Vildana Hajric、Katie Greifeld 2022年3月2日 14:56 JST ブルームバーグ
- 原油価格は急伸-ロシアのウクライナへの攻撃が激化
- 市場はリセッションのリスクの高まりを織り込みつつある-BI
投資家は昨年インフレに取り付かれていたが、この執着が成長減速を巡る懸念に取って代わられるか、さらに悪い場合には、この2つが重なりかねないことが1日に示唆された。
こうした投資家の姿勢の変化に拍車を掛けているのは、原油相場が一時12%上昇した際に市場に広がったショックだ。ウクライナで戦闘が激化している上に、米連邦公開市場委員会(FOMC)の決定を数週間後に控え、この状況にトレーダーは神経質にならざるを得ない。こうした不安な状況の中、投資家は株式を敬遠し、債券に殺到している。インフレ懸念が根強いにもかかわらず利回りは低下しているが、ロシアのウクライナ侵攻に伴う影響で上昇する可能性もある。
これは微妙ではあるが注目すべき投資家の変化だ。投資家はこれまで、状況に陰りが見えても、少なくとも米国ではリセッション(景気後退)につながるようなことはないと考えてきた。堅調な成長予測や底堅いデータを踏まえると、リセッション見通しは依然として例外的だ。ただ、この日の取引の状況に基づくと、リセッションという結末を回避できるとの投資家の確信は薄れているように見える。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のマイク・マクグローン氏は「市場が現在行っているのは、世界的なリセッションのリスクの高まりを織り込むことだ。エネルギーと商品価格の急騰はそれに追い打ちをかけるだろう」と指摘した。
【米国市況】株が下落、原油高がインフレ懸念あおる-利回り低下
原題:Growth Angst Shakes Markets Already Obsessed With Inflation Risk(抜粋)