米国株、ダウ続伸 一時、過去最高値上回る 好決算相次ぎ投資家心理が改善
米国・欧州株概況2021年10月21日 5:08
【NQNニューヨーク=古江敦子】20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比152ドル03セント高の3万5609ドル34セント(速報値)で終えた。市場予想を上回る米主要企業の決算発表が続いているうえ、暗号資産(仮想通貨)のビットコインの最高値更新で投資家心理が強気に傾いた。ただ、米長期金利の上昇を受けてハイテク株は売りが優勢になり、相場の上値を抑えた。
20日朝に発表した2021年7~9月期決算で1株利益が市場予想を上回った通信のベライゾン・コミュニケーションズが上昇し、前日までに好決算を発表した保険のトラベラーズや医療保険のユナイテッドヘルス・グループが買われた。好調な企業収益を受けて景気への楽観も広がり、化学のダウや建機のキャタピラー、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスなど景気敏感株が上昇した。
ビットコイン価格が20日午前、一時6万7000ドル近くに上昇し、過去最高値を付ける場面があった。投資家の強気姿勢を映しているとの見方が広がり、株買いを後押しした。ダウ平均は一時、3万5669ドルまで上昇し、8月16日に付けた過去最高値(3万5625ドル)を上回った。
買い一巡後は上値がやや重くなった。米長期金利が1.60台半ばに上昇し、高PER(株価収益率)銘柄であるハイテク株の相対的な割高感が意識された。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムやソフトウエアのマイクロソフトが下落した。
ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに反落し、前日比7.412ポイント安の1万5121.678(速報値)で終えた。