日経平均が一時600円超高、米雇用統計や円安好感-輸出や金融株買い
田村康剛、Winnie Hsu2024年4月8日 7:31 JST更新日時 2024年4月8日 10:58 JST8日の東京株式相場は反発し、日経平均株価は一時600円以上上昇。堅調な雇用統計を受けて米国経済の先行きに楽観的な見方が広がり、電機や輸送用機器、機械など輸出関連株が高い。米金利の上昇を材料に銀行や保険など金融株も買われている。
朝方発表された2月の毎月勤労統計では、実質賃金が23カ月連続でマイナスとなった。日本銀行による早期利上げ観測を後退させ、円安基調が続くことから株式相場には追い風だとの見方がある。
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TOPIX採用の2146銘柄中、上昇は1703、下落は359。売買代金上位ではソシオネクストやディスコなど半導体関連銘柄が高く、三菱UFJフィナンシャル・グループや三菱重工業、リクルートホールディングス、三井物産も堅調。半面、安川電機や資生堂は軟調。
市場関係者の見方
セゾン投信の瀬下哲雄マルチマネジャー運用部長
- 米雇用統計でリスクオンの流れを受けているほか、毎月勤労統計の実質賃金がマイナスのままで緩和的な金融環境が続き、円安基調は変わらないとの観測から上昇している
- 円安や米消費の恩恵を受ける銘柄が上昇している印象だ
インサイト
- 東証33業種中31業種が上昇、上昇率トップは証券・商品先物取引業、下落率トップは鉱業
- MSCIアジア太平洋指数は0.5%上昇
- TOPIXは年初来16%上昇、MSCIアジア太平洋指数は3.9%上昇
- TOPIXの12カ月先予想PERは15.6倍
背景
- 3月の米雇用者数は30万3000人増、1年ぶりの大幅増-失業率低下
- 米雇用統計、FRBは利下げ予想の見直し必要も-市場関係者の見方
- 債券トレーダー、米国債利回り4.5%を意識-CPI上振れなら突破も
- 2月実質賃金1.3%減、23カ月連続マイナス-名目は8カ月ぶり高い伸び
- ドル・円相場は1ドル=151円台後半で推移、前営業日の日本株終値時点は151円19銭
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