特権を問う
米軍ヘリ低空飛行、特別区長会が調査 4月9日までにとりまとめ
スクープ 毎日新聞 2021/3/20 21:23(最終更新 3/21 00:15)
東京都墨田区の東京スカイツリーの展望台(高さ約350メートル)の前を通過した米海軍ヘリ「シーホーク」2機=都内で2020年8月27日午後4時20分ごろ、大場弘行撮影(写真は動画から)
在日米軍ヘリが東京都心の上空で、日本のヘリであれば違法となる低空飛行を繰り返している問題で、東京23区長でつくる特別区長会が、米軍ヘリの低空飛行に関する区民からの苦情の有無など23区全体の状況について調査を始めた。来月9日の同会役員会までに結果をとりまとめて今後の対応を決めるという。
この問題を巡っては毎日新聞が16日、米軍ヘリによる世田谷区上空での低空飛行を報じた。特別区長会事務局によると、保坂展人・世田谷区長から同日に問題提起があり、過去1年間の米軍ヘリに関する区民からの苦情や申し入れ、区としての対応の有無について各区に尋ねているという。保坂区長は自身のツイッターに「(報道された米軍ヘリは)ありえない超低空飛行だった。このところ、昼夜問わず低空飛行のヘリ騒音の訴えが区民から寄せられている」と投稿している。
日本の法令は航空機から半径600メートル内にある最も高い建物の上端から300メートルの高さを「最低安全高度」と定めている。毎日新聞は同区にとどまらず、新宿駅や渋谷センター街、浜松町のオフィス街などの上空をこの高度よりも低く飛ぶ米軍ヘリの様子を動画とともに報道。日本政府は現在、在日米軍に事実関係を確認している。【大場弘行】