過去最大規模の強気の賭けに大打撃、予想上回るCPIで-米金利先物
Edward Bolingbroke2024年4月11日 11:27 JST
- SOFR先物2024年12月限に絡んだブロック取引に5000万ドルの損失
- CMEのデータによれば、カバーではなく新たなポジションの可能性
10日の米消費者物価指数(CPI)発表に先立ち、金利先物で過去最大規模となる強気の賭けが行われたものの、予想を上回るCPIの伸びを受けた相場下落でこの賭けも大打撃を被った。
担保付翌日物調達金利(SOFR)先物2024年12月限に絡んだこのブロック取引は、CPI統計が一段と落ち着いた数字となり、米金融当局の年内利下げ実施の論拠となるような内容だった場合に利益が生じるものだった。
だが、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数が3カ月連続で予想を上回ったことなどで米国債利回りは急上昇し、投資家の間では利下げ観測が後退した。
同月限の相場動向に基づけば、このポジションはニューヨーク時間10日午後早い段階で、約5000億ドル(約76億4000万円)の損失となっていた。
投資家がより長くより高い金利持続の可能性に備え、米国債への弱気なポジションを積み上げていた時期だっただけに、強気のブロック取引は注目を浴びるものだった。
3月のCPI発表を受けて、最初の0.25ポイント利下げ時期を巡るトレーダーの予想は9月から11月にシフトし、市場が現時点で織り込む年内利下げ幅の合計は0.5ポイントを割り込んでいる。
このブロック取引を行ったのが誰であるかや、他の賭けと併せて行われたのかどうかは不明だ。ただ、1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の金利変動につき約200万ドルの利益もしくは損失に相当する取引規模からは、恐らく別の弱気ポジションを埋め合わせるのが目的だった可能性がうかがわれる。
一方、CMEグループが10日発表した別のデータでは、この取引は既存のポジションのショートカバーというよりも、新たな賭けもしくはヘッジだったことが示唆された。
CPI統計で見通しが一変したのはこの取引だけではなかった。ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズは6月にも0.5ポイントの利下げがあると予想。他方、スワップ市場が現在織り込むのはわずか3bpの利下げで、0.25ポイント利下げの確率が12%に過ぎないことに相当する。
原題:Hot Inflation Print Blows Up Bond Trader’s Record Futures Wager(抜粋)
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