米国株、ダウ395ドル高で最高値 ハイテク株がけん引 S&P500種は2年ぶり最高値
米国・欧州株概況
2024年1月20日 6:37
【NQNニューヨーク=戸部実華】19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比395ドル19セント(1.05%)高の3万7863ドル80セントと2日以来となる最高値で終えた。人工知能(AI)の活用が企業収益を押し上げるとの期待からハイテク株や半導体関連株に連日で買いが入り、相場上昇をけん引した。米消費者の景況感の改善も、経済のソフトランディング(軟着陸)を見込んだ買いにつながった。
多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は続伸し、前日比58.87ポイント(1.23%)高の4839.81で終えた。2022年1月3日以来ほぼ2年ぶりに最高値を更新した。
エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、ブロードコムなど半導体株の上昇が目立った。交流サイトのメタプラットフォームズがAI向け半導体を大量に調達すると伝わり、大手ハイテク企業による半導体需要は強いとの見方を誘った。サーバーなどのスーパー・マイクロ・コンピューターが18日夕に四半期の業績見通しを引き上げたことも追い風となった。主要な半導体関連株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は4%高となり、最高値を更新した。
幅広いハイテク株が買われ、ダウ平均の構成銘柄では半導体のインテルとIT(情報技術)のIBMが3%前後上昇した。前日にアナリストが投資判断を引き上げたスマートフォンのアップルも連日で買いが続いた。顧客情報管理のセールスフォースやソフトウエアのマイクロソフトも高い。
ミシガン大学が19日午前に発表した1月の米消費者態度指数(速報値)は78.8と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(70.2)を大幅に上回り、2年6カ月ぶりの高水準となった。併せて公表した1年後の予想インフレ率は2.9%と20年12月以来の低水準となった。米消費が落ち込まずにインフレを抑え込むことができれば「米経済は景気後退を避けられ、企業収益も成長が見込める」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との声が聞かれた。
主要株価指数が最高値を付け「株買いのモメンタム(勢い)がさらに買いを誘った」(ボケ・キャピタル・パートナーズのキム・フォレスト氏)との見方があった。買い遅れるリスクを意識した動きも出たとみられ、ダウ平均の上げ幅は一時460ドルを超えた。
もっとも、ダウ平均は朝方に小幅安に転じる場面もあった。シカゴ連銀のグールズビー総裁が米CNBCのインタビューで、インフレ沈静化への動きが続けば「政策金利の決定にあたって考慮に入れる必要がある」と語った。ただ、「(インフレ抑制という)職務を完遂する前に、何か約束することではない」とも述べ、市場の早期利下げ観測をけん制したと受け止められた。米長期金利は一時4.19%とほぼ1カ月ぶりの水準に上昇し、株式の相対的な割高感につながる面があった。
個別銘柄では19日に発表した23年10〜12月期決算が市場予想を上回った保険のトラベラーズが7%弱高となった。外食のマクドナルドやクレジットカードのアメリカン・エキスプレス、銀行のJPモルガン・チェースも上昇した。一方、医療保険のユナイテッドヘルス・グループやドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスは売られた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸した。前日比255.320ポイント(1.69%)高の1万5310.968で終えた。22年1月以来の高値。メタやネット検索のアルファベット、ネット通販のアマゾン・ドット・コムなど主力株が買われた。
米国・欧州株概況
2024年1月20日 6:37
【NQNニューヨーク=戸部実華】19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比395ドル19セント(1.05%)高の3万7863ドル80セントと2日以来となる最高値で終えた。人工知能(AI)の活用が企業収益を押し上げるとの期待からハイテク株や半導体関連株に連日で買いが入り、相場上昇をけん引した。米消費者の景況感の改善も、経済のソフトランディング(軟着陸)を見込んだ買いにつながった。
多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は続伸し、前日比58.87ポイント(1.23%)高の4839.81で終えた。2022年1月3日以来ほぼ2年ぶりに最高値を更新した。
エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、ブロードコムなど半導体株の上昇が目立った。交流サイトのメタプラットフォームズがAI向け半導体を大量に調達すると伝わり、大手ハイテク企業による半導体需要は強いとの見方を誘った。サーバーなどのスーパー・マイクロ・コンピューターが18日夕に四半期の業績見通しを引き上げたことも追い風となった。主要な半導体関連株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は4%高となり、最高値を更新した。
幅広いハイテク株が買われ、ダウ平均の構成銘柄では半導体のインテルとIT(情報技術)のIBMが3%前後上昇した。前日にアナリストが投資判断を引き上げたスマートフォンのアップルも連日で買いが続いた。顧客情報管理のセールスフォースやソフトウエアのマイクロソフトも高い。
ミシガン大学が19日午前に発表した1月の米消費者態度指数(速報値)は78.8と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(70.2)を大幅に上回り、2年6カ月ぶりの高水準となった。併せて公表した1年後の予想インフレ率は2.9%と20年12月以来の低水準となった。米消費が落ち込まずにインフレを抑え込むことができれば「米経済は景気後退を避けられ、企業収益も成長が見込める」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との声が聞かれた。
主要株価指数が最高値を付け「株買いのモメンタム(勢い)がさらに買いを誘った」(ボケ・キャピタル・パートナーズのキム・フォレスト氏)との見方があった。買い遅れるリスクを意識した動きも出たとみられ、ダウ平均の上げ幅は一時460ドルを超えた。
もっとも、ダウ平均は朝方に小幅安に転じる場面もあった。シカゴ連銀のグールズビー総裁が米CNBCのインタビューで、インフレ沈静化への動きが続けば「政策金利の決定にあたって考慮に入れる必要がある」と語った。ただ、「(インフレ抑制という)職務を完遂する前に、何か約束することではない」とも述べ、市場の早期利下げ観測をけん制したと受け止められた。米長期金利は一時4.19%とほぼ1カ月ぶりの水準に上昇し、株式の相対的な割高感につながる面があった。
個別銘柄では19日に発表した23年10〜12月期決算が市場予想を上回った保険のトラベラーズが7%弱高となった。外食のマクドナルドやクレジットカードのアメリカン・エキスプレス、銀行のJPモルガン・チェースも上昇した。一方、医療保険のユナイテッドヘルス・グループやドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスは売られた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸した。前日比255.320ポイント(1.69%)高の1万5310.968で終えた。22年1月以来の高値。メタやネット検索のアルファベット、ネット通販のアマゾン・ドット・コムなど主力株が買われた。