米国株、ダウ反発し229ドル高 個人の投機的な売買が弱まる
米国・欧州株概況2021年2月2日 6:32
【NQNニューヨーク】1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発した。前週末比229ドル29セント(0.8%)高の3万0211ドル91セントで終えた。市場の混乱を招いていた個人の投機的な売買が弱まり「損失が膨らんだヘッジファンドの持ち高調整が一巡した」(UBS)との見方から買いが優勢になった。ダウ平均は前週に1000ドル強下落しており、長期的な株高を見込む投資家から押し目買いも入りやすかった。
前週はSNS(交流サイト)で連携した個人の買いで一部銘柄が急騰し、空売り残高を積み上げていたヘッジファンドの損失計上が相次いだ。1日は個人の投機的な買いは弱まった。米ネット証券ロビンフッドは乱高下した銘柄の購入停止を29日に解除したが、まだ株数やオプション契約件数に上限を設けているためだ。購入制限が続くゲーム専門店のゲームストップ株は31%安で終えた。
米国では新型コロナウイルスの新規感染者数は減少傾向にある。バイオ製薬のモデルナが、ワクチン1瓶から従来の10回より多い15回分の接種ができるよう米食品医薬品局(FDA)と交渉していると伝わった。実現すればワクチン普及が加速するとの見方が広がり、投資家心理の改善につながった。
米サプライマネジメント協会(ISM)が1日発表した1月の米製造業景況感指数は前月から低下したものの、58.7と好不況の境目である50を2カ月連続で上回った。「1~3月期の堅調な経済成長を示している」(エバコアISI)と受け止められ、買い安心感につながった面もある。
もっとも、投資家心理を測る目安となる米株の変動性指数(VIX)は前週末比で9%低下したとはいえ、30強で終えた。不安心理が高まった状態とされる20を大幅に上回っており、市場の警戒感は続いている。
クレジットカードのビザや金融のゴールドマン・サックスなど業績が景気と連動しやすい銘柄が上げた。ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルなど主力ハイテク株も買われた。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムも上昇した。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前週末比332.699ポイント(2.5%)高の1万3403.394で終えた。2日に2020年10~12月期の決算発表を予定するネット通販のアマゾン・ドット・コムと検索サイトのアルファベットはともに4%高で終えた。決算が好内容になると期待した買いが入った。アナリストが目標株価を大幅に引き上げた電気自動車のテスラは6%高で終えた。