MUFG、AT1債の起債を9月以降に後ろ倒し-従来7月以降
日向貴彦、Ayai Tomisawa
2024年5月23日 13:27 JST
更新日時 2024年5月23日 14:14 JST
総合的に判断とMUFGは説明、年限は5、10年後償還可能の2本
先送りでAT1債需給の平準化につながる-りそなアセット
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は準備中の永久劣後(AT1)債について、起債時期を当初予定した最速7月以降から9月以降に変更した。
MUFGのIR担当者は総合的に判断したと説明し、詳細については言及しなかった。主幹事の三菱UFJモルガン・スタンレー証券によると、未定だった年限は発行から5年後と10年後に償還が可能になる2本に決まった。金額は未定。
日本銀行が早期に国債買い入れの減額や追加利上げに踏み切るとの観測から、国債利回りに上昇圧力がかかっている。長期金利は22日、異次元緩和が始まった直後の2013年5月以来となる1%に上昇した。
国内メガバンクのAT1債は、三井住友フィナンシャルグループが最速5月に、みずほフィナンシャルグループが最速7月にそれぞれ起債する予定となっている。金利先高観が根強い中で、MUFGを含めて短期間にAT1債の発行が集中する可能性があった。
りそなアセットマネジメントの藤原貴志債券運用部長兼チーフファンドマネジャーは、メガ3行がこれまで短い期間にそろって起債を計画していたため、投資家にとっては「需給が緩み、有利な条件で買えることが期待できた」が、先送りで「需給の平準化」につながるとの見方を示した。
(2段落以降にMUFGのコメントと投資家の見方を追記します)
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