米国株、ダウ続落で始まる 一時500ドル超下落 雇用統計受けインフレ懸念強まる
米国・欧州株概況2022年5月6日 23:08
【NQNニューヨーク=松本清一郎】6日の米ダウ工業株30種平均は続落して始まった。午前10時時点は前日比451ドル61セント安の3万2546ドル36セントで推移し、3月8日に付けた年初来安値(3万2632ドル64セント)を下回っている。下げ幅は500ドルを超える場面もあった。朝方発表の4月の米雇用統計で労働需給の逼迫と高い賃金上昇が続いていることがわかった。インフレ高止まりの懸念が強まり、米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めを警戒した売りが出た。米長期金利の上昇も相場の重荷になっている。
雇用統計では失業率が3.6%と前月から横ばいとなり、新型コロナウイルスの感染が拡大する前の約50年ぶりの低水準にほぼ並んだ。平均時給伸び率は前年同月比5.5%と前月(5.6%)からわずかに低下したが、歴史的な高水準が続いた。
ダウ平均は前日に1063ドル安と2年ぶりの下落幅を記録した。投資家は高インフレと金融引き締め加速への警戒を強めており、雇用統計を受けて株売りに拍車がかかった。6日の米原油相場が1バレル=110ドル前後に上昇しているのも市場のインフレ観測につながっている。
米債券市場では長期金利が一時3.13%と2018年11月以来の水準に上昇した。長期金利が上昇すると相対的な割高感から売られやすいハイテク株が下げ、顧客情報管理のセールスフォース、ソフトウエアのマイクロソフトの下げが目立つ。インフレが消費を冷やすとの見方からスポーツ用品のナイキ、娯楽・映画のウォルト・ディズニーなど消費関連株も大幅に下げている。
ハイテク株が多いナスダック総合株価指数も大幅に続落して始まった。