日経平均900円高、米国の金利高一服とハイテク株上昇-半導体が急伸
我妻綾、佐野日出之 2024年4月24日 7:49 JST更新日時 2024年4月24日 15:36 JST24日の東京株式相場は3日続伸し、日経平均株価の上げ幅は900円を超えた。インフレ懸念を背景にした米国の金利上昇が一服しているほか、米電気自動車(EV)メーカーのテスラや半導体メーカーのテキサス・インスツルメンツ(TI)が決算発表後の時間外取引で買われたことで投資家心理が好転した。
電機や精密機器、機械、自動車など輸出セクターがそろって上昇。商社を含む卸売株、前期純利益の速報値が従来計画から上振れた清水建設など建設株も高い。市場参加者の注目は、日米の企業決算の発表に集まってきている。
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TOPIXを構成する2146銘柄のうち、上昇は1485、下落は568。売買代金上位では東京エレクトロンやディスコ、ソシオネクスト、信越化学工業など半導体関連銘柄が軒並み急伸し、ルネサスエレクトロニクスは10%を超す上昇。英投資ファンドの大量保有が明らかになったニコンやシステム障害からおおむね復旧したHOYAが精密機器株の上げをけん引した。
半面、子会社による船舶用エンジンの測定データ改ざんが発覚したIHIが午後の取引で急落し、海外市場で転換社債型新株予約権付き社債(CB)を発行するレゾナック・ホールディングスも希薄化懸念で安い。
23日の米債市場では2年債など年限が短い国債が上昇(金利は低下)。また、テスラは1-3月期の調整後1株利益が市場予想を下回ったものの、安価モデルの前倒し投入や積み上がった在庫が反転するとの見通しを示した。TIは強気の4-6月期売上高見通しを示した。
市場関係者の見方
大和証券の山田雪乃投資情報部長
- 昨日の米ハイテク関連株の上昇やドイツのSAPの決算でクラウド部門が好調だったことなどを受け、これまでの調整で日本株の持ち高を減らしていた投資家が買い戻しを入れてきているのではないか
- 半導体は他のセクターに比べれば決算も良く、出荷額も回復基調に入っているため、中長期的な買いスタンスは不変
いちよしアセットマネジメントの秋野充成社長
- きょうの相場は戻り方向。ただ、この後に米個人消費支出(PCE)価格指数や日本銀行の金融政策決定会合、来週の米雇用統計などを控えているため、様子見機運は強い
- 半導体株は完全なモメンタムクラッシュで余韻はまだある。値ごろ感で買いたい人はいるだろうが、まだ下げは足りないとみる
背景
- 米TI、強気の売上高見通し示す-半導体需要の低迷緩和を示唆
- 半導体株に買い、米関連銘柄が軒並み上昇-TI強気の売上高見通し
- 米テスラ、手頃な価格の車を25年早々までに投入-販売てこ入れへ
- 為替介入は「相当近い」、円安・ドル高はかなり急速-古沢元財務官
- ドル・円相場は1ドル=154円台後半で推移、前日の日本株終値時点は154円77銭
- 前日の海外市況はこちらをご覧ください
(5月13日から株式市況は内容を拡充し配信します。午前の市場別動向に加え、午後からは債券・為替動向を追加した【日本市況】として国内の主要市場の動向を横断的に配信する予定です。ご不明な点やご質問等がある場合はihazama@bloomberg.netまでご連絡ください)
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