イエレン財務長官、底堅い成長を想定-米経済の軟着陸は可能
Christopher Condon 2022年5月5日 1:23 JST 更新日時 ブルームバーグ
米金融当局は巧妙かつ幸運である必要も、これは可能な組み合わせ
中期的なインフレ期待はそれほど影響を受けていない
中期的なインフレ期待はそれほど影響を受けていない
イエレン米財務長官は今後1年の底堅い成長を予想していると述べ、米金融当局がインフレ抑制に向けて行動する中、「ソフトランディング(軟着陸)」は可能だとの考えを示した。
イエレン氏は4日、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が主催するイベントでのインタビューで、「今後1年は底堅い成長が見られると考えている」と発言。「米金融当局は巧妙かつ幸運である必要があるが、これは可能な組み合わせだと思う」と話した。
米金融当局が利上げを強化するのに伴い、多くのエコノミストが2023年のリセッション(景気後退)を予測しているが、イエレン氏は「ソフトランディングは可能だ」と述べた。
消費者物価は高騰しているが、中期的なインフレ期待は今のところそれほど影響を受けていないと同氏は指摘。ボルカー元連邦準備制度理事会(FRB)議長が直面したインフレとは異なる種類のものであることをこれは意味すると続けた。ボルカー氏は1980年代早期に積極的な金融政策引き締めを実施し、深刻なリセッションを招いた。
イエレン氏は一方で、世界経済はロシアのウクライナ侵攻によって生じた多くのリスクに直面しているとの認識を示し、特に世界的なエネルギーや食品コモディティー価格への影響を挙げた。
他の主要通貨と比べたドルの価値上昇に関しては、懸念していないとの姿勢を表明。「私は市場原理に基づくドルの価値を信頼している」とし、米金融当局が利上げを実施しており、相対的に利回りが高い米証券への投資を引きつけていると説明。「ある意味、それは金融政策引き締めがどう機能するのかを示す要素だ」と語った。
原題:
Yellen Sees Solid Growth, Possible Soft Landing for U.S. Economy(抜粋)