ロシアからのエネルギー調達続ける…ドイツ首相「他の方法ない」「意識的な決断だ」 2022/03/08 11:30 読売新聞オンライン
【ワシントン=横堀裕也、ベルリン=中西賢司】米国のバイデン大統領は7日、英国のジョンソン首相、フランスのマクロン大統領、ドイツのショルツ首相とビデオ会議形式で会談した。各国の発表などによると、首脳らはウクライナに侵攻しているロシアへの制裁強化で一致した。ロシア産原油の禁輸措置に関しても議論したが、ドイツが慎重な姿勢を崩しておらず、結論は出なかった。
ジェン・サキ米大統領報道官は7日の記者会見で、原油禁輸措置について、「バイデン氏はまだ決定を下しておらず、欧州や世界各国との協議を続けている」と述べた。「米欧では輸入量も含め、置かれた状況が違う」とも指摘した。
4か国首脳はウクライナ国民との連帯を表明し、防衛力強化に加え、経済面、人道面でも支援を継続していくことの重要性を強調した。米国がポーランドと協力し、ポーランドの戦闘機をウクライナに供与する案を巡っても協議したとみられる。
一方、ショルツ氏は7日に発表した声明で、当面はロシアからのエネルギー調達を続ける方針を表明した。「電力や産業のエネルギーは、現時点で他の方法では確保できない。公共サービスや国民生活に不可欠だ」と述べ、原油禁輸措置に慎重な考えを示した。
ショルツ氏は、代替エネルギー開発に取り組んでいるが、「一朝一夕にできることではない」と説明し、ロシアとのエネルギー取引継続は「意識的な決断だ」とした。