米経済、引き締めでもスタグフレーションは不可避-エラリアン氏
Simon Kennedy 2022年5月19日 2:58 JST ブルームバーグ
- 当局によるインフレ「一過性」の見方が今の状況を招く一因に
- ようやく現実に追い付きつつあるが、まだやるべきことがある
米経済は一時的なスタグフレーションを回避することができず、市場は深刻な成長低迷のリスクにまだ注意を払っていないと、グラマシー・ファンド・マネジメントのモハメド・エラリアン会長が指摘した。同氏はかつてパシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の最高経営責任者(CEO)を務めていた。
エラリアン氏はブルームバーグテレビジョンに対し、米国は恐らくリセッション(景気後退)を回避できるが、「スタグフレーションは回避できない」と指摘。「成長には減速が見られ、われわれはインフレ高止まりを目の当たりにしている」と続けた。
米金融当局が2021年からインフレは「一過性」との見方を示していたことが、今の状況を招く一因となったと同氏は批判した。当局は今では引き締めに動いており、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は17日、インフレが後退していることを示す「明確で納得できる」証拠が得られるまで利上げを続けるとして、これまでで最もタカ派的な姿勢を表明した。
パウエル議長、「明確で納得できる」インフレ後退まで利上げ継続 (2)
ブルームバーグ・オピニオンのコラムニストでもあるエラリアン氏は「当局はようやく現実に追い付きつつある」と述べた上で、「この先もまだやるべきことがある」と続けた。
原題:El-Erian Says US Can’t Avoid Stagflation Even as Fed Tightens
(抜粋)